
ケニアの観光の目玉、サファリで野生の動物を堪能した重太。
今度はノブに勧めたれたインド洋の都市、モンバサやラム島を目指します。
[ 1、イントロダクション ] [ 2、サファリ編 ] [ 3、トラブル編 ] [ 4、浪夢編 ]
朝、突然の電話 [ ナイロビ ] 2000年6月8日 ★
リリリリリリリ!!
朝、突然、ホテルの部屋の電話がなりました。
モーニングコールなど頼んでいません…!
ということは、ノブから何か緊急の知らせでしょうか?
緊張して、電話をとってみます。
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「今日の予定はどうなってますか? いい観光会社を紹介しましょうか?」
電話の主は例のポーターさんでした。
頼んでもいない『おせっかい』電話に重太はたたき起こされたのでした…。
起きる時間も気ままな一人旅なのに、なんて腹立たしい朝でしょう!
「…朝飯もまだ食べてないんだ…、また後で…!」
目の前にポーターがいたら、一発ぶん殴ってたかもしれません…。
このたぐいの『おせっかい』や『うっとおしい客引き』に重太は今後、たびたび悩まされることになります…。
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旅のアレンジ [ ナイロビ ] 2000年6月8日 ★
リリリリリリリリリリ!!
ホテルのレストランで朝食をとり、部屋に戻るとすぐ、また電話がなりました。
「おはよう、カブキさん、カバンはしっかり届いたでしょ?」
今度は、空港でサファリやホテルのアレンジをしてもらった旅行会社からの電話でした。
「あぁ、ありがとう。助かったよ!」
「で、今日からのご予定は?」
お礼の意味も兼ねてまたこの旅行会社に旅のアレンジをお願いすることにしました。
おせっかいポーターへのあてつけでもあります。「今晩からでも、寝台列車でモンバサとラムに行ってみたいんだ。」
この旅行会社のオフィスへ行き、これから行きたい場所や希望滞在日数を告げます。
移動に必要な列車、飛行機などについても、いろいろアドバイスをもらいます。
「このビーチも綺麗ですよ。 お勧めですよ!!」
「…うーん。 わかった、行くよ。」
午前中いっぱいを使い、これからの旅のアレンジをじっくりおこないました。
「支払いはクレジットカードでいいよね?」
VISA、マスター、アメリカンエクスプレス…。
オフィスのドアに使用可能なクレジットカードのマークが貼られているのを重太はきちんと確認していました。
「………。 今、クレジットのマシーンが壊れてるの…。」
「…………。 うそぉ…。」
マークを確認してオフィスに入ったのに、これではなんの意味もありません…。
再び他の旅行会社で旅のアレンジをするのも手間と時間がかかると思い、仕方なく現金で旅費を払うことに…。
手持ちの現金では全然足りないので、わざわざ両替所まで行き、アメリカドルとトラベラーズチェックをケニアシリングに換えました。
こういった大きな出費はなるべくクレジットカードで済ませたいところだったのに!「あと2週間、やっていけるのか?」
ケニア到着直後にサファリの支払いもトラベラーズチェックで済ませ、今回も…。
早くも手持ちの現金の残りが気になり出しました。
…なかなか思い通りにいかないアフリカの旅です。
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アフリカン・アート その1 [ ナイロビ ] 2000年6月8日 ★
スリ、強盗、殺人、テロ…。
ガイドブックのコメントからも友達のアドバイスからも、ナイロビは一人でうろつきたくない街の一つです。
「飛行機や列車のチケット発券に少し時間がかかります。」
一人で旅行会社の隅でジィッ…としてるのもなんなので、とりあえずナイロビの町を少しだけうろつくことにしました。
「…このギャラリーにでも行ってみるか。」
街中のビルにあるギャラリー・ワタトゥへ足を運びました。
ギャラリー内に入ってしまえば、とりあえず変な事件に巻き込まれる可能性は低いでしょう。「……うわああぁぁ。」
油絵、版画、鉄の像、オブジェ…。
そこには、日本では余り馴染みのないアフリカン・テイストのアートがたくさんありました。
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「……あ! ティンガティンガだ!!」
野生動物を独特のフォルムでカラフルに描く画家=ティンガティンガの作品が飾られていました。(写真、右)
自分が知っている画家の作品に何気なくたちよったギャラリーで、出会うなんて!
ちょっと得した気分です。「ティンガティンガ、好きなのかい?」
じっくり絵を見ていたら、ギャラリーの従業員に聞かれました。
「えぇ。どれもカラフルで、きれいな絵ですよね!」
さもよく知っているような口調で切り替えします。
ティンガティンガのことは、とある美術漫画を読んで、ちょっと知ってるくらいなのですが…。「……へえ…!!」
「………ほぉぉ…!!」
それほど大きなギャラリーではないのですが、作品を一つ一つじっくり見ているだけで、あっという間に2時間経ってしまいました。
ナイロビの悪い治安から逃れ、どっぷり未知のアフリカン・アートに触れられ、チケット発券待ち時間をうまく使うことができ…。
なんだか、ものすごく得した気分になりました。
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チケット発券待ち [ ナイロビ ] 2000年6月8日 ★
言われた時間通りに旅行会社のオフィスに行くと、新たな問題が重太を待っていてくれました。
「計画停電でプリンターが動かなくて、飛行機のチケットがまだ発券できてないの…。」
『計画停電』とは、雨不足のため、ダムの水位が降下し、放水に伴う発電を制限している、というものらしいのです。
発電量がまかなえないため、日中は計画的に電気を使えないようにする、というものです。
オフィスなどが多い中心部では、電気がないと仕事にならないので計画停電はない、と聞いていたのですが…。
「……。 あ、そ。」
もう何が起きても驚かなくなりました。とにかく、相変わらず小さなトラブルがテンコ盛りの旅です。
計画通り、という言葉がこれほど似合わない土地は他にないでしょう…。
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撤去されないビル [ ナイロビ ] 2000年6月8日 ★
夕方になり、やっと各種のチケット、クーポンが発券されました。
その後、すぐ、ナイロビの駅へ向かうことに。「……おい…。まじかよ!」
駅へ向かう途中、98年夏にアメリカ大使館爆破テロで巻き添えをくった隣のビルを見ました。
窓のガラスは全て無くなり、立ち入り禁止の黄色いテープがはり巡らされています。
そのテロからもう2年近く経っているのにビルは爆破後のままです。
日本だったら、現場検証がおわった直後にでも撤去されそうなものを…。「……こ、こえぇぇ…。」
タクシーの中にいるのに、なんだか身の危険を感じてしまいます。
改めて危険な国に来てしまったことを痛感させられてしまいました。
撤去されていないビル…。
海外で珍しいものを見ると、つい撮影したくなる日本人の血が騒ぎ始めました。
「…1枚、撮影したい…。」
「…でも、このことが原因で、なんらかのトラブルに巻き込まれたりしないか?!」
「…でも、撮りたい…。」
…カシャ。
危険を感じつつ、車の窓の下から盗撮するように、思い切ってシャッターをきりました。
なんだか、いけないことをしてしまったようで、ドキドキものです。
帰国後、現像した写真をながめます。(写真、右)
「…ふむ…。」
ファインダーをのぞかなかったわりには、しっかりした構図でとれていて、ちょっぴり満足です。
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ナイロビの駅にて [ ナイロビ ] 2000年6月8日 ★
なんとか、とりあえず無事にナイロビの駅に着きました。
ホームの掲示板に貼り出された部屋割りを見て(写真、右)、自分の個室にさっさと乗り込みました。
車窓さんが笑顔でむかえてくれます。
「…いいんじゃない?」
1等、3000シリングの車内は一人旅の若者には十分の広さでした。
ついでに、たくさんの蚊も重太をむかえてくれました。18:55。
ホーム内にアナウンスが入りました。
「…機関部の調子が悪く、列車は定刻には発車しません。発車時刻は準備でき次第、アナウンスいたします。」
ガイドブックによればケニアの列車は時間通りに運行する、とのことでした。
しかし、見事に定刻通りには出発しない様です…。
「……。 あ、そ。」
予定通りの運行など期待していなかったのですが、相変わらず小さなトラブルがテンコ盛りの旅です。
とっくに何が起きても驚かなくなりました。本当にちょっと前にたてたプランすら計画通りに行かない『待たされる旅』です。
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世界の車窓から 食堂車編 1 [ ナイロビ → モンバサ ] 2000年6月8日 ★
30分遅れで列車はナイロビの駅を出発しました。
すぐに食堂車で夕食の時間となります。ウェイターに指示され、一人若いケニア人男性の座っている席に相席することになりました。
「モーゼスです。」
「重太です、よろしく。」
横に静かに揺れる車内でスープ、煮込み肉料理などあまりおいしくはない料理をたしなみます。
「なんだよ、このサービスは…。」
むかいのモーゼスはなにやら不機嫌そうです。
「このウェイターは爺さんだらけで、汚い服来てサービスしてさ!」
「車内もホコリだらけ、シーツも汚い。」
「飯もいまいち。水やビールは高い。」
「食器もぼろぼろ。蚊は多い。これが1等車のサービスかよ!」
言われて見れば全てその通りです。
しかし、ケニアで『サービス』そのものに全く期待をしていない重太にとって、このくらいは許容範囲でした。「…。じゃ、君は、この後マダガスカルに行くんだ?」
二人の話題は重太の旅の話になりました。
「君はラッキーだ。」
モーゼスは意外なセリフを言い放ちました。
重太は自分が裕福、ラッキーだなどと一度も思ったことはありません。
大学時代の友達からは『ミスター・アンラッキー』という称号をもらったことすらあるくらいなのです。
「そんなに旅をできるなんてラッキーだよ。我々は安い給料で税金を払って、生活費もいろいろ必要で手元に金なんて残りゃしない。 旅に出るなんて国内でも無理な話さ。」
相変わらずの文句口調で彼の話は続きました。
「貯金なんかたまらない。金がなきゃ、結婚も出来ない。」
「留学してみたいが、そんなの夢の話さ。」
確かに、生きていくのに不自由するほどの不幸を重太は感じたこともありません。
しかし、ここケニアではその日の食事代すらない人がごまんといるのです。
衣食住に困らず、旅をしたり、映画を見たり、娯楽用のお金もちょっとはある大半の日本人とは大違いです。
ここにきて日本とケニアの生活の違い、境遇の違いについて、改めて考えさせられました。
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世界の車窓から 食堂車編 2 [ ナイロビ → モンバサ ] 2000年6月8日 ★
重太とモーゼスの隣ではアラブ系の一家が食事をしていました。
しかし、その様子は何やら他の人たちと違います。
みな手話で話をしています。
どうやら聾唖者(ろうあしゃ)の一家の様です。「ぼうや、こっちに来ないかい?」
モーゼスは5人で座っている一家の小さな子供をゆとりあるこちらの席へ座らせてあげました。
「元気かい?」
モーゼスは小さな子に話し掛けますが、その少年はひどく恥ずかしがり屋の様です。
「…そうだ!!」
重太は海外旅行の秘密道具、『折り紙』をカバンの中から取り出しました。
これなら言葉など関係なしに、少年とコミュニケーションを取れるハズです!「はい、あげる。プレゼント!」
重太は少年に折り鶴をあげました。「ワ−オ!! すごいな、それ! どうやって作るのか教えてくれよ!」
モーゼスと少年に折り紙を渡し、食堂車で『重太の折り紙講座』が始まりました。
『鶴』は完成品は素晴らしいのですが、いざ作るとなると折り紙未体験者にはとても難しいものです。
二人のペースにあわせ、ゆっくり鶴を折っていると、少年のお父さんらしき人が割り込んで来ました。
「(いっしょに折りたいのかな?)」
そう思った重太はもう一枚折り紙を用意しましたが、『いらない』と断られてしまいます。
息子の折っていた折り紙を取り上げ、わざわざ一度広げ直し、何やら折り始めました。
「鶴の折り方を知りたいのかな?」
こちらから何か問いかけても耳が聞こえないため、うまくコミュニケーションがとれません。
『だまって見ていろ!』
と言わんばかりの激しいジェスチャーでお父さんは重太を制します。しばらくすると、そのお父さんはしっぽを動かすと羽を動かす鳥を折り上げたのでした。
『どうだ、すごいだろう! お前の鳥は羽が動かないだろ!』
「いや、その鳥もいいけど、これはこれでいいでしょ?」
聞こえないからかもしれませんが、こちらの意見を全く取り入れようとしません。
一方的なコミュニケーションに加え、かなり挑発的な態度です。
『お前のなんか、ダメだ!こっちの方がスゴイ!』
そのお父さんは勝ち誇ったように息子を連れ、食堂車から去っていきました。「なんだよ! 今の!」
国際交流。現地の人とのコミュニケーション。
よかれと思って親切に始めた折り紙講座なのに…。
重太が切れやすい若者だったら、一発ぶん殴ってたかもしれません…。
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世界の車窓から 寝台車編 1 [ ナイロビ → モンバサ ] 2000年6月8日 ★
いろんな意味で消化不良の食事から戻ると、個室にはすでにベッドが準備されていました。
「夜、寝る時、ドアをちゃんとロックして下さい。」
車掌さんが厳しい顔で注意をうながします。
「……? そうするけど、なんで?」
「屋根づたいに列車に乗り込んで、盗みをしでかす奴もいるんですよ!」
お金を払って寝台列車にのっているのに、寝る間も気の休まる暇はなさそうです…。車内では特にすることもないので、明日のモンバサ観光に備え、とっとと寝ることにしました。
部屋の扉にしっかりとカギをかけ、スーツケースもチェーンで車内のとってにつなぎ、貴重品は身につけベッドに入ります。
重太が深い眠りに落ちようとしたその時です。
ブーーーーーーン…。
安眠を邪魔する不愉快な羽音が重太の耳に聞こえてきました。
どうやら蚊が部屋の中にいるようです!!
パチッ!!
パチッ!!!!
「うおおおぉぉぉ!!」
電気をつけ、怒り狂った重太は蚊を確実に殺しました。
その数7匹!!
どうやら刺されてはいないようですが、ほんとうに気の休まることのない旅です。
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世界の車窓から 寝台車編 2 [ ナイロビ → モンバサ ] 2000年6月9日 ★
シ−−−ーン………
いつの間にか眠りにつき、ふと目を冷ますと列車は駅でない場所で停まっています。
「……? なんだぁ…?」
エンジンの調子でも悪いのでしょうか?
たまに懐中電灯を照らした人が窓の外を歩いているのが見えます。
何かを探しているのでしょうか?
誰かを探しているのでしょうか?
別に何も悪いことをしていないのに、なんだかどこかに隠れなくちゃいけない気にさせられます…。
しばらくして列車は動きだし、また停まります。
「…こんなんで本当にモンバサに着くのかよ…?」
あいかわらず『順調』と言う言葉とはほど遠い旅になりそうです。
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しつこい催促 [ モンバサ ] 2000年6月9日 ★
朝7:00
車窓のサバンナを眺めながら、一人で静かに朝食をとり終えました。
モーゼスはどうやら途中の駅で降りた様です。
線路沿いの小さな家に住む人々は必ずと言っていい程、列車に向かって嬉しそうに手をふり続けます。
「ハーーイ!」
なんだかちょっと偉くなった気分で手を振り替えします。「ベッドメイキングもしたし、いいサービスだっただろ?」
モンバサ到着間際、車掌さんからおもいっきり直接的にチップを催促されます。
「隣の人はこんなにくれたよ。」
ノートに書かれた金額を見せながらの催促は、あまりいい気分はしません。
「チップをあげるの、やめようか…?」
本気でそう思ったほどです。
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いない歓迎 [ モンバサ ] 2000年6月9日 ★
朝9:05。
13時間半もの時間をかけ、列車はモンバサ駅に無事、到着しました。
出発が遅れた分、到着も遅れましたが、ほぼスケジュール通りの運行だったようです。「タクシー、どうだい?」
ホームでは、まだ列車が停まらないうちから客引き合戦が始まります。
「いらないよ!!」
ホテルから迎えのバスがくる手はずになっていたので、むらがってくるタクシードライバーたちを景気よく追い払います。「……………。」
しかし、改札を出て駅の正面に来ても、重太の迎えらしきバスなりタクシーはいませんでした…。
「…たしか、迎えをよこす、って旅行会社の人は言ったよな…。」
迎えのバス代はすでに前払いしています。
タクシーに乗るなんて論外です。時間にルーズなアフリカ、ちょっと遅れているだけかも知れません。
5分…、10分…、15分…。
車は一向に来る気配がありません。
電車は遅れて着いたくらいなのに、お金も払ったのに、ここまで待たされるのは腹立たしい限りです。
仕方なくタクシーで予約してあるホテルまで行くことにしました。「……まったく!!!」
相変わらず小さなトラブルがテンコ盛りの旅です。
何が起きても驚かなくなりましたが、腹立たしいことこの上無し!!
旅のプランをすることが馬鹿らしいくらい、計画通りにいかない『待たされる旅』です。
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アフリカン・システムのとばっちり [ ニャリビーチ ] 2000年6月9日 ★
「なんで迎えに来てくれなかったの?!」
ホテルのカウンターでチェックインついでに、重太は小さくグチります。
「どうも申し訳ありません。」というセリフが返ってくるものと思っていたら、 なんとも意外な言葉が返ってきました。
「当ホテルでは鉄道の駅への送迎は行っておりません。空港のみです。」
旅のアレンジをした時、「駅に迎えの車が来る」ことも、 そのために1000シリング(1000円強)必要で、それもツアー代に入っていることも、ちゃんと確認しました。
そのことを告げ、噛み付きなおします。
「でも、鉄道の駅への送迎は行っておりません…。」
何度状況を説明しても、ぬかにクギ…。
どうやら1000シリングは戻ってきそうもありません…。
ここまで来た別のタクシー代もかかっているのに…。
日本なら、まず聞かれる謝罪の言葉は最後までありませんでした。
ツアー会社とホテルの連絡が徹底されてないのか…?
ツアー会社がホテルのシステムを把握していないだけなのか…?
「どこかで」「何かが」うまくいってない状況…。
そのアフリカン・システムのとばっちりを重太がバッチリ受けてしまいました…。
自分がアフリカにいることを思い知らされます。
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過ぎた事にいちいち気をとられていては、アフリカの旅を楽しめません。
気持ちを切りかえて、次のことを考えるようにしましょう…。
…にしても、腹が立ちます!!
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日本語講座開設 [ ニャリビーチ ] 2000年6月9日 ★
「…なかなかいいじゃん!!」
さすがリゾート地のホテルだけあって、ゆとりある部屋には大きなベッドがありました。
ベランダまで付いています。
軽く洗濯、荷物の整理をした後、早速ホテルの裏側にあるビーチへ行ってみました。
「おおおぉぉぉぉ!!!」
インド洋です!
綺麗な砂、青い海、白い雲。
人気はなく、のんびりできるビーチがそこにはありました。
「こんなところで1日中ビーチバレーしたいなぁ…。」
ビーチを見て重太が考えることはいつも同じです。「ジャンボ!」(=こんにちは!)
ビーチでのんびりしてると、みやげ売りの人が来ました。
「どこから来たんだい?」
「仕事は何をしているの?」
「何日間ここにいる予定?」
「明日はどうするの?」
大した用のない重太は、その若者たちと会話を楽しみ始めます。
「わかった。ものを買わなくてもいいから、日本語を教えてくれよ。」
それから、彼らが日本人相手に必要な商売用の日本語講座が始まりました。
「ミテミテ!」
「カッテカッテ!」
「ヤスイヨォー!」
「アリガト!」
こんな言葉をしゃべる人がニヤリビーチにいたら、それは重太が日本語を教えた人たちかも知れません。
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インド洋のビーチにて [ ニャリビーチ ] 2000年6月9日 ★
「ジャンボ!」
しばらくして、次のみやげ売りの人がやって来ます。
「どこから来たんだい?」
「仕事は何をしているの?」
「何日間ここにいる予定?」
「明日はどうするの?」
少し話して重太がみやげを買う様子がないとわかると、みやげ売りは去っていきます。
「ジャンボ!」
間髪いれず、次のみやげ売りの人がやって来ます。
「どこから来たんだい?」
「仕事は何をしているの?」
「何日間ここにいる予定?」
「明日はどうするの?」
「………。」
入れ代わり立ち代わり、別のみやげ売りの人が来ては、重太に全く同じ質問を浴びせます…。
ケニアの人は、思考回路が全く一緒なのでしょうか?「ジャンボ!」
「どこから来たんだい?」
「仕事は何をしているの?」
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インド洋のビーチで不思議なデジャブは延々と繰り返されました…。
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ケニアでの護身法 ![]()
[ ニャリビーチ ] 2000年6月9日 ★
「一緒に昼飯をくいにいかないか?」
ビーチで日本語を教えてあげた若いみやげ売りの男が言いました。
「……うーん。」
「ホテルのレストランで食うより、安くてうまいものだぜ!」
現地の人とのふれあいはとても興味深いのですが、何が起こるかわかりません。
「……どうしようかなぁ。」
一人旅だと、全ての判断を自分一人でしなくてはなりません。
相談する相手がいない、というのは時につらいものです。「すぐ先のレストランさ。一緒に行こうぜ!」
「……OK!」
少し警戒しつつ、3人の男性について行ってみることにしました。
「日本人なら、空手はできる?」
「……いや。」
「できなくても、もし、変な奴にからまれたら、空手の構えをするといいゾ!」
「…なんで??」
ケニアの人々の間で語られているこんな話を重太に教えてくれました。
数年前、数人のケニア人が、金目当てである日本人男性を襲った。
ところがその日本人は空手の達人だった。
ケニア人は皆、数秒でボコボコニやられてしまった。
日本人男性は、地面にうずくまった彼らにお金を渡しこう言った。
「これで病院へ行ってくれ。」
そして、何事もなかったかの様に去って行った…。
ウソか本当かしりませんが、なんとカッコいい日本人でしょう!
こんな伝説なら、世界各地に広がって欲しいものです!
「だから、日本人が空手の構えをすれば、ケニアの人はビビッてみんな逃げて行っちまうよ!」
レストランまでの道すがら、ケニアでのちょっとしたハッタリ護身法を教わりました。
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初めてくるタイプのレストランにて ![]()
[ ニャリビーチ ] 2000年6月9日 ★
「……え? ここ?」
ビーチから歩くこと15分。
たどりついた所は、なんと木陰の下にある地元の人が利用する簡易食堂でした。
建物内にある大衆レストランにでも行くものだと勝手に思いこんでいた重太はビックリです。
木と木の間に青い大きなビニールシートをかぶせ、日陰を作ります。
その下に木のベンチと机を並べ、食べるスペースを作ります。
大きな鍋やタッパーにどこかで作って来た料理が入っている様です。「…一人じゃ絶対に来れないな、こんな場所。」
予想外の場所に連れて来られてしまいましたが、こんな未知の体験にワクワクしてしまいます。
他の地元のお客さんは見慣れないアジアからの客をジロジロ観察しています。
決して悪意ある視線ではありません。
…が、そこまで観なくてもいいだろう、というくらい凝視されまくります。みやげやの男性は、ごはんの上に豆や肉を煮こんだものをぶっかけて食べています。
「これ、うまいぜ! 食べないのかい?」
お皿も汚く、何が入っているかわからないその料理に手を出す勇気はちょっとありません。
「……うわ!!」
グラスにつがれた水はバッチリにごっています…。
もし、これらを少しでも口に入れたら、この先3日間は確実にうなされることでしょう…。
「……これがレストランか…!」
なんとも新鮮なレストラン体験でした。
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有り余る時間 [ ニャリビーチ ] 2000年6月9日 ★
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「…………………………あ〜ぁ。」
ホテルに戻り、アフタヌーンティーとクレープやクッキーでお腹を満たした重太はビーチでぼーっと過ごしました。
することもなく一人でいると、時間はなかなか過ぎてはくれないものです。
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「…………。 ………何しようかなぁ…。」
3月いっぱいで会社をやめ、4、5月とすでにのんびり過ごしていた重太に、アフリカでさらなるのんびりタイムは不要でした。
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「……………うぅ。 ………暇だぁ…。」
やはりリゾート地に仕事疲れもしていない元気な男が一人で来てはいけない様です。日本で寝る間もなくガンバって働いている方々にぶん殴られそうなくらい、ケニアで重太には時間が有り余っていました…。
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モンバサ市内へ [ モンバサ ] 2000年6月10日 ★
…次の日。
朝早く、ニヤリビーチを後にし、タクシーでモンバサの町中へ移動します。
町中のホテルにとっととチェックインし、町の散策に出かけます。
「あぁ。 やっと自分らしい旅ができる!」
サファリでは、ずっと車の中で座っているだけでした。
ナイロビでは、治安の悪さを懸念してほとんど出歩きませんでした。
やっとここにきて、自分の足で自分の思い通り歩ける『重太好みの浪夢』ができるのです。
地図も持たず、自分の勘だけを頼りに町の歩き始めました。
まず、第一の目的地、『タスクス』へやって来ました。
『タスクス』とは、大通りにかかった象牙をあしらった大きなゲートのことです。(写真:右)
「ハロー、マイフレンド!」
写真を撮っていると、話し掛けて来る人がいます。
タスクスの横にはたくさんみやげ屋があり、その客引きの人たちでした。
「まぁ、見てってよ! 安くするよ!」
「いくらなら、買うかい?」
一歩歩くごとに客引きが来ます。
みやげなど買う気のない重太は、一向にとりあわず歩き続けます。途中、笑顔で握手してくる男性がいました。
「(外国人に好意をもってるのかな?)」
その好意を裏切ってはいけない、と握手に応じます。「うおっ!! 何するんだよ!」
そいつは手を握ったとたん、店内に強引に連れ込む客引きだったのです!
なんで、こう、商売しか考えていない、うっとおしいヤツばかりなのでしょう?
普通に人として、向き合ってくれる人はケニアには…、…いないんでしょう……。
「日本人を見たら、金づると思え!」
みなそう思っているに違いありません…。
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モンバサ観光、ガイド登場 [ モンバサ ] 2000年6月10日 ★
モンバサ市内観光、次なる目的地は『ムバラキの塔』です。
謎の多い石の塔を目指し、あてにならない地図を頼りにひたすら歩き続けます。「『ムバラキの塔』はこっちであってますか?」
「ついてきな!」
何気なく話し掛けた人は、わざわざ塔のある場所まで連れて行ってくれる雰囲気です。
「僕はノーマン。モンバサに住んでるんだ。」
「重太です。日本から来ました。」
話していくうちに、ノーマンは結婚をしていて、2人の子供もいることがわかりました。
「でも、仕事がないんだよね…。」
それなら、こんな観光客につき合ってる場合ではないような気がします…。
「塔はこっち?」
「この先でいいの?」
ノーマンが地元の人にあれこれ聞いています。
「ついてきな」と言った割りに、頼りないガイドです…。散々迷った末、やっとのことで『ムバラキの塔』に到着しました。(写真:右)
モンバサ島の西、工業地帯の奥の奥にあるあの塔は、一人では到底見つけられそうもありませんでした。
「………。」
見たからどうだ、という感じの塔でした…。「後はどこに行きたいの?」
「自分で行くから、もういいよ。」
「そんなこと言うなって。」
頼んでもいないガイドを買って出るノーマンは、その後『フォートジーザス』や 『オールドタウン』といったモンバサの観光名所をガイドしてくれました。
結局、『自分の足で自分の望むように』モンバサの町を歩くことは出来ませんでした…。
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『ディスカウント』 [ モンバサ ] 2000年6月10日 ★
「ねぇ、何か忘れてない?」
押し付けガイドのノーマンが別れ際に口火を切りました。
「(やはり、そう来たか!)ありがとう。ビールでもおごるよ。」
「そんなのはいいんだ…。僕には子供が家で待ってるんだよ。」
重太は暗に金を請求されました。「いくら欲しいんだ?」
「………500(シリング)。」(約500円)
結構な値段を請求して来ます。
「200くらいでいいんじゃない?」
「じゃ、400でいいよ。」
こんな感じの値段のやり取りはケニアでは頻繁にある会話です。「……200でいいだろ?」
自ら頼んだわけでもないガイドに500も払う気のない重太は200で手をうとうとします。
「400だよ。これでもディスカウントしてあげてるんだよ!」
『…ディ ス カ ウ ン ト…?』
その言葉に重太が切れました。(1回目)
「ガイドをこっちから
頼んだわけでもいないのに、
『割り引きしてあげた』だとぉ…?
ふざけんな!!!」
…強引な客引き…。
…最後にはいつも金の話になる展開…。
毎度同じパターンの現地人との関わりにうんざりした重太は、怒ってその場を去りました。
怒っておきながら200シリングは渡すところは律儀です…。
目次へ
予定通り行かず、ハプニング満載の旅はストレスのたまる旅へと変わっていきます。
せっかくの旅なのですから楽しまなければ損なのですが、果たして重太はそれに気付くのでしょうか?
それとも、途中で旅をギブアップしてしまうのでしょうか?
[ 4、浪夢編 ]へ
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ケニア2000 [3、トラブル編] 目次
・朝、突然の電話 ………突然起こされ、電話に出てみると…・旅のアレンジ ………小さなトラブル続出
・アフリカン・アート その1 ………新鮮、斬新な数々のアート
・チケット発券待ち ………言われたとおりの時間にオフィスへ行くも…
・撤去されないビル ………テロの傷跡がまだ残っている!
・ナイロビの駅にて ………予定通り出発しない列車
・世界の車窓から 食堂車編 1 ………相席した男とのショッキングな会話
・世界の車窓から 食堂車編 2 ………『折り紙講座』のひどい結末
・世界の車窓から 寝台車編 1 ………蚊と戦う一夜
・世界の車窓から 寝台車編 2 ………停まっては走り、停まっては走り…
・しつこい催促 ………車掌の直接的なチップの請求…
・いない歓迎 ………迎えのバスをひたすら待つ
・アフリカン・システムのとばっちり ………とんだとばっちりを受ける
・日本語講座開設 ………みやげ屋さんに日本語を教える
・インド洋のビーチにて ………デジャブに遭遇
・ケニアでの護身法 ………もし、現地の人にからまれたら…?
・初めてくるタイプのレストランにて ………連れて行かれたすごいレストラン
・有り余る時間 ………一人で過ごすリゾートの悩み
・モンバサ市内へ ………やっと自分の足で観光ができる状況に
・モンバサ観光、ガイド登場 ………押し売りガイド、登場
・『ディスカウント』 ………ぶちきれる重太、その1
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