
なが〜いバスの旅を終え、3人はユカタン半島の北西の町、メリダにやって来ました。
メキシコ2週間の旅もいよいよ終わりが近付いて来ました。
[ 1、メキシコシティー 編 ] [ 2、トラブル 編 ] [ 3、ユカタン半島 編 ]
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ビバ! メリダ! [ メリダ ] 1997年 9月20日 ★
タクシーでメリダのバスターミナルからホテルまで行きました。
「これが3人部屋かよ?」
そこにはベッドが2つしかありません。
それなのに、ホテルのおばあちゃんはこれが3人用の部屋だと言い張ります。
バスの長旅で疲れた3人はとりあえず今晩はここに泊まることにしました。
「今晩もまたじゃんけんか…。」ホテルで少しくつろいだ後、町の散策に出かけます。
白や薄いピンクの壁の建物が続いています。
かなりスペイン植民地時代の色を濃く残した町です。
町の中心、ソカロでは夕涼みをしている人たちで溢れかえっていました。町には服や染め物、絵皿、ピラミッドやチャックモール(生け贄の心臓置きの像)の置き物などを 売っているみやげ屋がたくさんあります。
ここメリダを中心に周辺のマヤ文明の遺跡を訪れる観光客が多いためでしょう。
♪「ビバ! メリダァ〜! ビバ! メヒコォ〜!!」
広場の特設ステージでメキシコの陽気な音楽、マリアッチのショーが始まりました。
バイオリンとトランペットと男性のかん高い歌声。
黒いぴちぴちのズボンにみな小麦色のソンブレロ(帽子)をかぶっています。「なんか、メキシコっぽくていいね!」
メリダの夜も陽気に、そして静かにふけていきます。
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大人気!『ドラゴンボール』 [ メリダ ] 1997年 9月20日 ★
「お! 悟空だ!」
道ばたの露店ではピラミッドなどのみやげ物に混ざって日本のアニメ『ドラゴンボール』の フィギュアが売られていました。メキシコでは、『ドラゴンボール』をTVで毎晩7時から1時間も放送しています。
単純明快、勧善懲悪のストーリーがここでもきっと大人気なのでしょう。スペイン語で何を言っているかわからなくても、話を知っているお馴染みの物語なので十分楽しめます!
別にメキシコで見る必要もないのに、食事の時間をずらしてまでついつい見てしまいます。
日本に帰ったら、マンガをまた最初から読み返してしまう事、間違い無いでしょう…。
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たのしい3人旅 その3 [ メリダ ] 1997年 9月20日 ★
「…………せぇーの、じゃんけん ぽい!!!!」
「っっしゃ!!!」
「………おい…。」
「………。」3人は相変わらずじゃんけんでベッド占有権を争っていました。
じゃんけんの勝者1人には1つのベッド、敗者2人にはもう1つのベッドが与えられます。
いつものように敗者の一人は重太です。「……。メキシコではゆっくり寝れないのか?!」
重太はメキシコで安眠する機会がめぐってこない様です。
同じ宿代を払って、これではなんだか損した気分ですが、仕方ありません。楽しい3人旅はもう少し続きます。
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偶然の出会い その2 ![]()
[ ウシュマル ] 1997年 9月21日 ★
メリダのバスターミナルからぼろいバスで南へ約1時間。(12ペソ)
3人は『ウシュマル』というマヤの遺跡にやって来ました。
「あっちぃ〜な〜!」
9月も下旬と言うのにユカタン半島はまだ結構な暑さです。
重太たち3人が入口で入場料を払っている時の事です。
「ハポネス? ハポネス?」(日本人かい?)
うさんくさい発音のスペイン語で話し掛けてくる人がいました。
日本人バックパッカーが、久々見た日本人と話したい、と言った雰囲気です。「ハポネス?」(日本人かい?)
何度も続けてしつこく話しかけてきます。
関わりたくないと思い、ずっと無視を続けていました。「よ! また会ったな!!」
「あれぇ!! え、キタさん?!」
よく見ると、なんとその人はキタさんだったのです!!
「うっそーーー!!」
これにはただただ驚くばかりです!数日前にキタさんとは、メキシコシティーのホテルで別れました。
その時、今後の旅の予定は『東を目指す』とは聞いていましたが、特に会う約束などはしませんでした。
それなのに、まさかまたメキシコ内で会うなんて!「いやぁ、また会うんちゃうかなぁって思ってたんだよ!」
「…にしても、すごい偶然ですね!!」
メキシコで待ち合わせもせず偶然に会うなんて…。
それも、メキシコシティーのドまん中で会ったのに続き、2度も…。「また、よろしくな!」
「こちらこそ!」
また4人パーティーで旅をすることになりました。
なんだか出会いと別れを繰り返す『RPG(ロールプレイングゲーム)』でもしている気分です。
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魔法使いのピラミッド [ ウシュマル ] 1997年 9月21日 ★
重太、うるびー、トシやん、キタさんの4人は入口を通り、道をまっすぐ進んで行きます。
「……うおおおぉぉ!」
木々のアーケードが無くなった正面に、そのピラミッドは姿を表しました。
『魔法使いのピラミッド』です。
小人が一夜にして造ったと言う伝説により、この名が付いたそうです。
「…転げ落ちるぞ、これ…。」
何より驚いたのは、その急斜面です。
「…こえぇぇ!」
高い所が好きな重太もこの急で長い階段には面喰らいました。「さっき、この階段を何往復もしちゃったよ!」
キタさんが笑いながら話します。
「……へ?」
「カメラをどこかでなくしちゃってな…。」
「………へ?」
「それで、上がったり降りたりしてカメラを探しまくったんだよ!」
カメラは無事見つかった様ですが、かわりに命を落としかねない行動です…。
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マヤの遺跡 [ ウシュマル ] 1997年 9月21日 ★
ピラミッドの上では不思議な光景が待っていました。
というのも、まわりはずーーーっと森が続いているのです。
「誰がどうやって、何のために、こんな森の中に こんなピラミッドを造ったんだろう?」
遺跡に来る度、誰もが思うであろう、こんな疑問。
真実を誰かにこっそりと教えてもらいたいものです。ウシュマルには他に、『尼僧院』『総督の館』『球戯場』『鳩の館』『老婆の家』と 呼ばれる石造建築物があります。
どれも建物の外側にはヘビやワシ、顔など独特のレリーフが刻み込まれています。
「これ、ラーメン鉢っぽくない?」
「………。」
中にはそんなの雷紋の幾何学模様もありました。どれも見ているだけで楽しく、素晴らしいデザインです。
「…すげえなぁ…。」
遺跡素人にもインパクトを与えまくる魅惑の一帯。
ウシュマルはマヤ文明の独自性を存分に堪能できる遺跡でした。
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やりくりスペイン語 [ メリダ ] 1997年 9月21日 ★
「4人で30ペソだな。」
「25にしてよ。」
うるびーが空のワゴンタクシーを引き止め、メリダまでの値段を交渉してくれました。
全く頼りになる男です。「俺もスペイン語、がんばって使ったで!」
ワゴンの中でキタさんが数日間の一人旅で使ったスペイン語のことを話し始めます。「数字の6(せいす)と7(すぃえて)がごっちゃになるんや…。」
6である『せいす』の『せ』が『セブン=7』の『セ』と思ったり、 7である『すぃえて』の『すぃ』が『スィックス=6』の『スィ』と思ったりするとの事です。「ま、数字は書いたり指で示したりできるから、なんとかなるわな。」
キタさんの武勇伝は続きます。「市場でめざまし時計買おうと思って『あれ、ください』って言おうとしたんや。」
「…やるじゃないですか!」
確かにグアナファトに行くバスの中でキタさんに簡単なスペイン語 講座を開きました。「でもな、『これ』って単語は君らに習ったけど、『あれ』って単語を知らないからさ…。」
「…???」
「指をおもいっきりのばし、『これ、下さい!』って言ったんや。」
「…おおおおぉ!」
「やるぅ!」
知ってる単語でやりくりするナイスなお話に、重太たちは感動しました。
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テキーラで乾杯! [ メリダ ] 1997年 9月21日 ★
メリダに戻った4人はしばしくつろぎ、テレビでドラゴンボールをしっかり見ました。
その後、食事に出かけます。
キタさんとの偶然の再々会を祝して、ちょっと高級そうなメキシコレストランに入りました。「かんぱーい!」
「サルー!!(=乾杯!!)」
4人ともテキーラをぐいっと一気飲みしました。「メキシコに来てテキーラを飲むのって初めてやない?」
言われてみれば、その通りです。
それまでは、『コロナ』や『ドスエキス』というビールか、 『プンポス』と言うカクテルしかアルコールは口にしていませんでした。「なんか、テキーラを飲むと『メキシコー!!』って感じがするな!!」
日本でテキーラを飲むとどう感じるのでしょうか?「いやぁ、でも、本当にすごい偶然ですよね!」
「たしかにな!」
意外性のあることが大好きな重太はメキシコシティーに続いて、 ウシュマルでもキタさんに偶然出会ったことが面白くてたまらないようです。「いやぁ、楽しい! かんぱーい!!」
「サルー!!」
調子にのって、みんなでテキーラをガボガボ飲み干します。「…………。」
次の日、最悪の気分でチチェン・イツァ行きのバスに乗ったことは言うまでもありません。
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派手な入り口 ![]()
[ チチェン・イツァ ] 1997年 9月22日 ★
酒の残った体でバスに揺られること2時間。
「………うっ!」
死にそうな思いでマヤ文明の遺跡で最も有名な『チチェン・イツァ』に着きました。遺跡の入り口は、セメントの壁やアスファルトでとても綺麗に整備されています。
観光バスが何台でもとめられる程、綺麗で大きな駐車場がありました。
「…なんか大掛かりだなぁ…。」
今までテオティワカン、パレンケ、ウシュマルと数々の遺跡をめぐって来ました。
どこも素朴な木の柵でしきられたり、簡単な入り口しかありません。
ここまで観光用に整備された場所はありませんでした。「……なんか思いっきり商業化されてるなぁ…!」
遺跡を見る前にちょっと興醒めしてしまいました。
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『ククルカンのピラミッド』 [ チチェン・イツァ ] 1997年 9月22日 ★
16ペソ払ってチケットを買い、回転式の鉄柵の入口を通り、みやげ屋を抜けます。
「………すげぇぇぇ!」
しばらく歩くと目の前にはガイドブックで見慣れたピラミッドがありました。
『カステージョ』、または『ククルカンのピラミッド』と呼ばれるものです。
今まで見て来たどのピラミッドよりキレイに残っており、独特なフォルムをしていました。
「すげぇ! すげぇ!!」
「このピラミッドは階段の数が365段あって、マヤの暦(=カレンダー)の 役割をしてると言われているんだ。」
うるびーのワンポイント遺跡講座はためになります。
「…へぇ! よし! 階段の数を数えてみようぜ!」
面白そうな事を前にして、一気に元気になりました。
先ほどまでの体調不良がウソの様です。「ピラミッドは上れないぞ!!」
ピラミッドの頂上で2人の警備員らしき人が上ろうとする人を制止します。
「なんでだよ! せっかく来たんだから上まで上りたいよ!!」
「なんでやろ?」
「…………。もしかして、今日は秋分の日だから?」
うるびーが言います。「秋分の日だと、なんでピラミッドに上れないんだよ?」
「春分、秋分の日には太陽の光によってククルカンが下っているような シルエットが階段わきに描き出されるんだ。」
「それで上らせてくれないのか?」
「わかんないけど、多分それくらい特別な意味がある日なんだよ。」
「……。ちぇっ。」
「あと、この春分、秋分の日にはピラミッドに宇宙からの力がピラミッド集積される、 と信じてる人たちもいるんだ。そのため、観光客を上らせないのかも…。」真の理由はわかりませんでしたが、その日は観光客誰一人、ピラミッドに上ることが出来ませんでした。
「………。ちぇっ。せっかくここまで来たのに…。」
なんとも心残りのするピラミッド観光となってしまいました。
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いけにえの文明 [ チチェン・イツァ ] 1997年 9月22日 ★
綺麗な芝生が遺跡の敷地内に敷き詰められています。
9月の暑い日ざしの中、4人はゆっくりと歩いてチチェン・イツァめぐりを続けました。「…ここも?」
『戦士の神殿』と呼ばれる建物にも上ることが出来ませんでした。
この上には生け贄の心臓を置く台座、チャックモールがあるはずなのです。
是非、直に見、触れてみたかったのですが、その願いも叶いません…。
丸く窪んだ底に水がたまっていて、何やら無気味な雰囲気の池にやって来ました。
「生け贄を投げ込み豊作を祈願したと言われる天然の泉『聖なるセノーテ』だよ。」
うるびーの説明には、また『生け贄』という言葉が出て来ました。『球戯場』と呼ばれる場所では、壁の高い位置にある輪の中にボールを通す球戯が行われた様です。
「勝者のチームのリーダーは名誉として殺され生け贄になったらしいよ。」
うるびーの説明には、また『生け贄』という言葉が出て来ました。「…勝った方が死ぬの?」
「って言われてるけどね…。ま、1つの説だから…。」
勝っても負けてもどちらにせよ、生け贄にはなりたくないものです…。
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チチェンめぐり [ チチェン・イツァ ] 1997年 9月22日 ★
●石の台座の壁面全面に様々なガイコツが彫り込まれている『ツォンパントリ』。
●人間の心臓を掴んだわしとジャガーの浮き彫りがある『わしとジャガーの台座』。
●天文台と考えられている『カラコル』。
●戦士の神殿の裏側にはある、だるまおとしの様な『石柱』。
他の遺跡とは明らかに違うさまざまな名所がチチェン・イツァにはたくさんありました。「誰が、いつ、なんのためにこれらを造ったんだろう?」
「どうやってこんなものを造ったんだろう?」
「どんな人たちが住んでいたんだろう?」
「どうして滅んでしまったんだろう?」
考えるなと言われても、遺跡に来る度、こういった疑問が頭をよぎってしまいます。「遺跡って不思議で面白いなぁ…。」
「だろ? まだまだ不思議な遺跡が世界にはいっぱいあるよ。」
うるびーのおかげで趣味の幅がちょっとだけ広がった気がします。
この後のペルー遺跡めぐりや世界遺産遺跡めぐりのきっかけは、この旅によるものかもしれません。
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カリブのリゾート [ カンクン ] 1997年 9月23日 ★
メリダからバスで東へ3時間半。
重太たちはカリブのリゾート地、カンクンへ到着しました。
ここが今回の旅の終着目的地です。「ホテル、どこにしようかねぇ? これだけ多いと、わからないよなぁ。」
うるびーのガイドブックにはピンからキリまでホテルが紹介されていました。
「この『フラミンゴ』ってとこ、どう?」
メリダで同じ名前のホテルに泊まり、なかなか快適に過ごせました。
その縁起をかついで、同じ名前のホテルを目指します。「うおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」
「すげえええぇぇぇ!!!」
「うわああああぁぁぁぁ!!!」
ホテルに入ると奥に青い空と果てしなく続くエメラルドグリーンの海が見えました。
こんな綺麗な色をした海を今まで見たことがありません!!
ホテル代も2人部屋1泊120ドル(1人60ドル)と思ったほど高くないので、 すぐさまこのホテルにチェックインしました。すぐに水着に着替え、ホテルの裏手、プライベートビーチへ足を運びました。
「うおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」
「すげえええぇぇぇ!!!」
「うわああああぁぁぁぁ!!!」本当にエメラルドグリーンの海。
珊瑚礁が真っ白い砂となったさらさらのビーチ。
とにかく、きれい!
とにかく、ひろい!
とにかく、人が少ない!
「うおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」
「すげえええぇぇぇ!!!」
「うわああああぁぁぁぁ!!!」ただそれだけに4人は感激しまくっています。
そこはまさに楽園そのものでした!!「……でも、華がないよなぁ…。」
…そう、カリブのロマンティックなリゾート地、カンクンは20代後半の男4人で来る場所ではありません…。
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ジャングルツアー 導入編 [ カンクン ] 1997年 9月24日 ★★★
4人は38.5ドル払ってジャングルツアーというレジャーに参加しました。
二人乗りのモーターボートを運転して、ジャングルの中の水路を探検するものです。ハゲで太ったインストラクターが出てきました。
「おはよう。私がインストラクターの『アントーニオ バンデーラス』です。」
カナダ人の女性二人組はメキシカンジョークにバカ受けしていました。ボートは7台ほどが1列縦隊でジャングルを進む様です。
ツアー出発前にモーターボートの操作方法、注意事項などの説明を受けました。「手を頭上でぐるぐる上でまわすとスピードアップ。」
「横に出すとスピードダウン。」
1番先頭を行くインストラクターがジェスチャーで後ろのボートに指事を伝えていきます。
各ボートには無線もなく、水上では声など聞こえないので、意思伝達にはこのジェスチャーが最適です。
前のボートをよく見ておかないとジャングルにおいていかれるかもしれません。
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ジャングルツアー ボート編 [ カンクン ] 1997年 9月24日 ★★★
ブオオオオオオォォォォォ………
「ひゃっほー!!」
「いっけぇーー!!」
いよいよボートにのりツアーに出発です。
しばらく広い潟でボートの操作やジェスチャーの確認を行いました。インストラクターが頭上で腕をぐるぐるまわしました!
スピードアップの合図です!
「ゴー! ゴー−ー!!」
重太たちのボートは、あっけなくカナダの女性二人組のボートにおい抜かれてしまいました。
「負けんなよ! もっとスピード出せって!」
「んなこと言ったって、これ以上スピードが出んのや!」
トシやんの言う通り、確かにすでにフルスロットル状態です。
別にレースをしているわけではありませんが、なんだか悔しさがこみ上げてきます。「スピードダウン!!」
細い蛇行した川の様な所へゆっくりと入っていきます。
7台のボートは1列になりゆっくり、ゆっくりと進んでいきます。「…うわぁ…。」
川の両側は密林。
木々が生い茂り、猿でもいそうな雰囲気です。
水辺から突然カバやワニが出てきても不思議はありません。
しかし、ここはディズニーランドではないので、そんな仕掛けはありませんでした。「…うわぁ…。」
しばらくすると、急に視界が開けました。
ジャングルの先に広い潟があったのです!!「スピードアップ!!」
腕を頭上でぐるぐるまわし、各ボートがそれぞれスピードをあげます。
「ゴー! ゴー−ー!!」
みな、軽快なスピードで水上を走り抜けていきます。
:
:
「…もっとスピード…。」
自分達のボートの状況はわかっていますが、トシやんに言うだけ言ってみます。
「…だから、これ以上は無理なんや、って!」
重太たちのボートはそれなりのスピードで突き進みました。
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ジャングルツアー 水中編 [ カンクン ] 1997年 9月24日 ★★★
「よーし! 停止!!」
水上でボートを寄せてとめ、全てのボートをロープでくくり付けます。
「みんな救命胴衣とゴーグル、シュノーケル、足ひれをつけて。」
どうやらここでシュノーケリングをする様です。ザッパー−ーン!
「ひゃっほー!!」
足をばたつかせ、ゆっくり水面下を進みます。
「いいねぇ!!」
水が綺麗なので、小さな魚や足下の岩肌がよく見えます。
プカ〜、プカ〜…
胴衣のおかげで沈む心配は全くありません。
力まずのぉ〜んびり水面を漂うことが出来ました。「…このままずっと浮いているのも気持ちいいかもなぁ…。」
20分程かけ、ゆっくりと水中遊泳を楽しみました。ずっと水の中にいたにもかかわらず、体を動かせばノドは乾くものです。
「…ぷは! うまい!!」
ボートの上で飲んだコーラはそれまでの人生で最高においしいものでした。水面を自由に走るボート。
シュノーケルをつけての水中散歩。
運動後のコーラ。
ちょっとものたりない部分もありましたが、約3時間のジャングルツアーはなかなか楽しめるお勧めのレジャーでした。
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のんびり休暇 [ カンクン ] 1997年 9月25日 ★
ザッザー−ー−ー!
「…うわぁあ! ……………。」
日中はホテルの裏、カリブ海に面したプライベートビーチで高波の飲まれて遊びます。「…しみるぅ!」
パレンケで転んだ時の擦り傷が腕などお構い無しです。
これで変な病気にでもなったら笑ってらないところですが…。
海で遊び疲れたら白いサラサラ珊瑚礁の砂の上でのんびり甲羅干しです。
「こんなところでビーチバレーしたいなぁ。」
綺麗なビーチを見ると、いつもこれしか頭に浮かんできません。
「ほら、悟空! 見てみて!」
旅の間、TVで毎日の様に見ていたドラゴンボール。
その影響か、つい、砂で孫悟空をつくってしまいます。
夕方以降は近くのショッピングセンターへ行きます。
Tシャツ、ボールペン、ショットグラス、マヤ遺跡をかたどった置き物…。
「これなら誰にあげてもいいな、うん。」
何も考えず適当におみやげを買っておきました。
そしてメキシカン料理で最後の夕食を楽しみます。
「それ! 踊ろうよ!!」
陽気なウェイターが重太たちを誘い出します。
先頭のウェイターがやった動作を真似しながら店内を歩き回るラインダンスが始まりました。
「さ! シェイクするわよ!」
かわいいお姉さんがやってきて、上を向いてテキーラを口に含まされます。
その後、頭を10回程思いきりシェイクされ、おでこをポンポンとしたあと、テキーラを一気に飲みます。「さ、あなたも、あなたもやってみてね!」
かわいいお姉さんにいわれるがまま、みんなテキーラを一気のみします。
「一気飲み出来たらタダになるのかな?」
そんなことは一切なく、みな一律15ペソ払わされました…。
「…先に言えよ…。」
世の中そんなに甘くありません。楽しい2週間のメキシコ旅行の最後は、こうしてのんびりリラックスして過ごしました。
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旅の絵日記の発端 [ カンクン ] 1997年 9月24日 ★
「世界一周の旅を楽しむゲームを作ってみたい!」
某ゲーム会社に勤務する重太はそんな野望を持っていました。
そのゲームに役立つアイデアを書き留めるため、旅で見たものや起こった出来事を小さなノートに書きためます。
文章での説明が難しいものは、イラスト付きで描きます。日に日にたまるアイデア。
見返すと『旅の絵日記』になっています。
「これ、結構おもしろいかも!」
写真以外の旅の記録がいつの間にか出来ていました。「いいね、これ!」
日本に戻ってから友達に見せてもなかなか好評です。
これをきっかけに、この後の旅でも重太は『旅の絵日記』をつけるようになりました。
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たのしい3人旅 その4 [ カンクン ] 1997年 9月24日 ★
キタさんはフライトの都合で重太たちより1日早くカンクンを去ることになりました。
「あれ? もう一人の彼は?」
ホテルのレストランでウェイターが心配顔です。
男4人の滞在客が珍しかったのか、顔を覚えられていた様でした。
「先に日本に帰ったよ。」
「ケンカでもしたの?」
「………。」
そんなことはありませんが、説明がメンド臭いので返事をしませんでした。
ケンカ別れしたと思われたに違いありません。
「…………せぇーの、じゃんけん ぽい!!!!」
今晩だけ、また1部屋2つのベッドを3人で使わなくてはなりません。「…………あ。」
「………………………うそぉ…。」
「やった! 勝った! 勝った!!!」最後の最後に来て、重太はじゃんけんに勝ちました!
それもカリブのリゾート地のそれなりに高級ホテルで!!
今までぼろホテルで負け続きだった暗〜い過去を一掃できるくらいの価値はあります。「…いやぁ、寝心地のいいベッドだねぇ!」
「………あぁ、そうかい。」
「よかったな………。」
「…いやぁ、最高だねぇ!」
「………。」楽しい3人旅ももうすぐ終わろうとしています。
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楽しかったメキシコでの日々もあっという間に終わってしまいました。
日本へ帰る前にフライトの都合でアメリカ、テキサス州のダラスによることになります。
そこでもほんのちょっとだけ、トラブルが…。
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日本へ帰国
メキシコ97 [ 3 ユカタン半島 編 ] 目次
・ビバ! メリダ! ………メキシコの雰囲気が漂う夜・大人気!『ドラゴンボール』 ………つい見てしまうTVアニメ
・たのしい3人旅 その3 ………2つしかないベッドの奪い合い
・偶然の出会い その2 ………異国の地で再々会した意外な人
・魔法使いのピラミッド ………森林の中の遺跡、ウシュマルへ
・マヤの遺跡 ………とにかくインパクトのある遺跡群
・やりくりスペイン語 ………キタさんのスペイン語ばなし
・テキーラで乾杯! ………メキシコで初めて飲むテキーラ
・派手な入り口 ………観光地化した遺跡の入り口
・『ククルカンのピラミッド』 ………カレンダーの役割を持つピラミッド
・いけにえの文明 ………とにかくついてまわる『生け贄』という言葉
・チチェンめぐり ………みどころいっぱいの遺跡
・カリブのリゾート ………旅の最終目的地へ
・ジャングルツアー 導入編 ………ツアーの説明
・ジャングルツアー ボート編 ………モーターボートに乗って森林の中へ
・ジャングルツアー 水中編 ………シュノーケルをつけ、水中散歩
・のんびり休暇 ………食って、飲んで、遊んで…
・旅の絵日記の発端 ………旅の絵日記、開始
・たのしい3人旅 その4 ………2つしかないベッドの奪い合い、最終戦
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