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− 366日間世界一周旅行、ひとりごと <その19> −

イタリア(2)〜フランス

世界一周した際、思った事、感じた事、考えた事です。
重太の自由気まま、勝手ワガママな意見に触れてみて下さい。

ひとりごと<その1>へ
出発(日本)〜タイ

ひとりごと<その2>へ
タイ〜カンボジア

ひとりごと<その3>へ
カンボジア〜中国

ひとりごと<その4>へ
中国

ひとりごと<その5>へ
ネパール〜インド

ひとりごと<その6>へ
インド、パキスタン

ひとりごと<その7>へ
バングラデッシュ〜ミャンマー

ひとりごと<その8>へ
タイ(3)〜U.A.E.

ひとりごと<その9>へ
トルコ〜

ひとりごと<その10>へ
トルコ〜シリア

ひとりごと<その11>へ
シリア

ひとりごと<その12>へ
レバノン〜エジプト

ひとりごと<その13>へ
ギリシャ〜ボスニア

ひとりごと<その14>へ
クロアチア〜チェコ

ひとりごと<その15>へ
ポーランド

ひとりごと<その16>へ
ポーランド〜オーストリア

ひとりごと<その17>へ
オーストリア〜ドイツ

ひとりごと<その18>へ
ドイツ〜スイス

ひとりごと<その20>へ
スペイン

ひとりごと<その21>へ
ポルトガル

ひとりごと<その22>へ
ブラジル1

ひとりごと<その23>へ
ブラジル2

ひとりごと<その24>へ
ブラジル3

ひとりごと<その25>へ
ブラジル4

ひとりごと<その26>へ
アルゼンチン1

ひとりごと<その27>へ
アルゼンチン2

ひとりごと<その28>へ
アルゼンチン3〜アメリカ

ひとりごと<その29>へ
〜日本


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 この旅2度目のイタリア
スイスの南からアルプス山脈をバスで南下。
トンネル内で国境越えし、イタリアへ入国した。
この旅2度目のイタリア入国である。

前回、6月中旬にイタリア南東部に1週間滞在した時、 安くておいしい料理に何度もめぐりあった
そんなことから、イタリアに再入国することをすごく楽しみにしていた。

たどりついたアオスタはイタリア北西部の小さな町。
「…あれ?」
レストランに入りメニューを見ると料理のお値段が安くない。
出てきた料理の味もいまいち…。

前回行った南イタリアのバーリはアドリア海に面した港町。
ここアオスタはアルプスの山中。
同じイタリアとはいえ、南と北では味も物価も全然ちがうんだなぁ、なんて思い知らされた。
日本だって、北海道と沖縄じゃ食文化も物価も違うから、当然といえば当然。

それにしても、イタリアに来ることを楽しみにしていただけに、なんだかとっても残念だった…。
さらに、近くまで来ていながら、マッターホルンもモンブランも見事に見落としたことに後から気づいた。

[ イタリア、アオスタにて ] 2001年 8月19日
旅 278日目

この頃の世界一周旅行の日記
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 ガイドブックからの脅迫状
あると便利、旅の必需品のガイドブック。
ページをめくれば魅力的な場所が次々に出てくる。
しかし、同時にガイドブックによって『旅の発見の楽しみ』を損なうこともある。

旅が一般的になり、限られた時間で効率的に旅をするとなると、ガイドブックの内容が充実するのは必然。
しかし、その多い情報量が旅の重荷に感じられることもある。

「ここまで来たのに、あそこは見ないの?」
「近くまで来てるのに、ここに寄っていかないの?」
こんな感じでガイドブックに脅迫されている気になる。
「なにしにここまで来たんだい?」
ガイドブックにそう言われている様な気になる。
あそこも行かなくちゃ、こっちも見なくちゃ…。
そんな旅は疲れてしまう。

ここアオスタはイタリア北西部の小さな町。
手持ちのガイドブックには紹介されていない町。
それがなんともうれしい。

「…おぉ、こんなところに広場が!」
「古い城門跡を発見!」
「…へぇ、円形劇場だぁ…!」
知識も情報もないから、見るものすべてが自分による発見となる。
それがとても楽しい。
アオスタは、旅の基本=『自分で発見する楽しみ』を思い出させてくれた。

[ イタリア、アオスタにて ] 2001年 8月20日
旅 279日目

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 グラッパ専門店
grappa 町中を歩いていたら、ビンがたくさん並んだ店を見つけた。
ワインを売っているのだろうか?
それともお酢?
化粧水?

よくみると、それは『グラッパ』だった。
8年前、一気飲みさせられ、嫌な思い出のあるあの食後酒
棚一面に並んだあのビンはすべてグラッパみたいだ。
あんなに種類があるなんて!!

2度と飲みたくないあのお酒…。
あんなに陳列されているのを見ると、なんだか気分が悪くなってくる。
その割に、その店の様子をしっかり写真に撮ってしまっていた。

[ イタリア、アオスタにて ] 2001年 8月20日
旅 279日目

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 列車の切符でバスに乗る
アオスタ駅でトリノ行きの『列車』の切符を買った。
買ったつもりだった。

翌日、駅に着くと「外で待て」と言われる。
しばらくするとバスが来た。
そのまま『バス』に乗せられた。

意外な展開。
…わけがわからない。

1時間後、バスは『ボルゴフランコ』という駅にたどり着いた。
どうやらトリノ行きの列車がこの駅から出発する様だ。

アオスタに列車の駅があるのに、その駅前からバスにのって、離れた別の駅に行くなんて…。
なんとも不思議な体験をした。

[ イタリア、アオスタにて ] 2001年 8月21日
旅 280日目

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 トリノとキックボード その1
ボルゴフランコからトリノまでは1時間15分の列車の旅。
アオスタからバス、列車と乗り継いで、昼ごろトリノに無事到着した。

8年前、1ヶ月半イタリア放浪をしたが、 その時はこの手前までしか来ることが出来なかった。
そんな理由で、トリノにたどり着いただけでちょっとうれしい。

トリノはイタリア屈指の商業都市。
駅にホームはいくつもあり、大きな丸い屋根が全体を覆っている。
久々見る巨大な駅に圧倒される。

駅が大きいだけあって、降り立ったホームから駅のホールまでの距離が遠い。
「…さっそく使いますか!」
路面が平らなので、キックボードを使うことにした。

駅構内をうろつき、ホテルや町の情報を集める。
大人も子供も興味深そうにキックボードに乗った東洋人旅行者を見ている。
折りたたんで持ち歩いても、みなの視線がキックボードに集まる。
乗ってはいけないのか?
ただ珍しいのか?
なんだか不思議な場所に来てしまった。

「あなた、それに乗って、旅をしてるの?」
突然、老シスター(カトリック教、修道女)に話しかけられた。
シスターもキックボードに興味があるようだ。
「…えぇ、そうです。」
「楽しそうね。よい旅を!」
シスターから祝福を受けてしまった。
これからの旅の安全祈願をただでしてもらい、なんだかうれしくなった。

「何がきっかけで、誰と話すことになるなんてわからないもんだなぁ。」
キックボードで町を走りながらそんなことを思った。

[ イタリア、トリノにて ] 2001年 8月21日
旅 280日目

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 イタリアでメガネを新調
そんなに雑に扱っているわけでない。
それなのに、なぜかメガネの表面にひっかき傷がいっぱいついている。
そのおかげで前がかなり見にくい。
視力を補うはずのメガネが視界をさえぎっている。
せっかく旅をしているのに、景色を楽しめないのは大問題だ。

「この際だ。ファッション&おしゃれの国=イタリアでメガネを新調しよう!」
ということで、大都市トリノの商店街で見つけた綺麗な眼鏡屋に駆け込んだ。

「フレームはこのまま使えますよ。」
ということで、レンズだけ交換することに。

「お勧めのレンズはこちらです。」
日本製のレンズを勧められた。
本場イタリアでイタリアンなメガネを、と思ったのに…。
店員さんに言われるまま、日本製のレンズを選んだ。

我が母国、日本のレンズ作りの技術が高く、安くて良質なものを世界に提供していることはよぉーくわかった。
しかし、メガネ店を後にした時、なんだか釈然としない気分だった。

[ イタリア、トリノにて ] 2001年 8月22日
旅 281日目

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 トリノとキックボード その2
『トリノ』と聞いて何を思い出すだろう?
フィアット(車メーカー)、ユベントス(サッカーチーム)、………。
 :
 :
 :
 :
あれ。
それ以外の印象がほとんどない…。
コロッセオの様な有名な遺跡も、スペイン広場の様な観光名所も全く思い浮かばない。

観光名所が少ない?せいか、夏の旅行シーズンにもかかわらず、トリノの街に人は少ない。
さらに、街が碁盤の目状になっていることと、歩道が平らなおかげでキックボードで走りやすい。

すいすいキックボードで町中を走りまくる。
アーケードのある商店街、映画館、広場、教会、宮殿…。
静かにたたずむ大都会を探索するのが楽しい。
キックボードのおかげで行動範囲は広がり、いろいろな場所を見て回れる。
改めて、「いい買い物をしたなぁ…。」なんて思ってしまう。

キックボードと東洋人の組み合わせがよっぽどめずらしいのだろうか?
180cmの大人と小さな乗り物の組み合わせが異様なのだろうか?
街中でもすれ違う人々の視線はキックボードに集まっていた。

もしかして、この街に今まで1台もキックボードがなかったのだろうか?
自分が初めてこの乗り物をここに持ち込んだのではないだろうか?
そんなことまで思ってしまうほど、この街の印象はキックボードと切り離せないものとなってしまった。


『トリノ』と聞いて何を思い出すだろう?
フィアット(車メーカー)、ユベントス(サッカーチーム)、………。
 :
 :
 :
 :
そして、キックボード!
[ イタリア、トリノにて ] 2001年 8月21日
旅 280日目

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 最高の映画博物館
トリノ市内で一際目立つ高い塔。
なんとなく行ってみたら、そこは映画博物館だった。
映画好きの自分は何もためらうことなく、入ってみた。

まずは、影絵、パラパラマンガなどの展示があった。
スイッチをおすと影絵やパラパラマンガが動き出す。
触って何か反応があるというのは、それだけでとても楽しい。

館内を進んでいくと古めかしくも味のある木箱の映写機、手で回すカメラやレンズなどの展示もあった。
どうやら最初は『映画の原型の歴史』を追うコーナーの様だ。
さらに進むと、現在我々に馴染みのある『映画』のコーナーになった。

 セット再現コーナー。
 小道具展示コーナー。
 音響体験コーナー。
 メイキャップコーナー。
 世界の名作のポスター展示。
回廊型の展示場にコンパクトにまとまった数々の展示物。
多過ぎず少な過ぎずの展示量がいい感じだ。

建物の最下部中央にはたくさんのリクライニングシートがあった。
そこでは、歩き疲れた体を休め、大画面で映画を楽しむことができる。
なんとも気のきいた展示構成だ。

リクライニングエリアの周りには、小さな部屋がたくさんあった。
アメリカの家の部屋っぽかったり、便器型のシートが並んだ部屋だったり、宇宙船の中っぽかったり。
どの部屋にもスクリーンがあって、上映会場になっている。
『こんな環境で映画を見ませんか?』
と言った遊び心を感じる空間まであって、なかなか面白い。

イタリアらしくとってもセンスのある映画博物館。
トリノに行ったのならここははずせない、と強く思った。

[ イタリア、トリノにて ] 2001年 8月21日
旅 280日目

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 度肝を抜くエレベーター
tower 『エレベーター』とは、四面を壁に囲われた空間で上下する箱のこと。
大抵、箱の中から外の景色は見えない。
そのおかげで高さを実感することもなく、安心して乗ることができる。

トリノ、映画博物館。
建物の最上階にある展望台へ行くエレベーターはそんなエレベーターの常識を覆すものだった。

巨大な建物の中をくりぬいた『だだっぴろい空間のど真ん中』を
『4面ガラス張り』のエレベーターが上下するのだ。 (写真 : 右)

巨大な空間に宙ブラリ状態のエレベーター。
箱の側面が壁にくっついていないことで、安定感がないように思えてしまう。

宙ブラリ状態を強調するかの様に、4面ガラス張りなので、箱の外(=建物の中)がよく見える。
映画博物館最下部、リクライニングエリアからエレベーターが上下する様がよく見えた。

せっかくなので、乗ってみた。
エレベーターが上がるにつれ、地面がどんどん遠くなる様子がよくわかる。
巨大な空間内で高さをものすごく実感させられた。

目に見える高さと壁に囲われていない宙ブラリの不安定さ。
エレベーターに乗りなれているはず、高所恐怖症で『ない』自分にもこのエレベーターはかなり怖かった。
「(もし、頭上のロープが切れたら…)」
想像してはいけないことを、つい想像してしまう…。


高い建物がほとんどないトリノの街。
碁盤の目状の街の美しい夕暮れを展望台から存分に楽しむことが出来た。
「………げ、そういえば…。」
あのエレベーターでしか降りる方法がないのかと思うと、気が滅入った…。

[ イタリア、トリノにて ] 2001年 8月21日
旅 280日目

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 さらば、イタリア!
トリノから列車で南下。
車窓から山の斜面にまとまって作られた小さな町が見えた。
ファンタジー映画やゲームの舞台にでもなりそうな、なんとも幻想的な風景。
「…いつか、あの名前もわからない町に行ってみたい!」
そう思うほど、魅力的に見えた。
イタリアにもまだまだ知らない場所がたくさんあることを思い知らされる。

列車はさらにイタリアを南下。
目指す駅は地中海沿いの町、ヴェンティミリア。
そこで列車を乗り換え、西へ向かうつもりでいた。

あらかじめ調べておいた時刻表によると、次の駅での乗り換え時間は7分しかない!
この列車は何番ホームに入るのか?
次の列車は何番ホームから出るのか?
それらを瞬時に把握し、うまく乗り換えなくてはならない。
車窓からの景色を楽しみつつ、次の試練に少し緊張気味でいた。

列車はほぼ予定通り、ヴェンティミリアに到着した。
たぶん、ここはイタリアとフランスの国境の町。
次の列車に乗れば、大好きなイタリアともとうとうお別れだ。

歴史、文化、風景、建物、食べ物、言葉、そして、人々…。
来る度いろいろな魅力をみせてくれる国、イタリア。
思い入れのある国を去るとなると、なんだかちょっぴりさびしい気分になった。

[ イタリア、ヴェンティミリアにて ] 2001年 8月23日
旅 282日目

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 モナコ、突入!
地中海沿いイタリア西端の駅=ヴェンティミリア。
7分しかない乗り継ぎ時間をなんとかこなし、無事に次の列車を乗ることができた。

そしていよいよイタリアを出国。
車窓には約2ヶ月ぶりの地中海が見えた。
夏の地中海は一段と輝いて見える。

列車は約30分でモンテカルロ駅に到着した。
この旅の第33カ国目、モナコ公国に入国である。
この旅で訪れた2つめの公国、そして、この旅で訪れた一番小さい国。

「すげぇ!!」
駅は山をくりぬいたトンネルの一部に作られていて、ものすごくきれいだった。
エスカレーター、動く歩道、キックボード。
これらを使っても、トンネルの内部から駅の外=地表へ出るまでに時間がものすごくかかった。
「おお! カウンタックだ!」
駅を出るといきなり真っ赤なスポーツカー=ランボルギーニ・カウンタックが目の前を走っていった。
さすがモナコ!
早くも金持ちの国というイメージ通りの景色に出会えてしまった。
小さい頃憧れたスポーツカーを見たことで、なんだかものすごくワクワクする自分がいた。

[ モナコにて ] 2001年 8月23日
旅 282日目

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 頭に流れるBGM
山道が多く、すべての場所で使えるというわけではないが、モナコの町をキックボードで走りまくる。
テレビのCMや旅番組でよく見かけるモナコのマリーナにやってきた。

モナコ
 ♪Today is another day....

ZARDのアルバムのタイトル曲が頭の中で無限ループで繰り返される。
と、言うのもこの景色がそのアルバムのジャケットに使われているのだ。
たったそれだけの理由でその一曲がこんなにも頭にこびりついて離れない。

 ♪Today is another day....

それにしても、このサビの部分しか繰り返されないところが悲しい…。


そういえば、93年にイタリアのナポリに行った時にも同じことがあった。

 ♪さんたぁ〜るぅ〜ちぃ〜あ〜
 ♪さんたぁ〜〜〜〜〜るぅ〜ちぃ〜〜〜あ〜〜〜

そう、サンタルチア港を見たとき、頭の中でこのフレーズだけが永遠と繰り返された。

2001年にアフリカに行った時は、TOTOの名曲『アフリカ』が
ロサンゼルスのサンタモニカビーチに行った時は、桜田淳子のヒット曲『サンタモニカの風』が頭の中でBGMとして流れ続けた。
旅が3割くらい盛り上がった気になったものだ。

場所をテーマにした歌は、旅の目的になったり、旅を楽しませるものの一つになる。
 ♪Today is another day....
延々と繰り返されるこのフレーズをBGMにそう思った。

[ モナコにて ] 2001年 8月23日
旅 282日目

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 モナコでF1気分体験
モナコと言えば、F1である。
サーキットではなく、市街地をコースにしていることで有名な場所だ。
ここまで来たからはそれを見ない手はない。
泊まったユースホステルの受付でF1のコースを教えてもらい、そのあたりへ行ってみた。

「ここがスタート地点か!」
レース当日はここに轟音を響かせたマシンが一斉に並ぶはず。
そんな風景を頭の中で思い描いたら、F1ファンでなくてもなんだがうれしくなってしまう。

「そうだ!」
自分がいいモノを持っていることを思い出した。
キックボードである。
これに乗って、F1のコースを回ってみるのは楽しいのではないか?
ついでに腕時計に内蔵されてるストップウォッチでタイムを計ったらそれまた面白いのではないか!
そんなおバカことをとっさに思いついてしまった。

「スタート!」
ポールポジション…近くの歩道から銀色の小さな2輪車が勢いよく走り出した。

[ モナコにて ] 2001年 8月23日
旅 282日目

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 高級車屋外展示ショー
スタートして、緩やかな直線を右へ。
するとすぐ右折。
ここからはカジノにむけた上り坂だ。

かちゃ、かちゃ…。
のぼり坂にめっぽう弱いキックボード。
早くも折りたたんで、持ち歩く羽目になった。
全コースキックボードで走破したかったが、この坂道はキックボードでは無理だった。

ひたすら歩き続けること数十分。
「…うわぁ!!」
ベンツ、ポルシェ、BMW、ベンツ、ベンツ、フェラーリ、ポルシェ、…。
カジノ前の広場には、高級車が当たり前の様にずらーりと駐車されていた。
金持ちの皆様が愛車をここでお披露目しているのだろう。
へたなモーターショーよりよっぽどいい車をみれる気がする。

この広場で珍しい高級車を見て回る観光客も少なくない。
「そうだ!」
自分にも愛車があることを思い出した。
キックボードである。
ポルシェやフェラーリを背景に、自分の愛車の写真を1枚撮っておいた。

[ モナコにて ] 2001年 8月23日
旅 282日目

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 ヘアピンカーブに挑戦
カジノ前広場をすぎ、右折するとカジノ前のヘアピンカーブだ。
「おおおぉ!」
TVのF1中継でおなじみの風景なので、その場に来れたことに感動してしまう。

「そうだ!」
せっかく下り坂なので、キックボードでヘアピンカーブを体験してみよう、と思った。
さすがに車が普通に走っている車道で挑戦する勇気はなかったので、おとなしくすぐ横の歩道での挑戦。

「…あ!」
ヘアピンの向こうから歩いて上がってくる人がいた。
危険回避のため、早めにキックボードから降り、その人たちをやりすごした。
しかし、すでにヘアピンの真ん中あたりまで来てしまっていた。

このまま降りていってしまうのは、なんだか不完全燃焼だ。
キックボードを担いでヘアピンカーブを少し上りなおす。
そして、再び挑戦。

「…っしゃあぁー!」
今度は誰にも邪魔されず、キックボードから降りることなく、ヘアピンをクリア!

 爽 快 …!

である。

[ モナコにて ] 2001年 8月23日
旅 282日目

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 トンネルに挑戦
ヘアピンカーブから続く坂道を下りきり右折する。
「おおおぉ!」
これまたTVのF1中継でおなじみの建物の下にある道路=トンネルの入り口が見えた。

………ヒ ィィィ ィィィィ イイイ イイイイ ヨン ………!!!
ここはTVだと、トンネル内でエンジン音が反響して、F1らしさが強調されるところ。
なだらかな右カーブで、どのドライバーもスピードを思いっきり出すところだ。

………ヒ ィィィ ィィィィ イイイ イイイイ ヨン ………!!!

とてもF1のスピードにはかなわないが、自分なりに出せる精一杯のスピードでトンネルを走り抜けた!

 爽 快 …! x2!

である。

[ モナコにて ] 2001年 8月23日
旅 282日目

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 気になるラップタイム、そして…
トンネルを抜けると、キックボードにのった子供がいた。
ライバル出現?!
そう思ったのもつかの間、少年は何か探しているらしく、そのあたりをくるくる周回していた。
その後もまた一人でF1のコースをたどるキックボードでの挑戦を続けた。
シケインらしきところや、マリーナ沿いのコースをキックボードで走り続け、スタート地点に戻ってきた。

ピッ!
ストップウォッチをとめる。
コース1周のタイムは?

 46分00秒09!

自己ベストのラップタイムをたたき出した!
ベストも何も、1周しか走ったことがないのだが…。
(ちなみにF1のマシンは、コース1周を約1分21秒ほどで走り抜ける…)

なにはともあれ

 大 満 足 ! である。

タイムより何より、モナコのコースを自力で1周できたことに!

先ほどのキックボード少年とまたすれ違った。
どうやらお母さんを探していたらしく、無事に会えた様子だった。

彼もこちらに気づき、目があう。
お互い ニヤリ!
同じキックボード乗り同士、言葉のない挨拶が交わされた。
なんだかとてもいい気分になった。

[ モナコにて ] 2001年 8月23日
旅 282日目

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 なんとなく、旅の34カ国目
「…これからどこに行こう…?」
モナコで迎えた朝。
次の予定が決まらない。
行きたい場所も思い当たらなければ、したいことも特にない。

とりあえず駅へ。
モナコでしたいことはすべてしたつもりなので、とりあえず旅を進めることにした。
列車に乗り、西へ。
考えてみれば、いつの間にか旅の第34カ国目、フランスに入国していた。

思い入れもなく、なんとなく自分にとって印象のよくない国、フランス。
旅のルートの都合上入国したが、何を見たいというわけでもないことに改めて気づく。
「…これからどこに行こう…?」
ガイドブックをなんとなくめくりながら、あてのない旅が始まった。

[ フランスにて ] 2001年 8月24日
旅 283日目

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 下がる旅のテンション
列車はニースもカンヌも通り過ぎ、コートダジュールをさらに西へ。
青い空、強い日差し、きれいなビーチ。
車窓から見える夏の地中海の景色はきれいだったが、心はそれほど浮かれてはいなかった。

たどり着いた町、サンラファエル。
「…まじ?」
夏の海沿いのリゾート地だからか?
宿がいっぱいである。
なんとか宿を探し当てても法外な値段!
この町にとどまる理由など全くないので旅をさらに進めることにした。
ガイドブックに書かれていあった『トップレスビーチがある』の一文につられて、目的地を決めるべきでないことを思い知らされた…。

興味のない国であてもなくさまようことは、なんと苦痛なことか。
久々旅のテンションが下がってくるのを感じた。

[ フランス、サンラファエルにて ] 2001年 8月24日
旅 283日目

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 気分を落ち込ます町
サンラファエルからフランスの新幹線=TGVに乗り、マルセイユを目指した。
TGVといっても、ちょっと豪華な普通列車でしかない。
新幹線の様に新幹線専用の線路の上を走るわけではなく、在来線の線路を使っているので威厳を感じられなかった。

たどり着いた町、マルセイユは人でごった返していた。
町が汚い。
ものごいがいる。
今までずっとこぎれいなヨーロッパを渡り歩いてきたので、こんな町にちょっと戸惑う。
ヨーロッパというより、貧しいアジアの国にたどり着いた気分だった。
それも人の温かみのない…。

思い返せば、アジアの国々はたいてい英語が通じた。
そして、道を聞けば、親切に答えてくれることが多かった。
今まで訪れたヨーロッパの国々でも大抵そうだった。
なのに、なんだ?
この町は?
「僕はその道をしらないよ。じゃ。」
「さぁ、それ、どこだろね。」
誰に道を聞いてもものすごくそっけない。
困っている旅人を助けようとする気持ちが全くかんじられない!

いるだけで、気分を落ち込ます町。
着いた瞬間にそんなことを思わされた。

[ フランス、マルセイユにて ] 2001年 8月24日
旅 283日目

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 町の英雄、世界のジダン
次の日、キックボードで町を散策。
平地が多く、走りやすい町。
歩いては行けない様な町から少し離れた場所まで走りまくる。

「…!」
建物の壁一面にフランスのサッカー選手、ジダンのどデカい広告があった。
『Made in Marseille』と書かれた adidas の広告。
この町のほこりなんだろうなぁ、と見て取れる。

自分の生まれた町に自分のどでかい顔写真があったら、どんな気分だろう?
こっぱずかしい?
ほこらしい?
ジダンのバカデカい顔を見ながら、そんなことをぼんやり思った。

そういや、ジダンって生年月日が全く同じだったな、なんてこともぼんやり思った。
一方は世界の超有名サッカー選手。
一方はのらりくらり世界を旅する浪夢人。
明らかに自分がジダンより勝っていることは、頭頂部の毛の量。
そんなことを比べて勝ち誇ってる自分がかわいく思えた…。

[ フランス、マルセイユにて ] 2001年 8月25日
旅 284日目

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 バイザー、スられる!
凱旋門、港、丘の上の教会。
マルセイユの町を一通りなんとなく見て周り、宿に戻る途中に市場に足を踏み入れた。

 ひょい…

「…???!」
背負っていたバックパックが背後で上に引っ張られた。
かばんのポケットに差し込んでおいた水を抜き取られたのだろうか?
すぐかばんをチェックするが別に変わったところはない。

「…まてよ!」
1分後、再びかばんをチェックする。

ない!
『バイザー』がない!

『バイザー』とは、ハンドスプリング社のPDA=携帯型情報端末。
簡単に言えば、手の平サイズのコンピュータ。
いつでもどこでも熱い思いをすぐ書き留められるようにと、これに旅の日記や思ったこと、アイデアなど書き溜めていた。

かばんの隅々まで探すも、ないものはない。
もしかしたら、今日は宿に置いてきたのではないか、と都合よく考えてみた。
しかし、さっき景色を見て思ったことを『バイザー』に書き留めたことを思い出した。

「…まじかよ!」
よく見ると、かばんのチャックが開いていた。
と、いうより、閉めたはずのチャックがバカになって、ひらいていたのだ。
そこに入れてあった黒いバイザーをスリは財布と思ったのだろう。
後ろから忍び寄り、タイミングを見計らってバイザーを盗んでいったのだ…。

まわりをみまわしても、人が多くて、誰が盗んだのかなどさっぱりわからない…。
この状況を冷静に受け止め、すぐにあきらめた…。

それにしても、いたい…。
これは、いたい…。

『13日の金曜日事件』でパスポートや現金、カメラといった貴重品をごっそり盗られた。
旅をすすめるのに支障をきたすものばかりだったが、バイザーや旅の絵日記などを盗まれなかったことに胸をなでおろしたものだ。
しかし、今回はそのバイザーが盗まれた!
貴重品を失うより、こっちの方が数百倍いたい!

なにせ、色々なアイデア、そして9か月分の旅の思い出を持っていかれてしまったからだ!

盗んだヤツも財布でなく日本語表示のコンピュータと知ってガッカリだろう…。
盗むなよ、お前にとってぜんぜん価値のないものをさ…。

いたすぎる盗まれたもの…。
おもいっきり落ち込んだ…。
なんとなく嫌いだったフランスだが、確実に嫌いになれそうだ。

[ フランス、マルセイユにて ] 2001年 8月25日
旅 284日目

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 旅の4大被害…
 1)マレーシア、クアラルンプールにて、全身をダニに食われる。
 2)ポーランド、クラクフにて、貴重品をごっそり盗られる。
 3)オーストリア、ハルシュタットにて、ダニに食われる。
 4)フランス、マルセイユにて、PDAを盗まれる。
世界一周中にくらった素晴らしい数々の被害…

体調に悪影響を及ぼすもの。
旅を続けるのに支障をきたすもの。
どちらもかなり気分を落ち込ませる。

日記といった旅の貴重な思い出を盗られることもかなりへこむ。
天災ならまだ仕方ないと思えるが、こういった人災は本当に腹がたつ。
全く必要のない犯罪、どうにかなくならないものか?!

[ フランス、マルセイユにて ] 2001年 8月25日
旅 284日目

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 後悔転じて怒りと化す
市場でスラれたバイザー。
盗まれたものは返ってこない…。
そうわかっていても、一応警察へ被害届けを出しにいく。

待たされ、待たされ、やっとめぐってきた自分の順番。
「#$■*☆#K♪△*●+…。」
当たり前と言えば当たり前だが、フランスの警官はフランス語を話す。
しかし、自分は全くフランス語がわからない…。

『13金事件』が起こったポーランドといい、ここマルセイユといい、どうして自分は英語が通じない場所で被害にあうのだろうか?
自分の身をのろいつつ、通じそうな単語とジェスチャーで被害届けを作ってもらった。
…それにしても、盗まれたものは自分にとって、あまりにも痛すぎるものだ…。
 かばんのチェックのしまり具合をしっかり確認すればよかった…。
 用もないのに、人ごみの多い市場になんて行かなければよかった…。
 目的もないのに、マルセイユなんて来なければよかった…。
 好きでもないのにフランスなんて来なければよかった…。
悔やんでも仕方ないのだが、色々あぁすればよかったと思ってしまう…。

いやいや!
スリがバイザーを盗まなければ何の問題もなかったはずだ!
こんな気持ちになることもなかったはず!
悪いのは全てスリだ!
それだけは事実だ。

[ フランス、マルセイユにて ] 2001年 8月25日
旅 284日目

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 無駄な作業
白昼、人ごみの市場でスられたバイザー(携帯型情報端末)。
本体価格は2万円くらいだが、そんな価値より中に書き溜めた旅の思い出がなくなってしまったのがものすごくいたい…。
いたくて、いたくて、たまらない…。

 :
 :
 :
なくなってしまったものをいつまで悔やんでも仕方がない。
気持ちを切り替え、近くのスーパーでノートを買ってきて、思い出せることは早いうちにすべて書き出すことにした。

 ●日記(どこへ行き、何をしたか、何を感じたか)
 ●感想(ふと思ったことを書き留めた文章)

他に何をバイザーに書きとめておいただろう?
9か月分の気持ちを思い出すのは簡単でない。

 ●アイデア(何かをみて、考え出したアイデア)
 ●各国滞在データ(為替、滞在日数、小遣い帳、簡単な言葉)
 ●………

 :
 :
 :
 :
全部思い出せただろうか?

感動したその時書いた文章は今書いたって、その何十分の一の気持ちしか残らない。
いや、それ以下のものかもしれない…。
それでも、今、思い出せるものを思い出せるうちに書いておかなければ。
次の日も旅を進めることはせず、マルセイユの宿にとどまり、今までバイザーに書き留めておいたことをできる限り思い出そうとした。

1度書いた文書を再び書き起こす。
…おそろしいほど無駄な作業だ。
スリが人の思い出を持っていくから、こんなことをする羽目になった…。
まったく腹立たしいことこの上ない!
フランス嫌いに拍車がかかった。

[ フランス、マルセイユにて ] 2001年 8月26日
旅 285日目

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 マルセイユのくそガキたち
ずっと宿にこもりっきりで作業しているのも息苦しい。
それに腹も減る。
ということで近くのマクドナルドへ昼飯を食べに行くことに。

店に入り、いきなり驚かされた。
ストリートチルドレンだろうか?
10才くらいのくつもはかない貧しい子供たちがいたからだ。
ヨーロッパを放浪してきてこういった子供たちをほとんど見かけなかったということ。
そして、天下のマクドナルドがそういった子供たちを店内に入れていることにとにかく驚かされた。

その子供の一人が何やら早口フランス語で話しかけてくる。
無視して、ストローやペーパーナプキンを取ろうとした時である。
「…?」
顔に何か軽く当たったような気がした。
「…!」
つづけてまた何か当たった。
まわりを見渡すと、別の子供がストローを包む白い袋を吹き矢の様に自分めがけて吹き飛ばしていたのだ。

つかまえようとすると、すばやく逃げる。
無視しようとすると、またストロー袋を遠くから当ててくる。

ただ大人をからかっているのだろうか?
東洋人をバカにしているのだろうか?
どちらにしろ、ここマルセイユでバイザーをすられ、へこんだ自分の堪忍袋の緒はすぐ切れた!
これ以上ないというくらい、怒りが体の奥底からぐつぐつと煮立ってきた!
全身の毛が逆立つ感覚というのを初めて味わった!

状況に気づいた店員が子供らを追い払って事態は収拾した。

しかし、『もし』自分が子供をつかまえていたら…。
理性を失い、確実にこのくそガキどもを思いっきりボコボコに殴り倒していただろう。
店員がこなかったら、傷害事件の加害者になっていたかもしれない。
それほど、バイザーをスられ、へこみ、無駄な復旧作業にうんざりし、頭にきていた。

それにしても、むかつくマルセイユのくそガキたち。
フランスにもいいところがいっぱいあるのだろう。
しかし、マルセイユの『スリ』と『くそガキども』のおかげでフランス嫌いがゆるぎないものになった。

[ フランス、マルセイユにて ] 2001年 8月26日
旅 285日目

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 続く不幸…
いろいろ嫌なことが続いたが、気分を変えようと、インターネットカフェを目指した。
「…………。」
日曜日で店が閉まっていた…。

気分を変えようとスーパーにバナナや水を買いに行った。
「…………。」
日曜日で店が閉まっていた…。

「………ははは…。」
ここまで縦続けに嫌なこと、不愉快なことが続くと笑うしかなくなってくる。
…しかし、立ち直るのは、かなり先になるような気がした。

[ フランス、マルセイユにて ] 2001年 8月26日
旅 285日目

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 弱気な心
宿に戻り、失った文章の復旧作業をしつつ、ぼんやりこの先の旅のことを考える。

リスボン、サンパウロ、ブエノスアイレス、…。
これから行く予定の場所はどこも治安が悪いと聞く。

「……もう、見たい場所だけとっとと行って、帰国しよう……。」
そんな風に弱気になる自分がいた。

夢の世界一周。
世界中をめぐって、楽しいことばかりの様なイメージ。
しかし、達成までの道のりは穏やかでないことに改めて気づかされた…。

[ フランス、マルセイユにて ] 2001年 8月26日
旅 285日目

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 加速するフランス人不信
スラれたバイザーの復旧作業を終え、旅を続ける。
世界遺産の町、カルカッソンヌへたどり着いた。
観光地と思われたが人も少なく穏やかで静かな町だ。

いつものように、でかいバックパックを背負い、キックボードに乗り宿探しを開始。
一軒目のホテルは値段がおりあわず、遠慮させてもらう。

暑い中、キックボードであちこちホテルを探す際、でかく重いバックパックはただの足かせにすぎない。
「…あとで取りにくるので、これをちょっと預かっていてもらえませんか?」
ずうずうしいのだが、こういったホテルでバックパックを置かせてもらうことを旅の知恵として身に着けていた。

ギリシャ、ポーランド、ドイツ、イタリア…。
今まで訪れたヨーロッパの国々では、大抵、快く荷物を預かってくれた。
だから、フランスのホテルでもこのサービスを普通にしてくれると思っていた。

「宿泊客でない、あなたの荷物をなんで預からなくちゃならないの?」
「………!」
予想外な返答に驚いた。

このホテルの言い分もごもっともだが、冷たくも感じられた。
大きな荷物を抱え宿を探す旅人の事情くらい、ホテルの人ならわかるだろう?
「…フランス人に心はないのか?!」
『スリ』、『くそガキども』、そして『すてきなフロント』…。
フランス人不信はさらに加速する。

[ フランス、カルカッソンヌにて ] 2001年 8月27日
旅 286日目

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 旅の目的、1つ達成!
世界遺産の城=カルカッソンヌ。
世界遺産の運河=ミディを見た。
これでこの旅で訪れた世界遺産の数は55個になった。

 1年間(=52週間)の旅で、週1ペース以上で世界遺産を見る

いつのまにか、旅のはじめにたてた目標を1つ達成していた。

『週1ペース以上で世界遺産を見る』というのは、毎週日曜深夜のTV番組『世界遺産』に小さな対抗心を燃やしていたから。
TV番組以上のことを!となんとなく思っていたからたてた目的である。

1日に2つの遺産をまわったり、6日連続で遺産を見て回ったりすることもあった。
旅のルートを作る際、世界遺産がある場所を結んで行ったりもした。
いわば必然ともいえるこの目的達成だが、287日もかかったことを考えるとたやすい道のりじゃなかったんだなぁ、なんて思う。

これで、いつ世界遺産のナレーションの依頼が来ても困らないだろう。

[ フランス、カルカッソンヌにて ] 2001年 8月28日
旅 287日目

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 フランスでの最後の出会い
カルカッソンヌで泊まった宿。
「朝食はそこのカフェで7:00からだよ。」
「フランス語、知ってるのかい?」
フロントの初老の男性は英語も話せ、親切な人だった。

カルカッソンヌの町が静かなせいか、この宿も静かでリラックスできた。

「よい旅をね!」
カルカッソンヌを旅立つ時、フロントのじいさまは親切に見送ってくれた。
「…メルシー!」
知りうる限りのフランス語をつかって心からお礼を言った。
「…フランスにもいい人がいるんだ…。」
最後にほんのちょっとだけいい思い出をもらえた気がした。

数々の試練を受け、いよいよフランスを旅立つ。
旅は、さらに西へ…。

[ フランス、カルカッソンヌにて ] 2001年 8月29日
旅 288日目

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ひとりごと<その1>へ
出発(日本)〜タイ

ひとりごと<その2>へ
タイ〜カンボジア

ひとりごと<その3>へ
カンボジア〜中国

ひとりごと<その4>へ
中国

ひとりごと<その5>へ
ネパール〜インド

ひとりごと<その6>へ
インド、パキスタン

ひとりごと<その7>へ
バングラデッシュ〜ミャンマー

ひとりごと<その8>へ
タイ(3)〜U.A.E.

ひとりごと<その9>へ
トルコ〜

ひとりごと<その10>へ
トルコ〜シリア

ひとりごと<その11>へ
シリア

ひとりごと<その12>へ
レバノン〜エジプト

ひとりごと<その13>へ
ギリシャ〜ボスニア

ひとりごと<その14>へ
クロアチア〜チェコ

ひとりごと<その15>へ
ポーランド

ひとりごと<その16>へ
ポーランド〜オーストリア

ひとりごと<その17>へ
オーストリア〜ドイツ

ひとりごと<その18>へ
ドイツ〜スイス

ひとりごと<その20>へ
スペイン

ひとりごと<その21>へ
ポルトガル

ひとりごと<その22>へ
ブラジル1

ひとりごと<その23>へ
ブラジル2

ひとりごと<その24>へ
ブラジル3

ひとりごと<その25>へ
ブラジル4

ひとりごと<その26>へ
アルゼンチン1

ひとりごと<その27>へ
アルゼンチン2

ひとりごと<その28>へ
アルゼンチン3〜アメリカ

ひとりごと<その29>へ
〜日本



 世界一周旅行、ひとりごと その19 ー目次ー  
この旅2度目のイタリア (2003/ 8/ 05 更新) ………1つの国の南北差を実感(2001/ 8/ 19、アオスタ)

ガイドブックからの脅迫状 (2003/ 8/ 05 更新) ………町を発見する楽しみ(2001/ 8/ 20、アオスタ)

グラッパ専門店 (2003/ 8/ 05 更新) ………思い出される8年前の悪夢(2001/ 8/ 20、アオスタ)

列車の切符でバスに乗る(2003/ 8/ 05 更新) ………不思議な体験(2001/ 8/ 21、アオスタ)

トリノとキックボード その1(2003/ 8/ 05 更新) ………意外な話題のきっかけ(2001/ 8/ 21、トリノ)

イタリアでメガネを新調 (2003/ 8/ 05 更新) ………おしゃれの国で新しいメガネを!(2001/ 8/ 22、トリノ)

トリノとキックボード その2 (2003/ 8/ 05 更新) ………トリノのイメージ(2001/ 8/ 21、トリノ)

最高の映画博物館 (2003/ 8/ 12 更新) ………見て、触って、感じて楽しむ最高の博物館(2001/ 8/ 21、トリノ)

度肝を抜くエレベーター (2003/ 8/ 12 更新) ………乗って感じるそのすごさ(2001/ 8/ 21、トリノ)

さらば、イタリア! (2003/ 8/ 12 更新) ………いよいよイタリアをあとに(2001/ 8/ 23、ヴェンティミリア)

モナコ、突入! (2003/ 8/ 19 更新) ………リッチな国へ(2001/ 8/ 23、モナコ)

頭に流れるBGM (2003/ 8/ 19 更新) ………場所にゆかりある音楽(2001/ 8/ 23、モナコ)

モナコでF1気分体験 (2003/ 8/ 19 更新) ………愛車でコースを走ることに(2001/ 8/ 23、モナコ)

高級車屋外展示ショー (2003/ 8/ 19 更新) ………フェラーリ、ポルシェ、ベンツ…(2001/ 8/ 23、モナコ)

ヘアピンカーブに挑戦 (2003/ 8/ 19 更新) ………有名なカーブを体験(2001/ 8/ 23、モナコ)

トンネルに挑戦 (2003/ 8/ 19 更新) ………有名なトンネルを通過(2001/ 8/ 23、モナコ)

気になるラップタイム、そして… (2003/ 8/ 19 更新) ………自己ベストを記録!(2001/ 8/ 23、モナコ)

なんとなく、34カ国目 (2003/ 8/ 26 更新) ………わくわくしないフランス入国(2001/ 8/ 24、フランス南東部)

下がる旅のテンション (2003/ 8/ 26 更新) ………相性の悪い?フランス(2001/ 8/ 24、サンラファエル)

気分を落ち込ます町 (2003/ 8/ 26 更新) ………雰囲気の悪い町へ…(2001/ 8/ 24、マルセイユ)

町の英雄、世界のジダン (2003/ 8/ 26 更新) ………どでかい顔写真広告を見て(2001/ 8/ 25、マルセイユ)

バイザー、スられる! (2003/ 8/ 26 更新) ………また出遭ってしまった旅の災難(2001/ 8/ 25、マルセイユ)

旅の4大被害… (2003/ 8/ 26 更新) ………被害にあって思うこと(2001/ 8/ 25、マルセイユ)

後悔転じて怒りと化す (2003/ 8/ 26 更新) ………誰が悪い?もちろんスリ!(2001/ 8/ 25、マルセイユ)

無駄な作業 (2003/ 9/ 02 更新) ………不愉快極まりない復旧作業(2001/ 8/ 26、マルセイユ)

マルセイユのくそガキたち (2003/ 9/ 02 更新) ………全身の毛が逆立つ怒り(2001/ 8/ 26、マルセイユ)

続く不幸… (2003/ 9/ 02 更新) ………泣きっ面にハチ(2001/ 8/ 26、マルセイユ)

弱気な心 (2003/ 9/ 02 更新) ………いいことがないと、どんどん弱気に…(2001/ 8/ 26、マルセイユ)

加速するフランス人不信 (2003/ 9/ 02 更新) ………予想外の返答にあきれ返る(2001/ 8/ 27、カルカッソンヌ)

旅の目的、1つ達成! (2003/ 9/ 02 更新) ………打倒、緒方直人!(2001/ 8/ 28、カルカッソンヌ)

フランスでの最後の出会い (2003/ 9/ 02 更新) ………悪い人もいれば、いい人も(2001/ 8/ 29、カルカッソンヌ)

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