アルゼンチンを少し紹介したところで、ここからは彼の"Giro o Mundo"アルゼンチン編 -生活編-です。
[ 1、イントロダクション ] [ 2、生活編 ] [ 3、TV、現地交流編 ] [ 4、旅行編 ] [ 5、帰国編 ]
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スペイン語、入門 ★
アルゼンチンの公用語は『スペイン語』です。
日本ではあまりなじみのないスペイン語。
どんなスペイン語が日本で身の回りにあるでしょうか?カードゲームで『ウノ(UNO)』と言うものがあります。
スペイン語で数字の『1』は『ウノ』と言います。
残り一枚になったところで「うの!!」と叫ぶあのゲーム名は、スペイン語が由来だと思われます。(多分)『カサブランカ』という有名な映画があります。
スペイン語で『カサ』=家、『ブランカ』=白という意味です。
つまり『カサブランカ』は『白い家』ということになります。映画『白い家』
………………。
語源はスペイン語でも、このタイトルはモロッコの地名からとったものです。
いちいち日本語に訳さなくてもいいかもしれません。歌謡曲『ベサ メ ムーチョ』は『私にたくさんキスして』という意味です。
『ムーチョ』は『たくさん』という意味で、日常会話でもよく使われます。
スナック菓子『カラムーチョ』は『とっても辛い』という、こじゃれた和製スペイン語だったのです。
『すっぱムーチョ』という姉妹品もありましたが、もう殆ど見かけません。
言いやすさ、語感の問題でなくなってしまったのでしょうか?…こんな役に立たないスペイン語講座はさておき、少年の話に移りましょう。
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未知の言語、スペイン語 ★★
当時、小学3年生の少年は、英語もろくに話せない純粋な日本人でした。
そんな少年が、未知なる言語、スペイン語を話せるはずもありません。
とはいっても、テレビをぼんやり見ているうちに、言葉の感覚だけは なんとなくつかめたようです。以下にあげたような、基本単語は少年もなんとか頑張って覚えました。
これだけ知っていれば、日本人の家族と生活して、日本人学校へ通う少年のアルゼンチン生活はなんとかなりました。
ありがとう = グラシアス はい = スィ いいえ = ノー こんちは = オーラ さよなら = チャオ わかりません = ノー エンティエンド OKです! = ムイ ビエン!
(ならない事態が数回あるのですが、それは後程)どこかから電話がかかってきてあれこれスペイン語で話しかけられても、「ノーエンティエンド」さえ繰り返していれば恐いものなしです。
少年は後に イタリア、 メキシコ、 スペイン、 ペルー と旅行することになります。
アルゼンチンで、テレビを見たり、学校の授業でうっすら覚えたスペイン語がこれらの旅行で役にたつことになろうとは、夢にも思いませんでした。「アルゼンチンでもっとスペイン語を勉強しておけばよかった…。」
97年に訪れたメキシコでの道中に何度もそう思いました。
しかし、その時は真剣に悔やむものですが、日本に帰国してしまえば特に何もしないものです。
『のどもと過ぎれば熱さを忘れる』とはよく言ったものです。
注:イタリアの公用語はイタリア語です。スペイン語とかなり似ていますが結構違います。
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小さな日本人学校 ★★
まだ義務教育中の少年は『ブエノスアイレス日本人学校』へ通うことになりました。
ここは多分、日本から一番遠くにある日本人学校でしょう。全校生徒数、約100人。(1982年頃)
ちなみに、小学1年生から中学3年生まで9学年の人数です。
シンガポール日本人学校の全校生徒数が2400人だったのに対して、 いきなり24分の1のスケールになってしまいました。
まるでタミヤのプラモデルの縮尺みたいです。校舎は、その昔人家だったそうです。
そう考えるとしっかりした作りで大きく感じられましたが、学校として使うとなると少し小さい建物に感じられました。
校庭やプール、テニスコートなど学校の施設は一通りそろっていました。
年に1度の運動会は、郊外の広い運動場を借りて行いました。もちろん、一学年には1クラスしかありません。
4月になり、学年が変わろうがクラス替えなどありえません。
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いろいろある日本人学校 ★★
『ブエノスアイレス日本人学校』も『小さい』とか『ない』とかばかりではありません。◆給食
『ブエノスアイレス日本人学校』には、世界の日本人学校では珍しく給食がありました。
メニューはメインディッシュ1品とパンとサラダ。
市内のレストランから毎日運ばれてくる料理は、食べる頃にはいつも冷めていました。ステーキ王国アルゼンチンらしく、ステーキがメニューの日もありました。
しかし、やや温かい程度のステーキは軟らかくもなく味もいまいち…。
コレステロールをためるのにバッチリとしか言い様がありません。
◆スペイン語の授業
スペイン語のクラスが必修で週に2時間程ありました。
日本人の家族、日本人の友達ばかりの日本人学校で生活する少年に、スペイン語など教えても身につくはずがありません。
ここで覚えたのは
「ジャエスタ!(終わりました!)」と、できてもいない課題を終わらせた時に言う言葉くらいです。◆小学校なのに週休2日
当時、日本の公立小学校は土曜日にも授業があったのに、『ブエノスアイレス日本人学校』では土曜日は毎週休みでした。
うれしい反面、平日の授業は6時間目までありました。
授業が終わると、遊ぶ時間や塾へ行く時間もないくらいです。
もっともアルゼンチンに日本人用の学習塾などありませんが。(当時)◆スクールバスで送迎
学校の近所に住んでいて歩いて通学する生徒以外は、全員がスクールバスに乗りました。
バスは全部で3、4台ほどで済んだので、下校時にバスが どこにとまっているか、探す必要は全くありませんでした。
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大きな家 ★
国が大きければ、家も大きいものです。
敷地が十分あるので、当然のことです。少年一家が初めにアルゼンチンで住んだ家は、2階建てのプール付きの大きな家でした。
門から玄関まで小さな庭があります。
バーベキューのできる裏庭もありました。食堂、応接間はもちろんありましたし、 兄弟3人それぞれに部屋が与えられ、それ以外にも共用の遊び部屋もありました。
メイドさんも雇って家事を手伝ってもらっていた程です。
約1年後に引っ越しをしました。
今度はマンションの17階、1フロアーが全て自分の家です。
前に住んでいた家ほど広くはありませんが、360度ブエノスアイレスの素敵な景観が楽しめます。
メインエレベータと、サブエレベータがあり、サブエレベータは網戸状の手で開け閉めするものでした。
それが外国っぽくて少年は大変気に入りました。1階にはレクリエーションルームがあり、卓球をして遊べます。
プールもありました。どちらの家も、生活するには申し分のない環境が整っていました。
しかし、マンションは停電になると大変です。
暗い階段をひたすら17階まで上がらなくてはならないのですから…。
日本で言う1階は、アルゼンチンでは地上階と言います。
アルゼンチンやヨーロッパでいう17階は、日本で言う18階にあたります。
これを知っていながら、98年のスペイン旅行で、 一つトラブルに巻き込まれてしまいます。
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アイスクリームの食べ方 ★★★
アルゼンチンの街角でよく『エラデリーア』を見かけます。
『エラデリーア』とは、エラード(=アイスクリーム)を売っている店のことです。
『○○リア』とつくのは大抵『○○屋さん』という意味です。
他に、本(リブロ)を売るのはリブレリア、切符(ボレート)を売る所はボレーテリアと言います。
カフェテリアも同じ系統の単語でしょうが、シャンデリアやヨークシャーテリア、イタリアなどは関係ないと思われます。『エラデリーア』でアイスを注文すると、大きな銀のシャモジでコーンカップのふちから溢れるくらいいっぱいにアイスクリームをのせてくれます。
半球型の『アイスほじくり機』で一定量アイスをすくってコーンにちょこっとのせてくれる日本のアイスクリームとは事情がかなり違いました。
このとても豪快なエラードは、子供にとっては嬉しい限りです。
「おいしい…!!」
アルゼンチンで初めて口にしたココナッツ味のアイスクリームのおいしいこといったら!
「もう、なにがなんでもココナッツ…!!」
あのあっさりとした甘味は世界で1番おいしいアイスかも知れません。注文の際、『コン チョコラーテ』と言うとアイスの上からどろどろのチョコレートをたっぷりかけて、アイスクリームをコーティングしてくれます。
アイスクリームにチョコレート。
子供にはうれしさ2倍のビッグなおやつです!値段がちょっとお高くなるので、小心者の少年は普段なかなかこのオプションを 追加することはできませんでした。
しかし、親が一緒の時は違います。
「コン チョコラーテ! コン チョコラーテ!」
遠慮なくチョコラーテを追加です!
マンガやテレビ、おもちゃなど日本人の子供のための娯楽が少ないアルゼンチンで、 『コン チョコラーテ』は何よりもうれしいささいな贅沢なのでした。
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アイスクリームの食べ方 ★★★
『アイスクリームの食べ方』の違いにも驚かされます。
日本では、アイスクリームを少しずつ舌でコーンの下に落とし、コーンカップも残らず食べます。
(一部の人だけという噂もありますが…。)
アルゼンチンではほとんどの人がスプーンでアイスクリームをキレイにさらって食べ、 残ったコーンカップは食べずに捨ててしまうのです。
「もったいない…。」
それは、少年にはショックな習慣でした。今でこそ、日本にもイタリアの『ジェラート』が知れ渡り、 コーンのアイスクリームをスプーンで食べるスタイルは珍しくありません。
しかし、『コーンカップにスプーン』という組み合わせは、当時の少年のアイスクリーム論を根底から覆すものだったのです。たいした味がしないコーンカップはアイスクリームをのせるためだけの 『単なる器』としかアルゼンチンでは捉えられていないようです。
となると、店内でコーンカップの隣に高ーく重ねて置いてある『紙のカップ』は何に使うのでしょうか。
アルゼンチンのアイスクリーム事情はなんとも不思議です。
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ミネラルウォーター、『コンガス』 ★★
「アルゼンチンでは生水を飲んではいけないよ。」
少年は最初に教わりました。
「お腹に石ができてしまう」からだそうです。
「そんなこと、あるわけないじゃん!」
胆石など知らなかった少年は、そんなこと気にもせずガボガボ生水を飲んでいました。レストランに入っても、ウェイターは日本のようにお水を持ってはきません。
「何をお飲みになりますか?」
「水を下さい。」
と言う具合いに水もまた買って飲む飲み物なのです。
「水をオーダーするの?!」
この異常事態に当時の少年はそうとう衝撃を受けました。そしてさらに、ウェイターの不思議な質問は続きます。
「コン ガス? オ シン ガス?」(=ガス入りですか? ガスなしですか?)いったい、どういう意味なのでしょう、これは!
ガス入りの水の存在など知らなかった少年はさらに驚いてしまいます。試しにコンガス(ガス入り)の水を飲んでみました。
「うぐっ……。」
のど越し悪くてとても飲めた代物ではありません。
水はノドの乾きをいやすため、グイグイ一気に飲みたいのに!どうやらガスとは炭酸のことの様です。
つまり、ガス入りの水とは炭酸水のことでした。
この飲み慣れない水はガスが入っているだけでなく、水っぽくない変な味までもついています。「なぜ、こんなまずい水が存在するんだ…。」
少年には理解できませんでした。
南米をはじめ、ヨーロッパでもガス入りのミネラルウォーターをよく見かけました。
所変われば味覚も変わります。
飲み慣れた人たちには普通の水なのでしょうし、慣れてしまえばぐいぐいおいしく飲めてしまうものなのでしょう。
多分…。今でも彼は海外で水を買う時は、注文する時にハッキリ言います。
「水を下さい。『ガスなし』のを。」と。
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でかいペットボトル ★★★
当時、日本では、ビン入りの1リットルホームサイズが1番大きなコーラでした。
しかし、アルゼンチンでは2リットルのペットボトルが存在したのです!
「で、でかい……!!」
初めて見た時は、その見なれない大きさにびっくり仰天です。
国土、牛肉、川、道幅、アイスクリーム、そして『コーラ』まで、でかいとは!
アルゼンチン、おそるべき国です…。
シンガポールではビニール入りのコーラに驚かされましたが、 アルゼンチンでもまたコーラに驚かされてしまいました。知り合いを呼んでホームパーティーをする時や外でバーベキューをする時など、お買得の商品です。
コーラ以外にもファンタオレンジや7UPなどもありました。しかし、時が経つにつれ、店頭で見かけるコーラの水位が明らかに下がっているように見えました。
あれでは2リットルペットボトルですが、2リットル弱しか入っていなさそうです。
ボトルの底も最初はどっぷりとしたむき出し状態だったのに、そのうち色のついた土台、『安定カップ』が取り付けられるようになりました。
それをはずしてみると底が先細りしていて、これまた容量が少なくなっているようです。
とにかく、1本のペットボトルに入るコーラの量を押さえ、売り上げは伸ばそう、ということなのでしょうか?
なんだか、企業の悪戦苦闘ぶりがわかりやすく目に見えるアルゼンチンのコーラでした。
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プンペルニック ★★★
当時、マクドナルドがアルゼンチンにはありませんでした。
マクドナルドのない世界、なかなかレアです。代わりと言ってはなんですが、『プンペルニック』というハンバーガーショップがありました。
アルゼンチンでしか見たことがありませんが、立派なハンバーガーチェーン店です。
店構え、ハンバーガーの感じなど、マクドナルドとの差を少年心にそれほど感じませんでした。「ドス、ハンブルゲッサス、ポルファボール。」(ハンバーガー2つ、お願いします。)
マイクで厨房にオーダーを伝えるシステムが当時少年の心をとらえました。
『バーガーキング』で同様のシステムを見ることが出来ます。「どす、はんぶるげっさす、ぽるふぁぼーる!」
学校などにマイクスタンドがあると、少年はどうしてもこう真似してみたくなったものです。
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ネスクイック ★★★
♪「ネスクイック! 寒い時も暑い時も! みんなで飲もう!」
TVから流れてくる元気のいい歌。
アニメキャラクターと実写の子供の合成コマーシャルはとても印象的でした。
この様なテレビCMなど、耳から聞いたスペイン語は、いつの間にか覚えてしまったりします。『ネスクイック』とは牛乳に混ぜて飲むココアパウダーのことです。
少年は大きな缶入りのネスクイックを買ってもらって、家でよく飲みました。
家でお手軽においしいココアドリンクを作れるのが、なんといっても魅力です。
今でこそ(?)日本でもネスクイックを買うことができますが、当時はまだ売っていませんでした。
高校受験で一足先に帰国した兄へのアルゼンチンみやげは大抵これで済みました。ある日、少年はアメリカには「ストロベリー味もあるらしい」という噂を耳にします。
「飲んでみたいぃ!」
数年後、この夢は少年がアメリカに留学した際、かないます。
「………。」
『ネスクイック』のストロベリー味ということで期待し過ぎてしまったようです。
お味は、普通のいちご牛乳という感じでした。
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メルカードのにおい、南米のにおい ★★
アルゼンチンのスーペルメルカード(=スーパーマーケット)は独特の雰囲気があります。それは、においです。
チーズ屋のにおい、肉屋のにおいなど、生の素材のにおいが店の中に充満しているのです。
初めは鼻をつくキツイにおいに感じられますが、慣れてしまうと気にならなくなります。
このにおいは、少年が後に訪れるブラジルや、ペルーでも嗅ぐことができました。
なんとも表現しにくいのですが『南米のにおい』とでも言っておきましょう。野菜屋、果物屋、雑貨屋、お菓子屋などは置き場が足りない、という感じに商品をびっしり並べていました。
売り物の一つのように商品の横にちょこっと売り子さんの顔が見えるのがなんともユニークです。肉は元の動物が何だったのか、わかりやすい形で売られています。
牛だったら、牛の皮をはいで頭部と4つの足を取り、まっぷたつに開いてぶら下げられていました。
お望みの部分を指定して重さ(1kg)を指定して、その場で切ってもらいます。
「…うわあああぁぁ!」
大きな牛の肉の固まりをぶったぎるその様子は迫力のあるものでした。どの国でも市場と言うのは、その地域の人々の生活感を直接感じられる興味深い場所です。
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キオスコはコンビニ? ★★★
町中、駅などいろいろな場所に『キオスコ』はあります。
日本で言うキオスクです。
商店街でも何でもない住宅地にヒョコッとあったりする便利な存在です。売られているものは、タバコ、おかし、ガム、チョコ、ジュース、雑誌、新聞など。
当時『バナニタ ドルカ』というお菓子がありました。
バナナの形をしたチョコレート菓子です。
テレビを見ていると「バーナニタドルカ−−− (バナ バナ)」というコマーシャルがよく流れていました。
この分かりやすいCMソングは少年の耳に見事に残り、購買意欲をバッチリかきたたせます。
このコマーシャルのおかげで、遠足などでお菓子を買う時は必ずバナニタ ドルカを買うようにしていました。アルゼンチンのフーセンガムは膨らまして割れると口のまわりにくっついて全然とれません。
とろうとしても上っ面だけとれて、なかなかきれいにとれないシールみたいです。
アルゼンチンでフーセンガムを噛むのは控えた方がいいでしょう。
他にキオスクでは絵葉書、雑誌、文房具なども売られています。
『2km(どす きろめとろす)』という名のボールペンがありました。
「2km書けるぜ!」
というウリなのでしょう。
実際、良く書けるボールペンでした。
さすが、ボールペンを発明した国だけあります。
おもちゃも売られていました。
「ZUM!..」(スム!)という白いリボンのような、ヨーヨーのようなおもちゃがありました。
オレンジの輪の部分に中指を通して、手を上下させます。
すると、丸く巻かれた白い帯状のプラスチックがシャリシャリ擦れた音を出しながら、伸びたり縮んだりするのです。テレビのコマーシャルでアルゼンチンの子供達がそれを使って楽しそうに遊んでいます。
そういうものを見ると、どうしても欲しくなってしまうものです。「………。なにこれ?」
実際に買って遊んでみるとおもしろくも何ともありません。
どうやったら、コマーシャルみたいに楽しく遊べるのでしょうか。
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マテ茶 ★★
マテ茶は、まず器が個性的です。
ヒョウタンのくびれの部分を横にばっさり切った下の部分を器とします。
民芸品やみやげ屋で買うと、外側が綺麗に彫られて装飾されていたりするものもあります。
底が丸いので針金で作られた、「マテ茶の噐スタンド」があると飾っておく時よさそうです。その器にはっぱを一杯入れ、そこにあつーいお湯をたっぷりと注ぎます。
器も個性的ですが、ストローや飲み方も個性的です。
ストローには最下部に「お茶こし」がついています。
その鉄(銀?)製のストローからすすってお茶を飲むわけです。
複数の人が飲む時は一つのマテ茶をまわして飲むのが正しい飲み方とのことです。
インディオたちの習慣が一般になったのでしょうか。
ストローのまわしのみ、というのがなかなか刺激的です。マテ茶の味は少し苦目です。
砂糖を入れて飲んでいる人も、いたような…。
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路上販売 ★★
「ディアリオス!! ディアリオス!!」
車で市内を走っていると、低くて渋い声が聞こえてきたりします。
新聞(=ディアリオ)売りの声です。
車が信号で停止している時に新聞を売ろう、としているのです。新聞を売っているのはそれを職業にしている?らしき、おじさんたちです。
しかし、道ではアルゼンチンの国旗や、花、キャンディーやガム(一応新品)などを売りに来る子供達もいます。
中にはいきなり窓を拭いてお金を請求する子供もいたりするのです。
日本じゃ絶対と言っていい程こんな光景をみたりしません。
こうやって日々の生活費を稼いでいるんでしょう。
「……もし、自分がこの国で生まれ、育ってたら…。」
そう考えると少し複雑な気持ちです。
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チャランゴ ★★★
南米の民族音楽に『フォルクローレ』というものがあります。
サイモンとガーファンクルによって有名になった『コンドルは飛んで行く』。
あれもフォルクローレの曲です。
フォルクローレは、ギター、ケーナ、ボンゴ、シーク、チャランゴなどの楽器で演奏されます。
ケーナは木の縦笛、ボンゴは太鼓、シークはいくつもの細い木の筒で音階を表現する笛。
そして、チャランゴは弦が10本ある小形ギターです。チャランゴの胴体に使われる材料には大きくわけて2種類あります。
一つは木でできたもの。
もう一つは『アルマジロ』でできたものです。(写真参照)
アルマジロは和名をヨロイネズミという動物で硬い甲羅が特徴です。
その肉がおいしいとかで、昔乱獲されたとか。
食べられない甲羅は捨てずに楽器に使おう、という発想からこの楽器は生まれたのでしょう。多分。と言うのも音色、音程などはアルマジロより木のチャランゴの方が美しいからです。
楽器なら、素材の面白さより音色にこだわりたいところです。さらに昔はともかく現在では、「むやみに動物を殺すな!」と動物愛護団体からクレームが来そうです。
そのチャランゴには、2種類の演奏手段があります。
1つは、コードを押さえてジャカジャカひく伴奏タイプの『ラスギード』。
もう一つは、弦をはじいて主旋律をひく『プンテオ』。
5音音階の少し切ない旋律が印象的です。チャランゴは5、6種類のコードさえ覚えてしまえば、簡単な曲なら誰でもすぐ演奏できるようになります。
なにせ、五線譜の楽譜をろくに読めない少年ですらひけるのですから…。
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何をかう? ★
日本人の少年には、アルゼンチンに親戚などいません。
ですから、新年の子供のお楽しみ、お年玉をもらえるメドが全くたちませんでした。
異国の地で日本人の小学生がひとりで出歩いたり、お買い物をしたりはなかなかしません。
使う時が殆どないので、お小遣いをもらっていませんでした。自分の物欲を満たすことが出来るのは、年に1度の自分だけの日『誕生日』だけです。
その日に1年間の想い全てを注ぎ込みます。と言っても、ガンプラも無ければ、日本のマンガなどアルゼンチンでは売っていません。
おもちゃや雑誌などの『洋モノ』はあまり欲しくありませんでした。
となると、買いたいモノはスポーツバッグや運動靴などに限られてしまいました。
アディダスやプーマ、ルコックにエレッセなどのメーカーものは見た目が良く、買ってもらえると嬉しいものです。
しかし、品質管理が甘いのか、縫い目が荒かったり、強度が不十分だったりよくしました。
かかとにある3つの横穴に3種のピンを抜き差しして、硬さを調整するアディダスのスポーツシューズがありました。
「あれ、ほしい!!」
見た目のよさ、そして、かかとのピンを取り替えられるその斬新さに心奪われたものです。
しかし、少年の小さな足にフィットするサイズはどの店を探してもありませんでした。バレーボールなどしないのに、バレーシューズを買ってもらったこともありました。
「もう、こんなボロボロにして!」
その靴でサッカーをすると、あっという間に靴にガタがきます。
こうなると、次の誕生日が早く来ることを祈るのみです。
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少年はアルゼンチンという国に住んではいましたが、日本人社会にいたため、現地の人との交流があまりありませんでした。
次のページでは、少年の数少ない現地人との交流について、見てみましょう。
アルゼンチン81 -目次-
- [ ◆2、生活編◆ ]
- ・スペイン語、入門 ………スペイン語にふれてみよう!
・未知の言語、スペイン語 ………これさえ知ってれば恐く無い?
・小さな日本人学校 ………日本から一番遠い日本人学校
・大きな家 ………国が大きければ、家まで大きい
・アイスクリームの食べ方 ………アイスを食べ終わった後のコーンカップをどうします?
・ミネラルウォーター、「コンガス」 ………こんな水があるなんて!
・でかいペットボトル ………国が大きければ、ペットボトルも大きい
・プンペルニック ………アルゼンチンのハンバーガーショップはこれ!
・ネスクイック ………コマーシャルで知ったおいしいココア
・メルカードのにおい、南米のにおい ………生活感あふれる市場のにおい
・キオスコはコンビニ? ………お菓子やタバコ以外にも色々売ってます
・マテ茶 ………器も味も飲み方もユニーク
・路上販売 ………信号で待っていると色々売りつけられる
・チャランゴ ………南米の民族楽器、その切ない旋律
・何をかう? ………ほしいおもちゃがない国で買うものとは?
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