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2000年6月16日〜2000年6月25日
「せっかくアフリカまで行くなら、ちょっと足をのばしてマダガスカルへも…。」
それくらいの軽い気持ちでアフリカへ旅立つ前=日本でマダガスカル行きを決めちゃいました…。
そこでは、人生を揺るがすほどの『とてつもないトラブル』が待ち受けているとも知らずに…。

 
[ 1、波乱編 ][ 2、冒険編 ]
[ 3、観光編 ] [ 4、帰国編 ]

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 マダガスカル行き、悩む
2000年6月14日 ★

…2000年、5月下旬、横浜(日本)にて。

「……ない! ないぞ!!」
日本の書店でマダガスカルのガイドブックを探しても全く見つかりませんでした。
あったとしてもアフリカ全体のガイドブックの見開き2ページのみ…。
インターネットで調べても、旅に有益な情報はあまり見つけられず…。

結局、マダガスカルに関して、『ほとんど無知、手ぶら状態』で第1目的地=ケニアへ旅立ちました。


…2000年、6月中旬、ナイロビ(ケニア)にて。

「わざわざ行かないでもいいかなぁ…。」
ケニアであまりいい思いをしなかったからでしょうか。
マダガスカル行きに、あまり積極的になれません。
一人旅でヤなことが続くと、何をするにもちょっぴりだけ弱気になってしまいます。

「…でも、帰国のフライトはアンタナナリボからにしちゃったしなぁ…。」
行けばなんとかなる根性で、帰国便はマダガスカルからにしてしまったのです。
とりあえず、日本に帰るために、首都のアンタナナリボに行かねばなりません…。

「タナに行くんですね?」
ナイロビのヒルトン・ホテル内にあるマダガスカル航空のオフィスで重太は聞かれました。

「いえ、首都のアンタナナリボに行きたいんですけど。」
「だから タナ でしょ?」
「いいえ。アンタナナリボです。」
受付のおじさんはあきれ顔です。

アンタナナリボの通称が『タナ』ということすら知らずに、マダガスカルに行こうだなんて…。
…やはり、こんな奴はマダガスカルに行かない方がいいのかも知れません。

Madagascar 2000

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 マダガスカルに行く理由
[ ナイロビ ] 2000年6月16日 ★★

ケニアでの観光を一通り終え、いよいよマダガスカルを目指します。

「……あった!」
ナイロビの空港で、ようやくマダガスカルのガイドブック(英語)を見つけました。

「…『英語はほとんど通じない。』……だって?」
さらには重太が行ってみたい世界遺産も『一人で行くのは困難』と記されていました。

広大なマダガスカル島は列車やバスなど、それほど整備されていない様子です。
どこへ行くにも、何をするにも簡単にはいきそうもありません…。
…どんどんマダガスカルに行きたくなくなってきます…。

空港の待合室で、サッカー、ユーロ2000の試合をボーーーと鑑賞…。

「…オレ、何のためにマダガスカルに行くんだろう…?」
自分に罰ゲームを課してる感じにすらなってきました…。

機内持ち込み荷物の検査が厳しく行われます。
そんな現実の面倒クサイことより、マダガスカルに行くことの意味をなんとか探し出そうとしました。

Madagascar 2000

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 さらば、ケニア!!
[ ナイロビ → ? ] 2000年6月16日 ★★

「…え? もう…?!」
航空券に書かれた時間より早くボーディングが始まりました。
遅れることはあるのに、早まるなんて、うれしいような、戸惑うような…。

さらにフライトナンバー(便名)も航空券には、
MD739と書いてあるのに、搭乗口付近のボードには、
MD731と表示されています。
一体どうなっているやら…。

「いろいろあったケニアともいよいよお別れか…。」
楽しいことばかりでなかったケニアも、いざ離れるとなるとちょっぴり寂しいものです。
飛行機はそんな重太の気持ちなど知らずにあっさり飛び立ち、マダガスカルを目指しました。

Madagascar 2000

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 ここ、どこ?
[ ナイロビ → ? ] 2000年6月16日 ★★

機内では、先程空港で買ったマダガスカルのガイドブックに目をやりました。
何も知らないで飛び込む未知の国の情報を少しでも頭に詰め込んでおこうと真剣に読みあさります。
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「……ふぅ………。」
読めば読むほど、大変な旅が待っていそうな気にさせられました。

「え? もう着いちゃうの…?」
離陸から1時間45分。
飛行機は、あっという間に着陸体勢に入りました。
地図を見てのザっとの概算ではありますが、3時間くらいは飛ぶものと思っていたのに…!

「うわぁ!! すっげぇぇぇ!!!」
…珊瑚礁が見えるものすごく綺麗な海岸線…。
…緑が美しい山々…。
…どこまでも青い空…。
とっても素晴らしい自然に囲まれた所にたどり着いてしまいました。

「綺麗な所だなぁ…。」
しかし空港のまわりには建物らしきものが全くありません。
周囲を見回すと、すごく小さな島に到着したような感じです。

「マダガスカルってこんなに小さな島なの?」
重太は何も考えず、荷物をまとめタラップを降りようとしました。

「飛行機から降りないで下さい!」
スチュワーデスさんに止められてしまいました。

「え、なんで?」
「あなたは、ここで降りる人ではないでしょう?」
「え? ここ、マダガスカルなんでしょ?」
「……ちがいます。」
困った顔でスチュワーデスさんが答えます。

「え? ちがう?!」
なんとも意外なことをおっしゃるじゃありませんか!
マダガスカル行きの飛行機に確実に乗ったはずなのに!
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…………確実に………?

「(…まさか!!!)」
そういえば、先ほどナイロビの空港で、航空券と表示されたフライトナンバーが一致しませんでした!
飛行機を乗り間違え、わけもわからない場所へ来てしまったことも考えられます!!

「(…マジかよ……!!!)」
一気に血の気がひきます…。

ここからマダガスカルに行くには、どうしたらいいんでしょう?
…わかりません…。

飛行機代はさらにいくらかかるんでしょう…?
…わかりません…。

なんで、こんなことになってしまったんでしょう…!!
…全く、わかりません…。

何をどうしたらいいのか、サッパリわかりませんでした…。
一瞬の内に、気分をドン底まで落ち込ませてくれる事態が発生してしまいました…。

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 ………ここかぁ!
[ → アンタナナリボ ] 2000年6月16日 ★★★

「ここはモロニ島です。」
スチュワーデスさんが教えてくれました。

「へ? も ろ に 島? どこ、それ?」
「ここです。」
なんだかわけもわからない所に重太は連れて来られてしまったようです…。

「…あぁ、ここにいるのかぁ!」
急いで座席に戻り、機内にある雑誌の世界地図を見て、ようやく自分がどこにいるのか確認できました。(地図:右→)

モロニ島とは、ケニアとマダガスカルの途中にあるコモロ諸島の島の一つの様です。
飛行機はここを経由した後、マダガスカルを目指すようでした。
そうならそうと、表示するなりアナウンスするなりしてほしいものです…。

「こんなところ、そう簡単には、来れないだろう!」
周辺の綺麗な景色を見て、なかなか来られない場所に来られて、急に得した気分になってきました。
…さっきまで自分のいる場所がわからずうろたえていたクセに…。

Madagascar 2000

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 噂の入国審査
[ → アンタナナリボ ] 2000年6月16日 ★★★

「うわぁぁぁ…。」
モロニ島を離陸した飛行機は、火山の火口の横を通り、ぐんぐん高度を上げます。
綺麗なモロニ島の海岸線に見送られ、再びアフリカの東の島=マダガスカルを目指します。

モロニ島から飛ぶこと1時間15分。
飛行機は今度こそマダガスカルの首都=アンタナナリボに到着しました。


「…しっかし、おっそいなぁ…。」
入国審査にものすごく時間がかかります。
ほんの数十人相手にこの手際の悪さは特筆モノでした…。
入国カードなど機内で書かせればいいものを…。
わざわざ到着後の空港で配るからこういうことになるのです!

ビザがなくその場で取得する人の列の方がすいていて、どんどん進んでいます。
何のために、
わざわざナイロビでマダガスカル入国のビザ(=査証)を取ったんだか…。

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重太の順番が来るまでになんと、45分!!
「ま、いいけどね…。」
ケニアでも思い通りに行かないpole pole(ポレポレ=ゆっくり)な旅をしてきた重太は、それほどイラつかないで済みました。
ケニアの旅も全くムダではなかったようです…。

「(それ、出して!)」
審査官が彼には未知の言葉で何かを要求して来ます。
「(これは、金の催促か?!)」
どなたかのインターネットのページでは、入国の際、審査官に金の催促をされたことが書かれていました。

「(おれは、屈服せんぞ!)」
重太は断固とした態度をとり、審査官の要求には応じませんでした。
「ほら、出しなよ!」
断っても審査官はしつこく何かを要求します。
「その胸のカード!!」
審査官は重太のイエローカード(予防接種証明書)を見たかったのでした。

「はい、行っていいよ。」
イエローカードにザッと目を通した審査官は、ワイロを請求することもなく、通してくれました。

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「…ふぅ、やっとかよ…。」
1時間以上もかかって、やっと空港のロビーに出ることが出来ました。

「…この先もずっとこんな感じなのか…?」
…なんとも、先が思いやられる国の玄関口です…。

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 金持ちになる
[ アンタナナリボ ] 2000年6月16日 ★★★

「ねぇ、ここのレートはいいと思うかい?」
両替所の前で、スウェーデン人のバックパッカーが重太に話し掛けて来ました。
「こっちもマダガスカルに着いたばかりなんで、よくわかんないなぁ…。」

「明日、明後日は週末で銀行がしまるかも。とりあえず替えておくか…。」
もう一人のスウェーデン人の男性が両替えを始めました。

「…明日から週末か…。じゃ、俺も…。」
重太も手持ちのアメリカ・ドルを現地通貨=マラガシー・フランに両替えすることに。

「…え? …こ、こんなに?」
400アメリカ・ドル(5万円弱)が
2、600、000(二百・六十万)マラガシー・フランに化けてしまいました。

目の前に現れた、積み重ねられた札束の山…。
なんだか一気に金持ちになった気分です。
…実際はそんなこと、決してないのですが…。

「…ちゃんとあってんのかなぁ?」
提示された額がちゃんとあるか、その場で確認しようかと思いましたが、札の量が尋常ではありません。

なにせ、最高の額面が25,000マラガシー・フラン(=3〜4ドル=たったの400円程度)。
その札を10枚たばね、ホチキスでとめ、250,000マラガシー・フラン(30〜40ドル)として使っているようです。
この国もインフレがはげしく、新札の発行が追いつかないのでしょうか?

それがさらに10束となり(=100枚!)、残りもお札でもらい…。
その場で全額あるか、全部ちゃんとしたお金かどうか確認することなど、とてもできません。

とりあえず、両替え屋を信じ、両替所を離れることにしました。

札束の山…。
手にした瞬間はうれしいものですが、数えるのは大変だし、持ち運びはかなり不便…。
さらには、まわりから狙われてるような錯覚にも陥り、あまりいいモノではありません。

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 ガイド登場
[ アンタナナリボ ] 2000年6月16日 ★★★

「君、これからどうするの?」
両替えの終わったスウェーデン人のバックパッカー二人が再び重太に話し掛けて来ました。

「…うーん、今晩はタナのホテルに泊まるつもり。」
「じゃぁ、よかったら町までのタクシー代をシェアしないかい?」
「…よろこんで!」
なんとうれしい申し出でしょう!
貧乏バックパッカーには贅沢な乗り物、タクシーに便乗できてしまうなんて!

「ガイドは必要かい?」
そこへ現地のガイドらしき人が英語で話し掛けて来ました。
「…うーん…。」
なぜかこの手のガイドはうさんくさく見えてしまい、つい、敬遠しがちです。

「マダガスカルじゃ、一人じゃなかなか行動できないよ! ガイドが必要だよ!」
…確かにガイドブックにも、そのようなことが書いてありました。

「あなたは、どこに行きたいの?」
「…世界遺産の『チンギ ド ベマラハ』に行ってみたいんだけど…。」
「はい、はい! それじゃ、そういうプランを立てましょう!!」
「え? ホント?!」

意外な急展開です!!
…というのも、ナイロビで読んだガイドブックには、その世界遺産には『一人では行けない』と書いてありました。
そのため、重太はそこへ行くことを諦め、他の場所を軽く観光するつもりでいたのでした。

なんだか、急にマダガスカルの旅が魅力的なものに感じられてきました!
来た甲斐がちょっとだけある様に思えてきます!!

「とりあえず、ここではなんですから、タナのホテルで話しましょう。」
そのガイドに連れられ、スウェーデン人2人と日本人1人はタクシーに乗ってタナの町を目指しました。


アフリカの旅がそんなに『トントン拍子』にいくハズがないことを、この時重太はスッカリ忘れていました…。

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 そんなの、あり?
[ アンタナナリボ ] 2000年6月16日 ★★★

先ほどの両替えがあっているのか気になり、重太は車中でお金の確認を始めました。

「可愛いデザインの札だな!」
お札にざっと目を通します。
とりあえず、全部ホンモノのようでした。

「ん? これはなんだ?」
中に『20』や『50』と書かれたコインもありました。
先ほど両替えしたお金にこんな端数は生じないはずです!

「!!! だまされた!」

「どうしたんだい?」
後部座席で一人悔しがっている日本人を見て、ガイドが聞いて来ました。

「あぁ、そのコインかい? それは『アリアリ−』と言って、マラガシー・フランの5分の1の量で表記するんだよ。」
「…ご、5分の1?!」
よくわからない事態が発生しました…。
ガイドの説明は続きます。

「つまり、そのコイン、20(アリアリー)は100(マラガシー・フラン)ってことさ。」
「50(アリアリー)は2500(マラガシー・フラン)ってこと。」
「………。ふーん。」

『アリアリーは、5倍するとマラガシーフランになる』……。

マダガスカルを訪れる外国人には、なんとも理解しにくいシロモノ…。
それがマダガスカル第2の通過単位=アリアリーの正体でした。

アメリカの『100セント』=『1ドル』みたいに、『100分の1』『100倍』の関係なら分りやすいものです。
しかし、『5倍して単位を変える』ことの便利さ、意味あい、メリットはサッパリわかりません…!

『アリアリー』表記だとケタ数が大きくなる数字を
『マラガシーフラン』でさらに大きくして、なんの得があるのでしょう?

…マッタクいろいろと紛らわしいことが存在する国=マダガスカルです…。

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 懐かしいタナの町
[ アンタナナリボ ] 2000年6月16日 ★★

タクシーはアンタナナリボ(=タナ)市内に入り、ガイドさんお勧めの宿へたどり着きました。
部屋の雰囲気もお値段も問題なく、チェックインを済ませます。

「じゃ、行きましょうか。」
その後すぐ、空港で出会ったスウェーデン人男性2人とガイドさん(=ツアー会社の人)とタナの町中を散歩に出かけました。

丘に囲まれたこの町は坂が多く、歩くのにちょっと気合いが必要です。
6月なのに、Tシャツだけではちょっと涼しく感じられました。

町の商店街では花火を売っています。
プラスチックの飛行機や銀玉鉄砲など、子供向けのおもちゃも売られていました。
町中が縁日会場みたいな感じがします。
道行く人たちもアジア系の顔をした人が多く、アフリカを感じさせません。

家の屋根瓦の感じがどことなく日本を思い出させます。
遠くの丘が夕陽に照らされ、ちょっぴり切ない気持ちを味あわせてくれました。



「なんだろう! なんだか懐かしい…。」
ケニアでは感じなかった『落ち着いた気持ち』、そして『ワクワク』感が全身に走ります。

…アンタナナリボ。
遠い昔、日本のどこかで見た事があるような、そんな気分にさせてくれる町でした。

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 チンギ行き、決定!!
[ アンタナナリボ ] 2000年6月16日 ★★

どこに行くにも交通の便が悪い。
どこも英語が殆ど通じない。(公用語はフランス語とマダガスカル語)

ケニアで見た英語のガイドブックにはこう書かれていました。
マダガスカルは、英語が頼りの個人旅行者にはなんとも旅をしにくい場所の様です。

見てみたいと思っていたマダガスカル唯一の世界遺産(2000年当時)、 不思議な光景『チンギ・ド・ベマラハ』に行く事は無理だと諦めていました。

「いや、行けますよ。」
さきほど空港であったガイドさんが、すぐ、チンギ観光を中心としたプランをたててくれました。

旅の前金として1300000マラガシーフラン(=約200ドル)を払います。
残りの代金は明日の朝、銀行へ行ってトラベラーズチェックを現地通過に両替えして支払う事にしました。

「明日、午後のフライトでムロンダバへ飛び立ちます。そこからチンギへ行けますよ!」
「やったぁ〜!!!!」

行きたい場所へいける。
見たいものを見れる。

これこそ旅の醍醐味!
これこそ旅の感動につながります!!
これでこそ、マダガスカルに来た意味があると言うものです。


…しかし…。
この決定が後で本当にとんでもない事態を引き起こすことになるとは、 この時、重太はまだ知りませんでした…。

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 夕食と両替え
[ アンタナナリボ ] 2000年6月16日 ★★

今後1週間のマダガスカル観光&滞在プランをたて終えました。
その後、シャワーを浴びてから、スウェーデン人2人と一緒にホテルのレストランで夕食をとる事にしました。

ピザとスープを注文し、3人で旅の事をあれこれ話している時です。
先程まで一緒にツアーのプランをたてていた旅行会社のボス=ミシェルから電話がかかってきました。

『明日、早朝の飛行機に乗るから、今晩のうちに残りのお金を用意して。』
予定を変更して、午後ではなく朝一のフライトでタナを飛び立つ、と言うのです。
よって明日の午前中にお金を両替えする時間がないから今のうちに…、と言ってきたのです。
…なんとも、せわしい国ではありませんか…。

銀行はすでに閉まっているはずです。
『ヒルトン・ホテルへ行けば、クレジットカードで現金を引き下ろせるマシン(ATM)があるよ。』
そうは言われても…。

頼んだ夕食はまだ出てきていません。
「…うーん。」
ひとまず夕食は後回しにして、急いでタクシーでヒルトン・ホテルを目指しました。

「おいおい…。」
ヒルトンに着き、すぐに見つけたATMマシンは、フランス語とマダガスカル語でしか表示されません。
どちらも重太が全くわからない言語です…。

なんとか『それらしい』ボタンを押し、現金引きおろし(っぽい)画面になりました。

「…えっと。」
自分が必要な金額がマラガシー・フランだといくらなのか、暗算が苦手な重太にはすぐわかりません。
足りなくても多すぎても面倒な事になりそうです。
何度も持参した電卓をたたき、残り支払う分の額を割り出しました。

「…あれ?」
下ろす額が多すぎるためか、1度では欲しい額をひき下ろせないみたいです…。
こうなると、自分が欲しい額があっているのか、基本的なことが疑わしく感じられてしまいます…。

とりあえず自分を信じて、必要な額を4回にわけて下ろしました。
「…ホントに、あれであってたのかな…?」
その国の通過や物価にまだほとんど触れていないので、とにかく不安が残ります…。

ただ必要なお金を用意するだけなのに、なんだかとても慌しく、そして頭を使い、疲れました…。

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一仕事を終え、タクシーでホテルへ戻ります。
すると、ちょうど先ほど頼んでおいたピザとスープが出てきました。

「…おいおい…。」
…なんとものんびりペースの国=マダガスカルです…。

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 噂のマダガスカル航空 その1
[ アンタナナリボ ] 2000年6月17日 ★★★★

「マダガスカル航空はよく遅れたり、欠航したりするみたいです。」
日本を出発する前、旅行会社でそう聞かされていました。

5:45起き。
パッキングをさっさとすませ、チェックアウトします。
「あれ? 俺、自分一人で空港まで行かなくちゃいけないのかな…。」

お迎えが来るのか?
自力でタクシーで空港まで行くのか?
どうしたらいいのか、ガイドと話していないことに今更気づきました。

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6:30。
どうしたらいいか、重太がうろたえ始めた頃、今回の旅のガイド=ベンジャミンがホテルにやってきました。
「さ、行こう!」
お迎えが来てくれ、一安心です。
7:20発のフライトには十分間に合う時間でした。

アンタナナリボの町をぬけ、空港に向かいます。
人力タクシー、ワゴンタイプのバス、牛車、市場…。
土曜日の朝7時というのに、町のほとんどが活動を開始している感じです。



7:00頃空港に着き、旅行会社のボス=ミシェルと合流しました。

国内線なので、搭乗時間までまだ余裕があるとのこと。
重太とベンジャミンはカフェでパンとコーヒーで朝食をとります。
空港内には搭乗手続きのアナウンスは流れないので、ミシェルが飛行機の運行情報を聞きに行きました。

「…た、大変だ!!」
ミシェルが青ざめた顔で慌てて戻ってきました。

「ムロンダバ行きの飛行機は、もう行っちゃったって…!」
現地のツアー会社の人がいたのに、飛行機に乗り遅れてしまったのでした。

…全くなんともあきれてしまう国です…。
定刻より先に飛行機が飛んでしまうなんて…。
フライトは、遅れることはあっても、早まるなんて聞いたことがありません…。

…次のフライトは午後2時…。
今はまだ7:30前…。

これでは、昨晩ヒルトンに行ってお金を下ろしてきたことも、
その往復にかかったタクシー代も、
今朝の早起きも、全く意味がありません…。

くたびれ損の骨折りもうけ…。
腹立たしいことこの上ありませんが、この怒りを誰にぶつけていいのか、わかりません…。

次のフライトまで、ジャッキーチェンの映画を2本見て過ごします…。
「…おれ、何しにマダガスカルまで来たんだろう?」
やはりアフリカの旅は一筋縄ではいかないようです…。


マダガスカルの旅、こんなのは、まだ序の口のトラブルでした…。

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 リコンファーム その1
[ アンタナナリボ ] 2000年6月17日 ★★★

午後1:00。
『今度こそ、飛行機に乗り遅れないため』、早めに空港へ行きました。

待ち時間を利用して、日本への帰国便のリコンファームをすることにします。
リコンファームとはフライト72時間前までにその飛行機に乗る意思を航空会社に電話で伝えるものです。

アンタナナリボから南アフリカ、ヨハネスブルグまではマダガスカル航空を使います。
そのリコンファームは空港内のカウンターですぐ完了しました。

ヨハネスブルグから日本まではマレーシア航空を使います。
しかし、マダガスカルにはマレーシア航空のオフィスがないので、 南アフリカにあるオフィスにリコンファームの電話をかけなくてはなりません。

「……………。」
電話は鳴ってるのにいくら待っても誰も出ません。
今はつながらないので、また、あとでチャレンジすることにしましょう。

それにしても、リコンファームの為にわざわざテレフォンカードを買い、 国際電話をしなくてはならないというのは、かなりナンセンスです。

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 ムロンダバへ、テイクオフ!
[ → ムロンダバ ] 2000年6月17日 ★

『2:15』出発と書かれた搭乗券を
『2:25』に渡されました。

「(…本当に大丈夫なのか?)」
早朝、予定より早く行ってしまったマダガスカル航空に対する不信感はつのる一方です。

2:45。
予定より30分遅れて、飛行機はアンタナナリボを飛び立ちました。
これぞ、本来のマダガスカル航空の姿なのでしょう!

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18人乗りの小型飛行機は低い所を飛び続けます。

赤い大地、緑の樹々、なだらかに続く丘陵地帯…。
窓からはマダガスカルの風景を楽しめました。

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「おぉぉ! すげぇ!!」
しばらく飛ぶと、小さくバオバブの木が見え始めました。
マダガスカルに来た事を実感させる景色は、離陸前のゴダゴダを忘れさせるのに十分過ぎるほどのものでした。

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1時間程飛んで飛行機はマダガスカルの西海岸、ムロンダバ空港へ無事到着しました。

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 マダガスカルの片隅で
[ ムロンダバ ] 2000年6月17日 ★

ムロンダバの空港ではツアー会社の現地のスタッフが待っていてくれました。
フランスで30年くらい前に廃車になった様なボロボロのルノーでホテルへ向かいます。

ここではアスファルトで鋪装された道などごくわずかです。
途中、町の市場の横を通り過ぎました。
肉、野菜や服、鍋など生活に密着したものを売っているのが見えます。

ホテルは小さな港にほど近い場所でした。
コテージ風の小さな建物がまん中の広場を中心に並んでいます。(写真:右1)

少し歩くとビーチがあり、モザンビーク海峡を臨めます。
サファリや未開地の様な日本人が持つアフリカのイメージとは違うちょっとおシャレな場所に来てしまいました。

「………。 いいねぇ。」
モザンビーク海峡に沈む夕陽はなんだか静かな感動を与えてくれました。

街灯など殆ど無い暗闇を少し歩いて町中へ向かいます。
あまりキレイとは言えない大衆食堂で夕食をとりました。
「うまい!!」
RIZ CONTONAISというごはんの上に煮込みをぶっかけたマダガスカル料理は日本人好みの味がしました。

アンタナナリボの町並みに感じた懐かしさ。
マダガスカルは米が主食という食文化。
日本とマダガスカルは地理的には遠い国なのに、どこか根本に共通点があるような…。
タナで感じた妙な懐かしさというのも、こういった共通文化背景があるからかもしれません。

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 リコンファーム その2
[ ムロンダバ ] 2000年6月17日 ★★★

食後、リコンファームのため、南アフリカにあるマレーシア航空のオフィスに公衆電話から電話をかけました。
(写真:右、画面左ハジに電話ボックス)

「……………。」
電話は鳴っているのにいくら待っても誰も出ません。

リコンファームの受付けは24時間体勢でやってもらいたいところです。
どうも重太と
ヨハネスブルグとの相性はよくないみたいです。

…今はつながらないようなので、また、後でチャレンジすることにしましょう…。


この『リコンファーム』に今後も思いっきり苦労させられるなんて、この時、まだ分っていませんでした。

Madagascar 2000
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とりあえずなんとかマダガスカルに到着した重太。
希望の世界遺産へも行けそうな雰囲気です。

…しかし、そこへ向かう途中、人生最大の危機となる 『ある事件のキッカケ』に出くわします…。

つづいて、next page [ 2、冒険編 ]へ


  マダガスカル2000 [ 1、波乱編 ] 目次 

マダガスカル行き、悩む ………行くべきか、行かざるべきか…

マダガスカルに行く理由 ………なんで自分はマダガスカルへ??

さらば、ケニア! ………いよいよケニアとお別れ!

………ここかぁ! ………意外な地へ降ろされる

ここ、どこ? ………意外な地へ降ろされる

噂の入国審査 ………とにかく手間と時間がかかる

金持ちになる ………すごいケタ数のお札、価値は?

ガイド登場 ………行けそうもなかった世界遺産への道が開ける

そんなの、あり? ………換算しにくい第2の通過単位

懐かしいタナの町 ………アフリカなのか、アジアなのか…?

チンギ行き、決定!! ………諦めていた場所へ行ける事に!

夕食と両替え ………突然必要になったお金

噂のマダガスカル航空 その1 ………予想外の珍事発生

リコンファーム その1 ………つながらない電話

ムロンダバへ、テイクオフ! ………目的地へ向けての第一歩

マダガスカルの片隅で ………ちょっとしたことから日本とのかかわりを考える

リコンファーム その2 ………やっぱりつながらない電話

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