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フランスワールドカップ観戦スペイン旅行を終え帰国の途についた重太は
フライトの都合でドイツで一泊することになります。

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 シェラトンに一泊!?
[ →フランクフルト ] 1998年6月19日 ★

Back to Japan スペイン、バルセロナを発った彼は、ドイツのフランクフルトに到着しました。
ドイツには本当にただ寝るだけの入国です。
本来なら、スペインにもう一泊して次の日のフライトで帰りたかったのですが仕方ありません。

「あ、ホテル、発見!」
彼は空港に隣接しているホテルを見つけました。
明日の昼、すぐまた出発することになるので、ホテルは空港近くがいいとおもっていたのです。

「…まじかよ!!」
早速行ってみると、そのホテルは、なんと天下のシェラトン様ではありませんか…。

「一泊いくらですか?」
Tシャツ、Gパン姿の青年がおそるおそる聞いてみました。
「170ドル(=約19000円)です。」
「あ、そうですか…。」

次の日のフライトが朝特別早いわけでないので、彼は身分相応のホテルを探すことにしました。

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 ドイツの一夜
[ フランクフルト ] 1998年6月19日 ★

「…現金は…、必要無いよな…。」
たった一晩だけの何もすることのないドイツ滞在です。
唯一必要な費用の宿泊代もクレジットカードでなんとかなるでしょう。

「…これをマルクにして下さい。」
しかし、小心者の彼はとりあえず現金も持っておくことにしました。

「だんけ。」(=ありがとう。)
唯一知っているドイツ語を言い、両替所を去ります。
両替所で2000円が約20ドイツマルクになりました。
これがあっているのか、マルクのレートを知らない彼には皆目検討もつきません。
両替所のおばちゃんを信じて、今晩のホテル探しを続けます。

空港のインフォメーションで「お手ごろ価格」のホテルを教えてもらいました。
そのホテルは空港からシャトルバスで15分のところにありました。

「…………。何もねぇーじゃん。」
そこは、町中、というよりは林の中でした。
周辺にはレストランやおみやげ屋やコンビニどころか、民家すらありません。
ちょっと歩いた所にシリコングラフィックス(コンピュータ)とニコン(カメラ)の工場があるくらいでした。
とても観光するような所ではないようです。

「…………。せっかくドイツに来たのに…。」
本当に何もすることのないドイツ滞在となりそうです。
フライトの都合とは言え、あまりにも冴えないドイツの一夜です。

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 念願のバイスビアー
[ フランクフルト ] 1998年6月19日 ★★★

「ドイツのバイスビアーってのがうまいんだよ!」
以前、友達に言われた一言を思い出した彼は、ホテルのバーに早速行ってみました。

「バイスビアーを1つ。」
バーテンさんはビールでグラスをすこしゆすいだ後、じっくりと注いでくれました。

(両手にビンをはさんで ゆすぐイラスト)
カウンターに念願のバイスビアーが置かれました。
TVでワールドカップサッカーを見ながら飲むバイスビアーはさぞかし美味しいことでしょう!

「ごくっ、ごくっ…」
 あれ?
 え?
 これが、「うまい!」という評判のバイスビアー?!
なにやら飲みなれない「くせ」があって、どうもなじめません。

「俺もそのビール、飲めないよ。」
カウンターごしに彼を見ていたバーテンさんが言いました。
「じゃ、どんなビールを飲むの?」
「ピルツかな。お勧めだよ。」
「じゃ、それ1杯頂ちょうだい。」

ビール瓶を軽く揺すってから注いでくれた「ピルツ」という名のビールは日本で飲み慣れた味のするビールでした。
「うん、こっちの方がいいや。」
「だろ?」

横ではドイツ人のおじいさんたちがワールドカップを見ながら熱くなっています。
その横に重太はちょこんと座り、一人でビールを2杯淋しく飲み干しました。
それが彼のドイツの唯一の思い出です。

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 ドイツを出国
[ フランクフルト→ ] 1998年6月20日 ★★

ドイツから出国する際、EU(ヨーロッパ連合)市民とそうでない人の出国手続きの列の長さが全然ちがいます。
EU市民の人はさっと手続きを終え、どんどん搭乗口へ向かって行きます。
国内を移動するような感覚なのでしょう。
しかし、EU市民以外の列は手続きをしっかりしなくてはならないようで、なかなか前にすすみません。

「ちっ! ちっ!」
うしろのビジネスマン風のおじさんが舌打ちを繰り返し、彼を後ろから体全体で押してきます。
前が進まないことには彼も前には進めません。
多分、このおじさんはフライトに乗り遅れそうで焦っているのでしょう。
しかし、それは別に彼のせいではないので、彼にあたってもどうしようもありません。

「なに、これ?」
やっとのことで出国審査を終え、彼はパスポートを見てみました。
パスポートにはドイツの出入国のスタンプだけが押されていました。

Back to Japan 今回の旅は、
フランスワールドカップ観戦スペイン旅行がメインです。
それなのに、使ったエアラインがフルトハンザ、ドイツ航空のため、出入国した国がドイツだけになっています。
なんだか、かなりがっかりです。

がっくり腰を落としながら、重太は飛行機に乗りこみました。
「新聞はいかがですか?」
日本行きのフライトということで、日本の新聞(衛星版)が配られました。
スポーツ欄はやはりワールドカップ一色です。

よく見ると、この飛行機の離陸時間と日本対クロアチア戦のキックオフの時間が同じではないですか!!
「うわぁ、試合を見てぇ…。」
どうにかして試合の行方を知りたいですが、機内に生中継を見れるテレビなどありません。
「飛行機をおりるわけにも行かないし…。」
試合の行方がわからないまま、彼を乗せた飛行機は日本に向け飛び立ちました。

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 フランス、スペインからの帰国 -目次- 

シェラトンに一泊!? ………一泊するだけのドイツの滞在

ドイツの一夜 ………何もすることのない滞在

念願のバイスビアー ………友達に勧められたビールを試飲

ドイツを出国 ………出入国スタンプはドイツのもののみ


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