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シンガポールからの帰国、そして
少年が8ヶ月過ごしたシンガポールは常夏の国。
そして、これから行くアルゼンチンは8月なのに何故か冬が始まる所。
新天地での生活用品を準備をするため、少年は一度家族と一緒に日本に戻ります。

[ 1、前編 ] [ 2、後編 ] [ 3、帰国編 ]

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 タイの水上マーケット
1981年7月19日 ★★★

map market on ther river 帰国の際にシンガポールから日本へ直行するのでなく、 せっかくなので、タイに寄ることにしました。

7月のタイは真夏です。

バンコクからバスで西へ80km、ダムヌンサドゥアクという、水上マーケットがあります。
そこでは、野菜や生活用品を乗せた細長い船が運河を行き来しており、 すれ違う船同士で売り買いをしているのです。

「すごい活気だなぁ!!」
「市場は陸の上にあるもの」と決めつけてしまいがちな日本人には、大変興味深い風景です。

その運河は『道路』や『店』ばかりでなく、茶わんを洗ったり洗濯したりする生活用水の役割も持ってます。
生活に密着した運河なのです。

その運河には、観光客も船にのって訪れます。
「きゃー、きゃー!」
ボートは勢いよくすれ違い、水しぶきをあげています。
暑い夏、浴びた水が気持ちよく観光客ははしゃいでいます。
それが生活排水だったりもするのですが…

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 タイの思い出
1981年7月20日 ★

タイでの滞在期間は3日間だけでした。
その間に駆け足でお寺を訪れたり、タイの伝統的な踊りを見たり、キックボクシングを見たりしました。

Elephant Snake
象にのりました。
象の上からゆったり流れる景色もなかなかのモノです。

ドライバーさんは象の首の上にのります。
言うことをきかせるためとはいえ、象の頭を鎌でガツガツ傷つけている様子がむごかったです。
動物愛護教会から訴えられないのでしょうか?

ヘビのショーも見に行きました。
ヘビ使いがステージの上で毒蛇と格闘して捕まえ、毒を吐かせたりするスリリングなショーです。
指の先がない人もいました。
毒蛇にかまれ、切断したのでしょうか?

ヘビとマングースとの対決も見ることが出来ます。
記念撮影にヘビを首にまかせてくれるサービス満点の場所でした。

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 慌ただしい帰国、そして出国
1981年7月21日 ★

少年はとうとう日本に帰ってきました!
8ヶ月ぶりの祖国凱旋です!

「…あれ?」
懐かしさもありましたが、住み慣れた日本がなんだか変な感じです。
密集した建物、道幅の狭さ、空をうめ尽くす電線、緑の少なさ。
見なれているはずの景色がどうも小さく違和感のあるものに感じられます。

「…日本って、こんなせまかったっけ?」
広い空間での生活になれてしまった少年に日本はとても窮屈な国に感じられました。
一度日本を離れ、異文化にふれ、それに慣れてしまうと、今度は逆に日本の方がおかしな感じがしてしまいます。
目に見える環境的な違いが少年の初めて経験した「逆カルチャーショック」だったのです。

今、学校は夏休み中、どの友だちとも会えません。
7月なのに何故か冬仕度をして、足早にアルゼンチンを目ざしました。
帰国から2週間、なんとも慌ただしい旅立ちです。

「ところで、アルゼンチンってどこ?」
何も考えずに、ただ親について行けばいいのですが、これから一体どこへ行くのでしょう。

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 初、アメリカ上陸!
1981年8月10日 ★★

アルゼンチンはものすごく遠くにある国です。
間違いなく、日本から一番遠い国でしょう。

TO N.Y. 成田からアルゼンチンまでの直行便は21世紀を控えた2000年でもまだありません。
いくら飛行機が早く飛べるからといっても、到着まで1〜2日かかります。

少年と家族は道中、アメリカのニューヨークに寄りました。
少年は初めてアメリカの大地を踏みしめます。

「あ、コンコルドだ!」
ニューヨークの空港でコンコルドを見つけて少年は大興奮です。
「アメリカに来たんだね!」
コンコルドはフランスの飛行機、アメリカとは特に関係ありません。

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 時差ってなんだ? その2
1981年8月10日 ★★★★

「…な、なんだ、あれ!」
ダックスフントのように長ーいリムジンが目の前を通り過ぎて来ました。
ここアメリカにも少年が今まで見たことのないような刺激的なものがたくさんありそうです。

ニューヨークに着いたのは夜中でした。
その晩はもう遅いので、空港すぐ近くのホテルで一泊します。

「ニューヨークって夜が長いんだなぁ…。」
いくら待っても日が出て来そうな雰囲気ではありませんでした。
それもそのはず、飛行機の中でぐっすり寝てしまった少年の体内時計は日本時間になっているのです。
日本が朝を迎える頃、ニューヨークは夜が始まったばかりなのです。

シンガポール到着時にも、たった1時間半の時差でわけがわからなかった小学3年生に 昼と夜が逆転することなど、なかなか把握しにくいものです。
「ちょっと、夜が長すぎない?」
またまた未体験の事態にとまどいながら、ひたすら朝を待ち続けました。

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 自由の女神
1981年8月11日 ★★★

『ニューヨーク』と言えば、小学3年生の少年でも名前くらい知ってる有名な街です。
『エンパイヤーステートビル』、『自由の女神』、『マンハッタン』、『ブロードウェー』。
よくわからないながらも、それがどんなところなのか、あれこれ想像したりするものです。

昔、キングコングが登った『ワールド・トレードセンター・ビルディング』にのぼりました。

「あ!! 自由の女神が見える!」
屋上から小さいながらも自由の女神を目視することができました。
生で『自由の女神』を見ることが出来た少年は大感激です!
「ついに来たんだ! ウルトラクイズの決勝の地へ!」
クイズで勝ち抜いてここまで来たわけではありませんが、うれしいものはうれしいのです。

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 みやげ輸入品の洗礼
1981年8月11日 ★★★

Statue of Liberty 『自由の女神』が建っているリバティ島までは行けませんでしたが、 『自由の女神』を生で見たぞ記念に『自由の女神』の卓上の置き物を買いました。(右、写真参照)
何よりのニューヨーク土産です。

「…♪、…♪、…♪」
ホテルに戻り、すぐに箱を開け、少年はずっと『自由の女神』を見ていました。
本物の『自由の女神』を見れた事、そしてその記念のおみやげを買えた事が うれしくて、うれしくてたまらなかったからです。
裏に書かれたある文字を見つけるまでは。

「Made in Hong Kong? 香港製?」
お土産はその国で作られているものと信じこんでいた少年には相当のショックだったのです。
精算コストなど考えると香港で作る方がいいのでしょうが、そんな大人の都合は少年には関係ありません。
ニセモノを買わされた気分にすらなってきました。

これが少年が初めて受けた「みやげ輸入品の洗礼」でした…。
なんだかニューヨークに来たこと自体を否定された気分です。

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 長ぁーい機内 その1
1981年8月12日 ★★

アルゼンチンはものすごく遠くにある国です。
いくら飛行機が早く飛べるからといっても、到着まで1〜2日かかります。
さきほども書きましたが。

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機内は退屈そのものです。

窓の外の景色が楽しいのも、離陸後10分間だけ。
そのうち景色はそれほど変化しなくなり、子供はあっという間に飽きてしまいます。

機内の映画も退屈です。
日本人の小学3年生が楽しめるような『ドラえもん』や『ガンダムII 哀・戦士』をやっていないからです。

playing card あまり知られていないかもしれませんが、旅客機にはトランプやクレヨン塗り絵セットなど、 暇つぶしグッズを積んである場合があります。
「プレイングカード(=トランプ)プリーズ!」
まだ小さい子供がたどたどしい英語でそう言うと、たいていのすチュワーデスさんは 笑顔で頼んでもいないものまでくれたりします。

タイまで乗ったシンガポール航空では、少年はジャンボジェットのプラモデルをもらいました。
「ぶぅーーーーーん!!」
おもちゃ大好きの少年は、すぐ機内で作って遊んでいました。
飛行機はバンコクに無事到着しましたが、少年のジャンボの水平尾翼は片方なくなっていました。

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 素晴らしい機内サービス
1981年8月12日 ★★★★

パンアメリカン航空では、切り抜いて遊ぶ絵本をもらいました。
切り抜いたパンダのアイマスクをつけて機内を歩いて遊んでいる少年にスチュワーデスさんが言いました。

「オゥ! ミッキーマウス!」

これは、少年にはショックでした。
「パンダ」になりきっていたのに、「ねずみ」と言われてしまったのですから!
この日から、少年は物まねを一切しなくなりました。

機長がつけるフライトバッジのおもちゃをもらったこともありました。
おもちゃの機長がかぶる帽子も手に入れ、いっぱしのフライトクルーの気分で機内を走り回っていると、
「こっちおいで。」
とスチュワーデスさんに呼び止められました。

「うわぁあっ…!!」
怒られるのかと思いきや、飛行中の操縦席を見せてくれたのです。
操縦桿やスロットルレバー、わけのわからないスイッチや計器類がたくさんあります。
なんだかものすごくハイテクでかっこいいものを見せてもらい少年は上機嫌です。
今ではありえない、オープンですばらしいサービスです!

パンアメリカン航空。
なんとも、いい航空会社でした…。
…なのにもう、ないなんて…。

そうこうしてるうちに、アルゼンチンの首都、ブエノスアイレスが近付いてきました。

ARGENTINA!
アルゼンチンへ

 シンガポールからの帰国、そして -目次- 

タイの水上マーケット ………水際で生活する人々

タイの思い出 ………バンコクでの観光

慌ただしい帰国、そして出国 ………初帰国で感じた故郷

初、アメリカ上陸! ………ニューヨーク上陸

時差ってなんだ? その2 ………2度目の時差体験は想像以上!

自由の女神 ………憧れの地へ!

みやげ輸入品の洗礼 ………みやげものショック

長ぁーい機内 ………いろいろもらえる飛行機内

素晴らしい機内サービス ………今ではありえないサービス

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