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アンドレ宅に居候をした3週間、シエナ周辺の観光をしました。
日本のガイドブックには紹介されていないような場所、個人旅行ではなかなか行けないような場所も訪れました。

           
[ 1、シエナとパリオ ][ 2、シエナでの日々 ][ 3、シエナ周辺 ]
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 モンテリジョーニ
1993年8月3日 [ モンテリジョーニ ] ★★

「さ、着いたぞ!」
シエナからアンドレが運転するいつもの水色おんぼろフィアットで40分。
丘陵の上の小さな城塞都市、モンテリジョーニ(Monterigioni)に着きました。

城壁の外の駐車場に車を止め、町まで100mほど歩きます。
まわりにはオリーブとブドウの木が見られました。
その向こうは小さな丘が幾重にも重なっているのどかな風景です。

「へぇ………。」
立派な城門をくぐるとそこには静かな町並みがありました。
なんとなく「さびしげな中世の雰囲気」が残った印象を受けます。

monte 小さな広場があります。(右、写真)
ここで町のイベントが行われたりするのでしょう。

「え? もう?」
5分ほど歩くともう町の反対側の城壁にたどり着いてしまいました。
どうやらかなり小さな町のようです。
町が小さいからか、人が少ないからか?
そこの時間は中世からずっと止まったままのように感じられます。

一旦外に出て、3mほどの高さがある城壁を眺めます。
「昔はこの城壁を境に町を守る攻防戦が繰り広げられていたのかなぁ…。」
今の静けさからは想像できない戦いの歴史が多分繰り広げられていたことでしょう。

城壁にそって1周してみると、あっという間にもとの場所に戻ってきてしまいました。
それほど小さな城塞都市が「モンテリジョーニ」なのです。
なかなか訪れることは出来ないかもしれませんが、静かで風情のある町でした。


帰りの道路で強いにわか雨が降ってきました。
シュッ! シュッ! シュッ…!
アンドレがワイパーをフルパワーにします。
「やった! これで洗車せずにすんだ!」

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 シエナの町外れにて
1993年8月3日 [ シエナ ] ★

「じゃ、2時間後に。」
そういってアンドレは重太を車からおろし去って行きました。
重太は少し歩き、シエナの町が一望できるポイントに腰を下ろしました。

drawing 「さてと・・・。」
鉛筆を取り出し、スケッチブックを広げます。
「こんな感じかな?」
だいたいのあたりをつけ、シエナの町を描き始めました。

誰にも邪魔されず、誰のためでもなく、自分の思うまま鉛筆を進めます。
芸術の国で芸術家まがいのことをするのも一興です。
なんとも贅沢な雨上がりの夕方ではないでしょうか。

少し涼しくなってきた町に人が増えはじめました。
通りすがりの人が重太が何を描いているかのぞきこみます。
制作過程を見られるのはあまり好きではありませんが、この時ばかりは芸術家きどりで描きつづけました。

「これ、プレゼント!」
「おおぉ!」
完成した絵は、居候をさせてくれたお礼にとアンドレに贈呈しました。
その絵は今でも彼の家の応接間にでも飾ってあることでしょう。
もし、捨てていなければ…。

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 ヴォルテッラ
1993年8月4日 [ ヴォルテッラ ] ★

アンドレが夏休み開けのテスト勉強をするため、今日の観光には付き合ってくれません。
その代わり、今日はアンドレのお姉さんのバルバラとそのドイツ人の彼氏のミシェル、 そのお母さんと4人でシエナ周辺の町へ観光に行くことになりました。

8月のイタリア、トスカーナ地方。
炎天下、ひまわり畑。
車にボーっと乗っていたためどこをどう通ったかさっぱりわかりませんが いつの間にか、ヴォルテッラ(Volterra)という町に着きました。

volterra ここも丘の上にある町です。
都市間で争いの絶えなかった中世では、攻めにくくまわりを見渡しやすい丘の上に町を作るのは重要だったのでしょう。
外からは家々の屋根や塔しか見えません。
モンテリジョーニとは違い、ここは比較的大きな町のようです。

町の中心に広場がありました。
イタリアのどの町にも広場があり、市民の憩いの場になっているようです。
「…いいよな、こういう都市設計。」
人が出会い、話をする場がある。
こんな町のつくりが誰とでも話しわいわい騒ぐ気さくなイタリア人を作り上げたのかも知れません。

町はアップダウンのある路地が縦横に走っています。
真夏に坂道を上がるのはなかなかしんどい作業です。

坂を登り切った所に芝生で覆われた場所があります。
子供達が数人、水浴びをして喜んでいます。

その向かいにお城の様な建物が見えます。
「あそこは昔、牢獄だったのよ。」
バルバラが教えてくれました。
「すぐ下にはアーチや柱が残る遺跡もあるわよ。」
古代や中世の歴史的な建造物が残っているのが魅力的なイタリア。
「…昔も人間が生きていたんだなぁ…。」
こういったものを見せられるとガラにもなく古代ロマンにひたってしまいます。

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 サンジミニャーノ
1993年8月4日 [ サンジミニャーノ ] ★★

つづいて、サンジミニャーノ(San Gimignano)という塔の町に来ました。

san gimi その昔、塔は各名家の権力の象徴で権力を誇示するため、高さを競い合ったそうです。
今ではその塔も15残るのみ。

城壁に登ると、どこまでも続く田園風景を眺めることができます。
「…いいねぇ…。」
のどかな風景が気持ちをくつろがせてくれます。

石造りの建物。
広場のある町づくり。
城壁に囲まれた町。
その外に延々と広がる田園風景。
イタリア中部の町は、基本的な構成要素は変わりません。
しかし、モンテリジョーニは小さな城塞都市、サンジミニャーノは塔の町などそれぞれが特長を持っています。
それが、各都市を訪れる楽しみになります。

どこからか不思議な音色がしてきました。
ピアノの様な鍵盤の楽器が出す旋律はどこか弦楽器のようでした。
こんな何気ない出会いもその町を思い出すきっかけとなることでしょう。

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 ソリアーノ・ネル・チミーノ
1993年8月7日 [ ソリアーノ・ネル・チミーノ ] ★★

アンドレの別荘から車で南へ、ソリアーノ・ネル・チミーノ(Soliano nel cimino)という山岳都市へ行きました。
何故、こんな日本のガイドブックにも出ていないような町を訪れたのか?
それは、1年前の1992年に公開された宮崎駿監督の映画、「紅の豚」の取材場所だったからです。

soliano 「紅の豚」は、1929年のイタリア、アドリア海を舞台に飛行艇乗りの行き様を描いた映画です。
重太の好きな映画の1つでもあります。

この町の外観は、小高い丘の側面に隙間なく建物を建てていてとても特徴があります。
まるで山に石造りの建物の森林が生えている様です。

しかし、実際に町の中に足を踏み入れてみると、別段目にとまるものはありませんでした。
町の内部に特長はそれほどないようです。

「あの映画の何のためにここでロケをしたのか」、さっぱりわかりませんでした。
映画の舞台は海。
ここは海から遠い山岳都市、ソリアーノ・ネル・チミーノ。
・・・・。
謎は深まるばかりです。

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 ドノラティコ
1993年8月11日 [ ドノラティコ ] ★★★

シエナからバスで西へ2時間弱、ドノラティコという海辺の町へ行きました。
「チャオ! アンドレ!」
降りたバス停でアンドレの女の子の友達、マルタが待っていてくれました。

「あなたがシゲタね?」(=英語)
どうやらアンドレから聞いて日本人が遊びに来ている事を聞いていた様です。
「Si, sono Shigeta. Piacere!」(=はい、シゲタです。はじめまして。)
「イタリア語、話せるんだ!」(=英語)
マルタはちょっぴり意外な表情を見せました。
「挨拶だけね。」(=英語)
つかみはうまく行った様です。

マルタはアンドレの友達でともて元気な女性でした。
「どう、イタリアは?」
「興味深いよ! 古い建物が残ってたり、文化がしっかりあってさ!」
マルタは英語を話せるので重太も会話に困ることはありませんでした。

昼過ぎ、3人でビーチへ向かいます。
日本のビーチとは違い、ゆったりとパラソルが並べてあり、くつろげる感じです。
水もきれいで適度の波もあり、夏の海を楽しむにはもってこいの場所です!

一旦、夕食のため、マルタの別荘にお邪魔しました。
デザートにマルタが作ったというティラミスをご馳走になりました。
「うまい! これが本場のティラミスか!!」
「ありがとう!」
スポンジからジュワーっとシロップがでてきて、それはもう最高でした。
「でも、『ティ』ラミスじゃなくて、ティラミ『スゥー』だからね。」
アクセントをつける所がどうやら日本式だとかなりなまっている様です。

その後、再びビーチへ行きました。
マットを敷いて夜空を見上げ、寝転がります。
「あ!!」
「あそこ!」
「見た?」
「ほら、あっち!」
流れ星が次々と降ってきます。
その夜は、ペルセウス流星群を観測できる日だったのです。

「うわぁ!!」
「おおお!!!」
生まれて初めて流れ星を見て重太は大感激です。

「あ!!」
「また!!!」
「あっち!!!」
なんとも乏しい表現力でなんとか感激を言葉にしています。

1時間ほど寝転がっている間に40以上も流れ星を見ることができました。
空気がきれいなのと、まわりに街灯やビルなどが少ないからでしょう。
こんな些細な事で自然の大切さを感じさせられたりもしちゃいます。

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 カスティリョーネ・デラ・ペスカイア
1993年8月12日 [ カスティリョーネ・デラ・ペスカイア ] ★★★

アンドレと同じ大学に通うというステファーニャ、その家族のクルーザーに乗せてもらうことになりました。
「あんでぃあーも!」(さぁ、いこう!)
マルタも加わり、クルージングに出発です。
夏休みに家族や友達でクルーザーにのって、海へ…。
イタリアの方が経済大国の日本より生活水準はずっとリッチに感じられます。

白いクルーザーはマリーナから静かに進み出します。
「うおおお!!!」
堤防を出ると、スロットルを倒し、一気にスピードアップしました。
海上で浴びる潮風がなんとも心地よく感じられます。

1時間ほどで小さな島、エルバ島の沖合いにつきました。
ゴーグルとシュノーケルをつけ、海に飛び込みます。
海水は少し冷たいですが、気持ち良いです。

ゴーグルで海面下をのぞきながらプカプカ浮いてみました。
海水は一点のくもりも無く透き通っています。
岩肌が足の下、5、6mのところに見えました。
「ひょっとして、落ちたりしない?」
そこに水が全くないと思えてしまうくらい水がきれいなため、こんな錯覚に陥りました。
実際は水に浮いているので落ちるはずなど無いのですが、なんとも妙な恐い感覚を味わいました。

シュノーケリングを終え、クルーザーに戻ります。
「シゲチャン! 見ろよ!」
アンドレが隣のクルーザーにトップレス美女を発見しました!
「うおおお!!!」
さすがヨーロッパ!
日本ではお目にかかれない風景に感激です!

「駄目だよ、そっち見ちゃ!」
アンドレと大喜びしているとマルタに怒られてしまいました。

しばらくしてランチタイムとなりました。
サンドウィッチを食べた後、重太の海外のお供、折り紙の登場です。
お得意の折り紙講座が始まります。

「すごい、すごい!」
「もう一個つくって!」
「まいったなぁ…。」
マルタやステファーニャにねだられたら断れません。

「…………、うぐっ…。」
調子に乗って何個も鶴を作っているうちに、波にゆられ船酔いし、気持ち悪くなってしまいました。
鶴を折れるくらいで得意になっていたバチでしょうか?

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 サンガルガーノ
1993年8月15日 [ サンガルガーノ ] ★★★

シエナから車で1時間半、サンガルガーノへ行きました。
緑の丘に立つ大きな建物と2,3の家があるだけです。

san galgano 大きな建物は近づいてみると屋根がありません。
修道院として建てられたようですが、建設途中で火事になり、そのまま現在に至ったようです。
修道院の中から空を見上げると、まるで、戦場跡の様でした。

「今ではコンサート会場として使っているんだよ。」
なるほど、うまい利用方法を考えつく物です。

「ノスタルジア」という映画の撮影に使われた場所らしいです。
確かに不思議な雰囲気をかもし出す空間であることは間違いありません。
映画でもさぞかし効果的な演出に役立ったことでしょう。

となりにある小さな教会の中に「石に突き刺さった剣」がありました。
なにやら伝説めいた感じがしてとても興味深かったのですが、一体何の言われがあるのかはわかりませんでした。

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シエナを一時離れ、イタリア各地を訪れる旅に出ます。

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 イタリア93 [ 3、 シエナ周辺 ] 目次 

モンテリジョーニ ………トスカーナの丘にある小世界

シエナの町外れにて ………シエナの町を見渡せる場所でスケッチ

ヴォルテッラ ………牢獄と遺跡の町

サンジミニャーノ ………15の塔が立ち並ぶ町

ソリアーノ・ネル・チミーノ ………「紅の豚」ロケ地である山岳都市

ドノラティコ ………イタリアの小さなリゾート地

カスティリョーネ・デラ・ペスカイア ………個人のクルーザーで沖合いへ

サンガルガーノ ………剣の刺さりし地

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