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ポーランド
世界一周した際、思った事、感じた事、考えた事です。
重太の自由気まま、勝手ワガママな意見に触れてみて下さい。
・ひとりごと<その1>へ
出発(日本)〜タイ・ひとりごと<その2>へ
タイ〜カンボジア・ひとりごと<その3>へ
カンボジア〜中国・ひとりごと<その4>へ
中国・ひとりごと<その5>へ
ネパール〜インド・ひとりごと<その6>へ
インド、パキスタン・ひとりごと<その7>へ
バングラデッシュ〜ミャンマー・ひとりごと<その8>へ
タイ(3)〜U.A.E.・ひとりごと<その9>へ
トルコ〜・ひとりごと<その10>へ
トルコ〜シリア・ひとりごと<その11>へ
シリア・ひとりごと<その12>へ
レバノン〜エジプト・ひとりごと<その13>へ
ギリシャ〜ボスニア・ひとりごと<その14>へ
クロアチア〜チェコ・ひとりごと<その16>へ
ポーランド〜オーストリア
・ひとりごと<その17>へ
オーストリア〜ドイツ・ひとりごと<その18>へ
ドイツ〜スイス・ひとりごと<その19>へ
イタリア(2)〜フランス・ひとりごと<その20>へ
スペイン・ひとりごと<その21>へ
ポルトガル・ひとりごと<その22>へ
ブラジル1・ひとりごと<その23>へ
ブラジル2・ひとりごと<その24>へ
ブラジル3・ひとりごと<その25>へ
ブラジル4・ひとりごと<その26>へ
アルゼンチン1・ひとりごと<その27>へ
アルゼンチン2・ひとりごと<その28>へ
アルゼンチン3〜アメリカ・ひとりごと<その29>へ
〜日本
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旅のルート模索 その3 「チェコのプラハからどこへ行こう?」
北上して、ドイツの首都=ベルリン?
南西のミュンヘン?
北東へ行き、ポーランドの首都=ワルシャワ?ヨーロッパは列車網が発達しているので、行きたい所はどこにでも行けてしまう。
それが逆に旅のルートを無限にし、どこへ行けばいいのか迷わせる。
何か『これ!』という目的がないと、旅のルートが決まりにくい。「…そうだ、アウシュビッツを見て来よう…。」
ということで、その最寄りの町=ポーランドのクラクフを目指すことにした。そこでこの旅最大の危機が待ち受けているとも知らず…。
[ チェコ、プラハにて ] 2001年 7月 11日
旅 239日目
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フレンドリーなクラクフ 早朝、列車はプラハを出発。
午後2:30、この旅の第29ヶ国目=ポーランドに入国した。午後5:00、クラクフに到着。
「ようこそ、クラクフへ! 宿をお探しですか?」
駅にはバックパッカー宿からの客引きがいた。「町からちょっと歩きますが、安くて清潔ですよ!」
英語も流暢に話せる客引きバイトの学生たち。
親切な語り口調から歓迎ムードが伝わってきて、すごくいい感じ。アテネ、サラエボ、ザグレブ、ブダペスト、ウィーン、プラハ、…。
1ヶ月前、ヨーロッパに入ってから、各国の首都をめぐって来た。
都会の人たちは観光客にさほど興味をしめさない。
そのためか、地元の人とのふれ合いが殆ど無かった。「うん、じゃ、そこにきめるよ。」
「うわ! どうもありがとう! すぐ迎えの車がきますよ!」
そんな時、やってきたここクラクフは、人がなんだかとってもフレンドリー。
アジアを旅していた頃の『地元の人とのさり気ないふれあい』ができそうだ。
それがすごくうれしかった。〜〜〜〜〜
旅も後半に入り、自分の旅の質が変わって来ているのに気付く。
観光地をいかに多くめぐるかより、その地に住む人や同じ旅人との出会いに重点をおくようになってきている。
「こんな旅が出来るのも、今のうちかなぁ…。」
なんてぼんやり思ったりした。
[ ポーランド、クラクフにて ] 2001年 7月 12日
旅 240日目
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最悪の1日の始まり ドン、ドン、ドン! ドン、ドン、ドン!
朝4:00。
ドミトリーの部屋のドアを叩く音に起こされた。ドアを開けると同室の奴が立っていた。
「この4人部屋に、カギは3つしかないみたいでさ…。」
申し訳なさそうにそう言うと、そいつはすぐ自分のベッドに行き寝始めた。「……… で、なんで君は今頃帰って来て、なんでオレが起こされ、なんでオレがドアを開けてやらなくちゃならないんだ?」
とばっちりの迷惑をこうむり、やり場のない怒りが煮えたぎる。そういえば、今日は『13日の金曜日』。
なんとも、いやぁーな1日のスタートだ…。
[ ポーランド、クラクフにて ] 2001年 7月 13日(金)
旅 241日目
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嵐の前の楽しさ 朝、バス停でアウシュビッツ行きのバスの時間、値段を調べる。
これで明日はアウシュビッツへ行ける。
駅でワルシャワ行きの列車の切符を買う。
これであさってワルシャワへ行ける。
その後は中央市場広場、ヴァヴェルの城、竜の洞窟や教会などクラクフを観光して過ごした。観光を終え、広場のオープンカフェでゆったりアイスを食べながら、パームコンピュータ(=電子手帳)に旅のメモをしていた時のことだ。
「それ、コンピュータ?」
現地の青年が話しかけて来た。英語がうまい青年は日本のことにも詳しく、話が盛り上がる。
こんな些細な人との出会いがなんとも楽しい。
「夕食を一緒にどう? いい店知ってるよ!」
その青年と一緒にレストランへ行く事になった。ポーランドのこと、クラクフのことなどいろいろ教えてくれ、楽しい時間が過ぎて行った。
「ポーランドに来たら、ウォッカを飲まないとね!」
2人しかいないのに、ショットグラスが4つも出て来た。
「1杯だとウォッカが片足にしかいかず、まっすぐ歩けなくなるんだよ。」
「?」
「だから、もう1杯飲んでまっすぐ歩けるようにするんだよ!」
その青年は、ポーランドならではの奇抜なウォッカの飲み方を教えてくれた。地元の人と一緒だと、ガイドブックに出ていないようなちょっとした知識を知る事ができて、楽しい。
「これぞ、旅の醍醐味!」
最近特にこう感じるようになってきていた。
[ ポーランド、クラクフにて ] 2001年 7月 13日(金)
旅 241日目
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『13日の金曜日』事件 「もっと飲もうよ〜! おごるからさ!」
広場で出会った青年と夕食が続く。「いや、もうウォッカはいいよ…。」
「そんなぁ! まだ飲めるでしょ? ほら、飲もうよ!」
「…そう?」
酒にちょっと強いつもりの自負。
話の面白い現地の人との出会い。
場の雰囲気に流されどんどんグラスをあけていった。
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いつのまにかそれぞれが8杯もウォッカを飲み干していた。「ちょっとトイレへ…。」
さすがに足どりが落ち着かない。:
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「次の店に行こう!」
レストランを後にし、二人で夜のクラクフをふらつきながら歩いた。:
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「………あれ?」
カバンに入れておいた愛用の1眼レフカメラがない!
何度探しても、隅からすみまで探しても、ないものはない!「………あれ??」
よくよく調べると、カバンにいれた貴重品一式もない!
「うそ! まじ?!」
血の気がひく一瞬…。レストランにおいて来たのかもしれないと思った。
「急いでレストランに戻ろう!」
猛ダッシュをして来た道をレストランにむけ突き進む!…この旅のためにレンズを新調したのに!
…プラハでフィルムをたくさん買い込んだのに!
あれこれ頭によぎる。「………あれ??」
しばらくして、ふりむくとすぐ後ろにいると思い込んでいた『連れ』がいない…。
ものすごいスピードで自分が走り過ぎてしまい、ついてこれなかったのだろうか?奴をさがすか、レストランを目指すか…。
何がなんだかわからなくなってくる…。
とりあえず、先程まで食事をしていたレストランへかけこんだ。「さっきの青年? 来てないよ。」
カメラのこと、貴重品一式のことなど話すも期待した答えは帰って来なかった。「………やられた…。」
一気に酔いも醒める。
さっき、カバンをおいてトイレに行っている間にやられたのだろうか。
カメラ、パスポート、クレジットカード、航空券、トレベラーズチェック、などの貴重品全て失った…。「…世界一周、おわり?」
まず、頭に絶望のシナリオがよぎった…。
[ ポーランド、クラクフにて ] 2001年 7月 13日(金)
旅 241日目
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まず、何を?! 今まで海外で生活したこともある。
旅行も何度もした。
しかし、こんなに大きなトラブルに巻き込まれたのは初めてだ!
(マラリアでなんとなく死にかけたこともあったが…。)パニックになってもしようがない!
何をどうしたらいいか、冷静になって考えてみる。「まずはクレジットカードをとめよう!」
でも、どうやって?
初めてのことなので、どうしていいかわからない!
それも海外のポーランドにいるので、さらにわからない!
ついでに自分は英語は話せるが、地元ポーランド語も全くわからない!!「とりあえず、日本の実家にコレクトコールし、カードを止めてもらおう!」
急いで宿に戻り、英語でフロントへ助けを求める。「調べてみるけど…。」
結局日本へのコレクトコールのかけ方がわからなかった。「コンチネンタル ホテルならわかるかも…。」
ということで、そこへ行ってもらい、コレクトコールのかけ方を聞く。
緊急時用にと、別に持っていたもう1枚のクレジットカードで日本へ電話をかける事が出来た。「母さん? 五体満足なんだけど、やられた…。」
事情を説明し、クレジットカードをとめてもらった。「…親に迷惑とすんごい心配をかけちゃったなぁ…。」
そのことが何よりも申し訳なく、後ろめたい…。
[ ポーランド、クラクフにて ] 2001年 7月 13日(金)
旅 241日目
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次に何を?! とりあえず、カードはとめてもらった。
次は?
警察に行くべきだろう。まず、中央市場広場の警察へ。
「ここは観光客用の簡単な対応しか出来ないの…。」
女性警官が申し訳なさそうに答えた。
「えぇ〜…。」
助けになってくれると思った警察が空振りに…。
英語で「本署へ行って」と言われてしまった。「…本署で英語は通じる?」
無駄足を踏みたくなかったので、きちんと確認した。
「ちゃんと英語を話せる警官がいるから!」
その言葉を信じ、場所を聞いて本署を目指した。夜のクラクフ。
明かりはあるが人通りはほとんどない…。
こんな時間に異国の地の町を一人で歩くなんて、できればさけたいところだ…。
まぁ、これ以上取られるものは今は『命』くらいしかないのだが…。
[ ポーランド、クラクフにて ] 2001年 7月 14日
旅 242日目
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たどり着いた本署にて :
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1分でも1秒でも早くたどり着きたいクラクフ警察本署。
なのに、思いっきり遠い場所にある…。
無一文の自分はバスにもタクシーにも乗る事はできない。
疲れとサンダルのため、さすがにもう走ることが出来ない…。
それでも気ははやる。
出来る限りの早足で本署にむけつき進んだ。:
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はるばる30分ほど歩いて本署へたどり着いた。
英語で窃盗にあったと事情を説明する。
「No English! Come tomorrow 8:00 a.m.」(英語、ダメ、明日、朝、8時に来て。)
「えぇ〜…。まじかよぉ…。」
本署に来てもポーランド語しか通じず、何もできない…。
英語が通じると聞いたからこそ、ここまではるばる来たのに…。わざわざ歩いて来たのに、ただの無駄足…。
すでに14日の土曜日になっているだろうが、13日の金曜日の悪夢はまだ終わらなかった。
[ ポーランド、クラクフにて ] 2001年 7月 14日
旅 242日目
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捨てる神のさらなる仕打ち 窃盗にあってから、この数時間、クラクフ中を駆けずり回った。
わざわざ来た警察本署では、英語が通じず何もできず終まい…。
となると、今はすごすご引き上げるしかない…。本署と自分の宿はよりによって町の端と端に位置している。
歩いて帰るとなると、1時間半から2時間はかかるだろう…。
さすがにそんな気力も体力もない…。「パトカーでホテルまで送ってよぉ…。」
普段ならこんなことは絶対に頼まない自分。
恥も外聞もプライドもなく、ただ純粋に切実なお願いをしていた。
緊急事態になると意外な一面が出てくるものだ。「タクシーで帰って下さい。」
「えぇ〜…。」
つれない警官の一言…。「ああ、いいよ。乗っていきな!」
という答えしか返って来ないと思いこんでいた自分には、予想外でものすごくショックな一言だった…。「ホテルが遠いんだよ…。だからさ…。」
「タクシーで帰って。」
(だから、お金をとられたんだって言うの!)へこみ切った気分をなんとか持ち上げこらえ、何度も笑顔で口説いてみる。
「(ニコ)お願い!」
「だから、タクシーをつかって!」この世には捨てる神しかいないのか?!
異国の地で困り果てた外国人に恩情をかけてくれる警察官はここにはいなかった…。:
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:
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事件解決にむけ何もできないまま、来た道をとぼとぼ歩いて戻る…。
13日の金曜日の後処理はまだまだ始まってもいない…。
[ ポーランド、クラクフにて ] 2001年 7月 14日
旅 242日目
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なぜか犯罪者気分… 深夜2時ころ。
気力と体力をふりしぼり、また40分ほど歩いて、クラクフ警察本署から中央市場広場の警察へ戻って来た。「…英語、はなせる人、いなかったよ…。」
さっきの女性警官にさり気なくグチってみる。
「…そう、ごめんなさいね。」
本当に申し訳なさそうに謝ってくれたが、浪費した時間と体力と気力ははかり知れない。ここからも宿まで歩けばさらに40〜50分はかかる。
「パトカーでホテルまで送ってもらえないかなぁ…。」
駄目もとでいじけながら頼んでみる。
「…ちょっと待っててね。」
意外な返事が返って来た。
数分後、ワゴンタイプの車で宿まで送ってもらえる事になった。
…ちょっとだけ、救われた気分がした。「………。」
しかし、その車は、窓に丈夫な鉄の網がついた護送車だった…。
向かい合うように警官が2人座っている。
何やら監視されてるみたい…。
こちとら、立派な被害者なのに、何故か犯罪者気分にさせられた…。
[ ポーランド、クラクフにて ] 2001年 7月 14日
旅 242日目
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眠れない夜 深夜のクラクフの道はガラすき。
車はたった5分で宿にたどりついた。「それじゃ! 気をつけなよ! よい旅を!」
ワゴン護送車は夜のパトロールへ向かって行った。宿に戻ると受付けの人が心配していろいろ聞いてくれる。
一通りトラブルの経過を簡単に説明すると、少しばかりお金を貸してくれた。
「…ありがとう。」
その心遣いがうれしかった。早朝4時に起こされ、日中はクラクフを観光で歩きまくり、 夜はクラクフを駆け巡った13日の金曜日。
疲れ果て、ねむいはずなのに、眠れない…。
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これから先、おれ、どうなるんだろう?世界一周はどうなる?
帰国しなくちゃならない?
1度も帰国せずに世界一周したいのに…。
親に心配かけたな…。
また電話しといた方がいいだろうなぁ…。
お金、どうしよう?
クレジットカード、トラベラーズチェック(旅行小切手)の被害、大きいかなぁ…。
カメラどこにあるんだろう?
あの時、あぁすれば、こうはならなかっただろう…。
酒に強いという自負がいけなかった…。
親切な人に油断が生じたな…。
旅に何か刺激を求めた冒険心が裏目にでたな…。
どうにかして、ほんの少しだけ時間を巻き戻してやり直したい…。
ちょっとだけ、過去に戻りたい…。
出ない答え、考えても仕方の無い事を延々と考えてしまう。
朝一で、警察に行ったり、お金のことをどうにかしたりとやる事がたくさんあって寝るべきなのに、眠れない。
こんなに眠れない夜は初めてだった。
[ ポーランド、クラクフにて ] 2001年 7月 14日
旅 242日目
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温かい励ましの言葉 :
:
30分くらい寝ただろうか?
朝8時過ぎには借りたお金でバスに乗り、再びコンチネンタルホテルへ。
もう一度日本の両親に電話をすることにした。体に怪我は一切ないし、荷物もほとんどある。
貴重品がなくなっただけ、と状況説明した。「…応援してるからね。」
母からの声が温かい。
「とられたものは、ま、税金みたいなもんだ。」
父の励ましに気持ちがものすごく救われた。「………よし!」
温かい言葉に励まされ、やる気が出てきた。
一人旅をしていても、自分一人で旅をしているわけじゃないんだな、って思った。
今までなんとなくしてきた旅に気合いが入った。
昨晩弱気だった気持ちは振り払われた。「負けてたまるか! 世界一周を意地でも果たしてやる!」
新たな決意が生まれた。
[ ポーランド、クラクフにて ] 2001年 7月 14日
旅 242日目
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本署にて その2 市電を乗り継ぎ再びクラクフ警察本署へ。 誰もいないガラーンとした部屋で30分ほど待たされる。
「…あのぉー…。」
「すぐ人が来るから。」
そう言われ、さらに待たされた。何にこんなに時間がかかるんだろう?
早く事件解決に力を貸して欲しいのに!
言葉もわからず、何故こんなに待たされるのか現状もわからない。
あまり協力的に思えない対応にイライラはつのる。いつのまにか昼過ぎになった…。
「初めまして。」
英語の通訳さんが登場した。
(なんだ、通訳さんを待っていたのか…。)
待たされ続けた状況がやっとわかった。その人と共に事情聴取室へ。
小さな部屋には本や書類がギッシリ。
そこで事件の内容を聞かれ、すぐさまタイプライターで書類が作られる。
パスポートやトラベラーズチェック再発行のための盗難証明書などを作ってもらった。「この中にその青年はいる?」
顔写真のある犯罪者ファイルを見せられた。
一通り目を通すも昨日の青年は見あたらなかった。2:00過ぎ、解放される。
取られたものは戻っては来ないだろう…。
しかし、今、自分に出来るだけのことはやった。「よし!」
妙なことに小さな達成感があった。
[ ポーランド、クラクフにて ] 2001年 7月 14日
旅 242日目
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直面している最大の問題 「…さて…。」
これから直面する問題は何より『お金』だ。
食事をするにも、水を買うにも、バスに乗るにも、列車に乗るにも、お金がいる。
取られた『パスポート』より『航空券』より『カメラ』より今は生きていくために『現金』が必要だ。
現金がない限り、何もできない。パスポート再発行の為、他、いろいろ旅の再出発の準備のためにワルシャワには行かなくてはならないだろう。
ワルシャワまで列車でいくらかかるのだろうか?
誰かにお金を借りねばならないのだろうか?
ポーランドに知り合いなどいない…。
一体、誰に、どうやって、お金を借りるんだ?
…おれ、これから、どうなるんだろう?:
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手元に残った1枚のクレジットカード…。
このカードは取られたVISAカードに比べ、世界的に使える場所が少なかった。
『使えないカード』としてレッテルを貼られ、カバンの奥底にいつも入れておいたため、今回の事件の被害にあわなかった。「どうせ、ダメだろう…。」
ダメもと気分で宿の近くのATMへ。
このカードを使いお金を下ろせるか試してみる。おおおお!
なんと、お金が出てくるではないか!
この感動はここ数日の中で最大のモノだった!
自分のお金を下ろせてこんなに感激する奴も世界中にいないだろう!これで食事も食べられる!
水やバナナやアイスも買える!
バスにも列車にも乗れる!
ワルシャワにも行ける!
下がりまくっていた気分が必要以上に盛り上がる!何でもやってみるもんだ!
試す事で最大の問題が解消されたのだから!そして、クレジットカードを別に持っておいた自分を誉めてあげたくなった。
使える場所が少ない、と思っていたJCBカードがこの緊急事態で助けられるなんて!
むちゃくちゃ使える頼れるヤツだった!「…ごめんな。えらい! つかえる!!」
今までバカにしていたことを心から謝り、感謝の気持ちで一杯になった。下ろしたお金のおかげで約20時間ぶりにしっかり食事をとることが出来、気分も体も落ち着いた。
実際は所持していたカードがPLUSという機構と提携しており、そのATMがPLUS対応だったことで、お金をおろせたようだ。
なんにせよ、分けて持っていたJCBカードに救われた事実に変わりはない。
[ ポーランド、クラクフにて ] 2001年 7月 14日
旅 242日目
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ふりかかる次の問題 夜10:00。
「24時間って長いなぁ…。」
昨日の今頃はまだ盗難にあっていなかったはず…。
過去24時間に起こった事をいろいろ思い返しベッドに入った。
明けて7月15日(日)、朝6:00。
今日はしっかり8時間も寝る事が出来た。
気持ちも少しずつ回復していることを実感出来た。今日は日曜日。
銀行も休みで何もできないから、1日ゆっくり休養しようと決めていた。…昼過ぎ。
「トラベラーズチェック(旅行小切手)もブロックした方がいいぞ。」
何気なく話しをしていた同室のイギリス人バックパッカーに言われた。
たしかに、パスポートと一緒にトラベラーズチェック(T/C)もとられているから、サインをマネするのも難しい話ではない。
T/Cを使われないようにするための手続きをしておいた方がいいというのだ。自分のT/Cはシティバンク発行のものだ。
ヨーロッパでのトラブル担当オフィスはイギリスにあるため、ポーランドから国際電話をかける羽目になった。わざわざテレホンカードを買い、電話する。
今は食費、宿泊費、移動費にだけお金をつかいたいのだが、仕方ない。「tHe tElPHonE NuMbEr #*so"^ d~ar*_ 214- $d@ko.+w...」
無機質なテープの声は何かを繰り返し言っている。
しかし、ひどいブリティッシュアクセントのため、米語なれした自分には聞き取れない…。「…どうしたらいいんだ?」
次から次へと問題がふりかかってくる…。
とりあえず日本にコレクトコールし、母親にT/Cのブロックを頼む事に。自分もひき続きイギリスへ電話をかけ続ける。
何度やっても何故かつながらない…。
どうしてこう問題が次から次へと出てくるんだろう?同室のイギリス人に頼み、テープの内容を聞き取ってもらう。
「電話番号が変わったみたいだ」とのこと。
なるほど、その案内テープが延々と流れていたのか。新しい番号へかけてみると、とりあえずつながった。
しかし、「そのままお待ち下さい」状態が続き、テレホンカードの残り度数だけドンドン減っていく…。
「ポーランドのクラクフにいるんですけど、盗難にあいまして…。」
やっとのことでラインがつながり、事件のことを話し始めたとたん、度数が0になった…。「……………。」
この世に救いの神はいないのか?
自分の身に次々ふりかかる不運、トラブルになす術もなかった。
[ ポーランド、クラクフにて ] 2001年 7月 15日
旅 243日目
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『やれることを やれるうちに やっておこう』 トラベラーズチェック(T/C)はもう使われちゃって、再発行されないかも…。 金の被害、大きいのかなぁ…。
もう、旅を続けられないのか…?
やはり、帰国しなくちゃならないか…?
宿に戻り、ベッドで横になるとついマイナス的なことばかり考えてしまう。
「ダメだ! 体を動かそう!」
起き上がり洗濯を始めた。
歩いて夕食を食べに出かけた。
インターネットカフェに行き、メールで日本へ現状報告をした。
財布がなくて不便なので、透明なジッパー付きの袋と厚紙を組み合わせ簡易財布を作った。体を動かせば気が紛れる。
あがいて自分を奮い立たせ、不安を振り払うようにした。『やれることを やれるうちに やっておこう』
旅立ちの決意をした時に思ったこの言葉が、今改めて自分の胸に突き刺さる。
この苦難の状況から抜け出し、夢の世界一周を果たすためのヒントがこの言葉にあるような気がした。
[ ポーランド、クラクフにて ] 2001年 7月 15日
旅 243日目
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普段通りの自分 睡眠時間が少ないはずなのに、あまり眠くない。
あまり食べていないのに、空腹感がない。
自分自身がものすごく『鋭利な研ぎすまされたもの』の様に感じられる。
人間、追い詰められると意外な側面が見えてくるものだ。気分転換にあるいたクラクフの町。
「アイスクリームくらい食べたっていいよな…。」
なんとなくそう思った。「じんくぃえ!(=ありがとう!)」
キオスクでアイスを買い、笑顔でお礼を言えた。
絶望の中、普通通りの自分がいることに感動した。
いくらここクラクフで大事件に巻き込まれたからといって、クラクフの人全てが悪いわけではない。
普通の人に普通に対応している自分がなんだかうれしかった。ただ、店でアイスを買ってお礼を言っただけなのに、なんだかものすごく心が温まった。
「…まだまだ、この旅、行けるんじゃないか!」
ささいな出来事、自分自身から元気をもらった気がした。
[ ポーランド、クラクフにて ] 2001年 7月 15日
旅 243日目
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信じられない対応 13日の金曜日に事件がおき、週末を経て月曜日。
朝一番、開店と同時にシティバンク・クラクフ支店へ駆け込んだ。
トラベラーズチェック(T/C)再発行の手続きをするためだ。「ここじゃ何も出来ないです。」
信じられない。
シティバンクに口座もあり、T/Cもシティバンクのものなのにものすごく冷たい対応をされた。
ちょっとくらい協力する姿勢を見せてくれても良さそうなのに、「何も出来ない」の一点張り。「せめて、そこの電話でイギリスにある『トラブル担当オフィス』に国際電話をかけさせてよ!」
そう頼むとさらに信じられない答えが返って来た。
「自分でテレホンカードをかって、自分で電話してください。」うそだろ!
自分のお金を取り戻すために、さらにお金を払わなくてはならないなんてバカみたいだ!再発行のための協力をどうして全くしてくれないんだ?
盗難にあった時、再発行してもらえるのがトラベラーズチェックの利点のはずなのに!
一体何のためのトラベラーズチェックなんだ!この異状事態に腹をたてるのを通り越し、呆然とするしかなかった。
お役所仕事の警察が1つの盗難事件にさほど真剣にならないのは『まだ』わかる。
しかし、世界に支店を持つ大銀行のこの対応には言葉を失った…。「ワルシャワのシティバンクならあなたの力になってくれるでしょう。」
最後は他人任せか?
愕然としてシティバンク・クラクフ支店をあとにした。「こんなことなら、朝一の電車でワルシャワに行っとくべきだった!」
宿まで猛ダッシュで15分走りながら、自分の判断ミスを呪った。
と、同時にシティバンク・クラクフ支店も呪った。
[ ポーランド、クラクフにて ] 2001年 7月 16日
旅 244日目
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チェックアウト一騒動 クラクフのシティバンクでは、トラベラーズチェックを他人に使われないようにする手続きも、再発行する手続きもできなかった。
こうなると1秒でも早くワルシャワのシティバンクへ駆け込むしかない。急いで宿に戻り、荷物をまとめる。
泊まっていた宿はドミトリー形式、1室4人部屋。
荷物をとられない様、自転車盗難防止用のチェーンでバックパックをベッドにくくりつけておいた。
「ち!」
そのチェーンのカギまで例の事件の際、とられていたことを思い出した。
仕方なく、ナイフでバックパックの1部を切り、バッグを取り外す。「…マジかよ!」
チェックアウトしようとフロントに行くと、チェックインしようとする大行列で大にぎわい…。
何もこっちは急いでいるタイミングで団体さんが来なくたっていいのに…。普段なら「仕方ない」と我慢して列の最後尾に並ぶが、今は緊急事態。
強引な横入りをして、クレジットカードで支払いを済ませ、なんとかチェックアウトした。
急いでクラクフの駅を目指す。「あ!」
市電に乗って1駅通過した時のことだ。
身分証として宿のフロントにあずけておいた日本の『運転免許証』を返してもらってないことに気付いた。
それがなくても旅に支障はないが、預けたままにしておくこともない。
ワルシャワにいって、いろいろ旅の準備を整え、また後でここに取りに来るのも面倒だ。
かといって、今取りにいくのも時間のロスだし…。
日本に帰ってから再発行するのも面倒だろうし…。結局、すぐ市電をおり、重いバックパックを背負ったまま歩いて宿まで戻った…。
(パスポートを身分証としてフロントに預けておけば、パスポートはとられずに済んだなぁ…。)
宿に戻る道中、またあれこれ考えても仕方の無い事を考えてしまう…。「ごめんごめん。君が急いでチェックアウトしたから、返すのを忘れちゃったよ…。」
免許証を取り返して、再び大急ぎでクラクフ駅を目指した。
[ ポーランド、クラクフにて ] 2001年 7月 16日
旅 244日目
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急がば止まれ? なんとか昼過ぎにワルシャワ行きの列車に飛び乗る事ができた。 ワルシャワまでは2時間半。
3時過ぎにはシティバンクへたどり着けるだろうか。
(このでかいバックパックを背負ったまま移動はしたくないよなぁ…)
(シティバンクは駅から近いのかな? どうやって行けばいいのかな?)
車中でワルシャワに着いてすぐ行動できるようにあれこれ計画を立てておく。初夏のポーランドは暑い。
旅行シーズンのためか、列車は満席状態で落ち着けない。
列車内に入ってくる風がなかったら、満席の車内は苦痛としかいえなかっただろう。「? どうしたんだ?」
突然、列車が駅のない場所でとまった。
普段なら「これも旅の面白さの一つだよ」とこの程度のトラブルは大歓迎だが、今は緊急事態。
とっとと動き出してほしい。:
:
:
…5分、…10分、…15分…。
動き出す気配が全く無い。
なんでもない時間の経過が永遠に感じられ、大きなタイムロスにしか思えない。
あせる。(この瞬間にもオレのトラベラーズチェックが使われてしまうかもしれないのに!)
無駄にしか感じられない停車にいら立ちはつのる。(なんでこんなに次から次へとトラブルがわいてくるんだ?)
不幸が寄ってくる『モノ』でも身につけているのだろうか?
自分自身がそういう運命なのだろうか?
[ ポーランド、列車内にて ] 2001年 7月 16日
旅 244日目
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これぞ一流! 30分程その場に原因不明の停車した後、列車は再びワルシャワに向け動きだした。
3時過ぎ。
列車はワルシャワ中央駅へ到着。
地下にあるホームは暗く、駅構内はせまく、ゴミゴミしている。
足早に地上へ出て、駅の目の前にあるマリオットホテルへ。
なりふり構わずフロントへ行き、シティバンクまでの行き方を聞いた。「市電で行けばすぐですよ。」
さすが一流ホテル。
宿泊客でも何でもない人に対しても、対応が親切丁寧。
ダメもとで大きなバックパックを預かってもらえるか聞いてみる。
「いいですよ。」
なんと、気持ちのいい返事が返って来た!
さすがは一流ホテル。
利益にならない客にも太っ腹な対応だ。
「身分不相応な所に来てるんだなぁ…。」
正装をしたボーイがやってきて、ウス汚いバックパックをクロークルームへ運んで行く姿を見てそう思った。
「これもですか?」
「…はい。」
白い買い物袋に入った紙パックのオレンジジュース(1リットル)もカバンにくくりつけておいてもらった。
[ ポーランド、ワルシャワにて ] 2001年 7月 16日
旅 244日目
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面倒な再発行手続き 3:45。
シティバンク・ワルシャワ支店へ駆け込んだ。
「どうぞ、こちらへ。」
用件を説明すると、中へ通された。
行員それぞれがデスクを持ち、そこには客用のイスある。
「これをどうぞ。」
急いで疲れたように見えたのか、ミネラルウォーターを渡してくれた。
ワルシャワ支店の人たちはクラクフ支店と違い、最初から親切丁寧に対応してくた。デスクでイギリスの『トラブル担当オフィス』、トラベラーズチェック(T/C)紛失係りへ電話させてもらった。
もちろん無料で。
やっとラインがつながり、担当の人に事件の状況を話す。
「英語を話せてよかったぁ…。」
この時程、英語の実用性、ありがた味を感じた事はなかった。他にも取られたT/Cの番号、今まで使ったT/Cの番号なども伝えた。
「番号を控えておいてよかったぁ…。」
これで再発行手続きも迅速におこなわれる「はず」である。
「あなたのお名前は? 住所は?」
身元確認のための質問を色々される。
T/Cが盗難にあったと偽装して、新しいT/Cをもらおうとする詐欺対策のためなのだろう。
「職業は? 会社の電話番号は? 旅の期間は? 家族構成は?」
それにしても、徹底した調査っぷりだ。
しっかりした対応が心強くもあり、いちいち面倒でもある。
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「それでは、また明日、電話をかけて下さい。」
今日はこれで電話での報告は終わりだ。
イギリスでこれからもっといろいろ調査をするようだった。
調査のたしになるといいと思い、ワルシャワ支店の人にクラクフで作った盗難届を渡しておいた。
この時点では、T/Cが戻ってくるかどうかはわからなかった。
…果たして取られたT/Cは全額返ってくるのだろうか?
…戻って来てほしい…。
[ ポーランド、ワルシャワにて ] 2001年 7月 16日
旅 244日目
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同じ銀行、違う対応 「…51分!?」
電話の通話時間をみたら、そう表示されていた。
トラベラーズチェックの再発行手続きのため、そんなにイギリスに国際電話をしていたのか…。「テレホンカードだったら、一体何枚必要だったことやら…。」
「それ、どういうことですか?」
ささやかなボヤきにワルシャワ支店の店員さんが反応した。
今朝自分の身に起こったクラクフの店員の信じられない対応について話した。
「それ、報告しなくちゃですね。もっと詳しく話してもらえますか?」
やっぱりあの対応はあってはならないものだったらしい。
「本当に、どうも申し訳ございません…。」
クラクフでの不手際をワルシャワで謝ってもらった。
同じ銀行なのに、この対応の差はなんなんだろう?
親切丁寧な対応はやはり気持ちいい。
気持ちいいのはうれしいのだが、何よりもとられたトラベラーズチェックが再発行されて欲しいと強く思った。
[ ポーランド、ワルシャワにて ] 2001年 7月 16日
旅 244日目
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さらなる苦難 インターネットカフェに行くと衝撃のメールが待っていた。
『クレジットカードで1ヶ月にキャッシングできる額に上限あり』
その1ヶ月の区切りは毎月16日から翌月15日まで。
つまり、今日から新たな1ヶ月の始まりだ。
…昨日のうちにもっとお金を下ろしておけばよかった…。そうすれば、今日からまた新たに上限額までおろせたのに…。
やはり、一度日本に帰っていろいろ準備をし直さなくちゃ…?
世界一周はムリなのか…?
弱気な自分が顔をだす。
しばらく呆然となった。
せっかくお金がおろせることが分かって安心していたのに、それに条件がつくなんて…。
無限にお金を下ろせるとは思っていなかったが、1ヶ月区切りの開始日と使用限度額をきいて、また苦境にたたされた気分になった。
もし、トラベラーズチェックが再発行されない場合、今後毎月の出費額がおもいっきり制限されることになる。
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でも、道は相変わらず苦しいが、完全にふさがれたわけではない。
お金もないわけじゃないし、荷物も十分ある。
なにより五体満足で健康だ。「…やってやろうじゃん!」
ちょっとした条件がつけられるほうが旅が盛り上がるのではないか?
こんな体験は2度とできないと、今を楽しんで、旅を続けようと思った。
全ては考え方次第だ!!
…もう少し踏ん張れば、なにかいいことがあるはずだ。
………きっと。
[ ポーランド、ワルシャワにて ] 2001年 7月 16日
旅 244日目
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航空券の再発行手続き ここワルシャワでとられた航空券の再発行手続きもしておこうと思った。
自分の世界一周チケットは、全日空やルフトハンザ航空といった10数社の航空会社が提携する 『スターアライアンス』グループ発行のものだ。
そのいずれかの航空会社のオフィスにいけば、再発行手続きをしてもらえるだろう。翌日、7月17日。
調べてみると、泊まっていた宿の近くに『スターアライアンス』に加盟しているスカンジナビア航空のオフィスがあるようだ。
早速、歩いて行ってみる。
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いくら住所の場所を探してもみつからない…。仕方がないのでバスにのって、『スターアライアンス』に加盟している別の航空会社、ルフトハンザのオフィスへ。
「まじかよ…。」
さきほどのスカンジナビア航空のオフィスはここに移転していた…。
業務提携した都合上、この方が便利だからだろうか?
事件の経緯を話し、再発行手続きをしてもらう。
万が一の時のため、荷物の奥に入れておいた航空券のコピーも見せる。
これさえあれば、話はトントン拍子に進むだろう。「あなたの最近の予約が入ってないのよ。だから何も確認できないの!」
とんがり眼鏡をしたおばちゃんが怒っている。
たしかに、出発時に仮申請したフライトスケジュールは旅開始から半年も過ぎ、大幅に狂っていた。
予約を入れ直していないのは事実だが、だからってなんで怒られなくちゃいけないんだ?
「ルフトハンザ航空以外の予約状況のデータはここからじゃわからないのよ!」
『スターアライアンス』グループ発行のチケットのことを『スターアライアンス』のオフィスで聞いてるのに!
何のための業務提携なんだ!
こういう時にこそそグループ提携の力を発揮して欲しいのに…。
「…とりあえずやってみるけど、時間かかるかもしれないわよ。」
めんどくさそうに、溜め息まじりにつぶやくおばちゃん。
高慢ちきな態度が腹立たしい。
しかし、航空券を再発行してもらわないことには旅を続けられない。
「…時間はいくらでもあるから、お願いします。」
ワルシャワにどれくらい滞在することになるのだろうか?
事件の後処理は、想像以上に困難で面倒くさいものだった…。
[ ポーランド、ワルシャワにて ] 2001年 7月 17日
旅 245日目
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・ひとりごと<その1>へ
出発(日本)〜タイ・ひとりごと<その2>へ
タイ〜カンボジア・ひとりごと<その3>へ
カンボジア〜中国・ひとりごと<その4>へ
中国・ひとりごと<その5>へ
ネパール〜インド・ひとりごと<その6>へ
インド、パキスタン・ひとりごと<その7>へ
バングラデッシュ〜ミャンマー・ひとりごと<その8>へ
タイ(3)〜U.A.E.・ひとりごと<その9>へ
トルコ〜・ひとりごと<その10>へ
トルコ〜シリア・ひとりごと<その11>へ
シリア・ひとりごと<その12>へ
レバノン〜エジプト
・ひとりごと<その13>へ
ギリシャ〜ボスニア
・ひとりごと<その14>へ
クロアチア〜チェコ・ひとりごと<その16>へ
ポーランド〜オーストリア
・ひとりごと<その17>へ
オーストリア〜ドイツ・ひとりごと<その18>へ
ドイツ〜スイス・ひとりごと<その19>へ
イタリア(2)〜フランス・ひとりごと<その20>へ
スペイン・ひとりごと<その21>へ
ポルトガル・ひとりごと<その22>へ
ブラジル1・ひとりごと<その23>へ
ブラジル2・ひとりごと<その24>へ
ブラジル3・ひとりごと<その25>へ
ブラジル4・ひとりごと<その26>へ
アルゼンチン1・ひとりごと<その27>へ
アルゼンチン2・ひとりごと<その28>へ
アルゼンチン3〜アメリカ・ひとりごと<その29>へ
〜日本
世界一周旅行、ひとりごと その15 ー目次ー ・旅のルート模索 その3 (2003/ 4/ 15 更新) ………決めにくくなってきた旅のルート(2001/ 7/ 12、プラハ) ・フレンドリーなクラクフ (2003/ 4/ 15 更新) ………地元の人がいい感じ(2001/ 7/ 12、クラクフ)
・最悪の1日の始まり (2003/ 4/ 15 更新) ………朝、たたき起こされる(2001/ 7/ 13、クラクフ)
・嵐の前の楽しさ (2003/ 4/ 15 更新) ………地元の人との楽しい出会い(2001/ 7/ 13、クラクフ)
・『13日の金曜日』事件 (2003/ 4/ 15 更新) ………この旅最大のピンチ!!!!(2001/ 7/ 13、クラクフ)
・まず、何を?! (2003/ 4/ 15 更新) ………事故の処理として何をすべきか、考え実行!(2001/ 7/ 13、クラクフ)
・次に何を?! (2003/ 4/ 15 更新) ………夜道をひとり歩く緊急事態(2001/ 7/ 14、クラクフ)
・たどり着いた本署にて (2003/ 4/ 15 更新) ………通じない英語(2001/ 7/ 14、クラクフ)
・捨てる神のさらなる仕打ち (2003/ 4/ 15 更新) ………ものすごく遠い宿(2001/ 7/ 14、クラクフ)
・なぜか犯罪者気分… (2003/ 4/ 22 更新) ………宿まで護送車?で(2001/ 7/ 14、クラクフ)
・眠れない夜 (2003/ 4/ 22 更新) ………後悔の嵐(2001/ 7/ 14、クラクフ)
・温かい励ましの言葉 (2003/ 4/ 22 更新) ………復活する気持ち(2001/ 7/ 14、クラクフ)
・本署にて その2 (2003/ 4/ 22 更新) ………事後処理その1(2001/ 7/ 14、クラクフ)
・直面している最大の問題 (2003/ 4/ 22 更新) ………お金をどうするか?(2001/ 7/ 14、クラクフ)
・ふりかかる次の問題 (2003/ 4/ 22 更新) ………無意味に終わる国際電話(2001/ 7/ 15、クラクフ)
・『やれることを やれるうちに やっておこう』 (2003/ 4/ 22 更新) ………旅のキーワード(2001/ 7/ 15、クラクフ)
・普段通りの自分 (2003/ 5/ 27 更新) ………我に返り感激する出来事(2001/ 7/ 15、クラクフ)
・信じられない対応 (2003/ 4/ 22 更新) ………非協力的な銀行員(2001/ 7/ 16、クラクフ)
・チェックアウト一騒動 (2003/ 4/ 22 更新) ………フロントにある大行列(2001/ 7/ 16、クラクフ)
・急がば止まれ? (2003/ 4/ 22 更新) ………何故か止まる列車(2001/ 7/ 16、列車内)
・これぞ一流! (2003/ 4/ 29 更新) ………ホテルの素晴らしい対応(2001/ 7/ 16、ワルシャワ)
・面倒な再発行手続き (2003/ 4/ 29 更新) ………調査にはいる銀行(2001/ 7/ 16、ワルシャワ)
・同じ銀行、違う対応 (2003/ 4/ 29 更新) ………クラクフ支店での一件の報告(2001/ 7/ 16、ワルシャワ)
・さらなる苦難 (2003/ 4/ 29 更新) ………キャッシングの限度額(2001/ 7/ 16、ワルシャワ)
・航空券の再発行手続き (2003/ 4/ 29 更新) ………なんのための業務提携?(2001/ 7/ 17、ワルシャワ)
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