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− 366日間世界一周旅行、ひとりごと <その21> −

ポルトガル

世界一周した際、思った事、感じた事、考えた事です。
重太の自由気まま、勝手ワガママな意見に触れてみて下さい。

ひとりごと<その1>へ
出発(日本)〜タイ

ひとりごと<その2>へ
タイ〜カンボジア

ひとりごと<その3>へ
カンボジア〜中国

ひとりごと<その4>へ
中国

ひとりごと<その5>へ
ネパール〜インド

ひとりごと<その6>へ
インド、パキスタン

ひとりごと<その7>へ
バングラデッシュ〜ミャンマー

ひとりごと<その8>へ
タイ(3)〜U.A.E.

ひとりごと<その9>へ
トルコ〜

ひとりごと<その10>へ
トルコ〜シリア

ひとりごと<その11>へ
シリア

ひとりごと<その12>へ
レバノン〜エジプト

ひとりごと<その13>へ
ギリシャ〜ボスニア

ひとりごと<その14>へ
クロアチア〜チェコ

ひとりごと<その15>へ
ポーランド

ひとりごと<その16>へ
ポーランド〜オーストリア

ひとりごと<その17>へ
オーストリア〜ドイツ

ひとりごと<その18>へ
ドイツ〜スイス

ひとりごと<その19>へ
イタリア(2)〜フランス

ひとりごと<その20>へ
スペイン

ひとりごと<その22>へ
ブラジル1

ひとりごと<その23>へ
ブラジル2

ひとりごと<その24>へ
ブラジル3

ひとりごと<その25>へ
ブラジル4

ひとりごと<その26>へ
アルゼンチン1

ひとりごと<その27>へ
アルゼンチン2

ひとりごと<その28>へ
アルゼンチン3〜アメリカ

ひとりごと<その29>へ
〜日本


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 旅の36ヶ国目へ
あたりはまだ暗い、朝、6:30。
スペイン北西部の都市、サンティアゴ・デ・コンポステーラを離れる。
朝日を浴びながら走る列車は、1時間半ほどで乗り換え駅、=レドンデラに到着した。

午前9:25。
国境を流れる川、ミーニョを越えた。
ついに旅の第36カ国目、ポルトガルに入国。
ここがヨーロッパ最後の訪問国となる。

1996年にマカオに行った。
当時、中国返還前だったマカオはポルトガル領。
つまり、過去にポルトガルに行った事があったのだが、本土入国はこれが初めてだ。

午前8:26になった。
スペインとポルトガルでは1時間時差があるので、時計の針を戻さなくてはならない。
『時差』とは国境や地域を東西に越える時に発生するものと思いがちだ。
なので、物理的には真南に移動したはずなのに、時差があるなんて不思議な感じがしてならない。

「…アジア移動中は頻繁に時計あわせをしたなぁ…。」
なんて思い返した。

そういえば、ヨーロッパに来てからは時差があった記憶がない…。
時計あわせをするのは、いつ以来だろう?

[ ポルトガル、国境にて ] 2001年 9月 5日
旅 295日目

この頃の世界一周旅行の日記
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 青いタイル=アズレージョ
ポルトガルに列車で入国、さらに南下を続ける。
スペインと同じイベリア半島にあるのに、ポルトガルはなんだか落ち着いた雰囲気がする。
これは、自分だけの思い込みだろうか?

「…へぇ…! きれいんだねぇ!」
停まる駅の駅名や標識は、どこも青いタイル『アズレージョ』でキレイに装飾されている。
ド派手な装飾でなく、落ち着いた青い色でさりげなく壁にうめこまれているタイル。
なんかいい感じだ。

ポルト、サン・ベント駅についた。
「…すげぇ…!!」
駅のホールの壁は全面アズレージョ。
小さな青タイル1枚1枚がパズルのようになり、壁1面で1つの大きな絵になっている。
これを見れただけで、なんだか大満足だ。

自分の中で、ポルトガルというと、アズレージョをすぐイメージする。
旅の最中、意外なものにでくわすのも面白いが、イメージ通りのものをすぐに見ることができるのも、なんだかうれしい。

[ ポルトガル、ポルトにて ] 2001年 9月 5日
旅 295日目

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 久々のTV
インフォメーションで聞いたお手ごろ価格の宿にチェックイン。
その部屋にはTVがあった。
宿を決める際、テレビは必要条件ではないのだが、あったらあったで別に文句はない。

久々テレビのスイッチを入れてみる。
リモコン片手に面白そうなものがやっていないか、探してみる。
自分の思い通りにチャンネルを変えることがなんだかとっても懐かしい。

クイズ番組や日本のアニメ(『ドラゴンボール』や『YAIBA』)をやっていた。
言語はポルトガル語。
ポルトガルでポルトガル語のTVをみるのは当たり前のことなのだが、なんだかとても新鮮に感じられた。

「そういえば、TVをじっくり見る、という生活をずっとしてないわけだもんなぁ…。」
なんて漠然と思ったりもした。

[ ポルトガル、ポルトにて ] 2001年 9月 5日
旅 295日目

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 後悔のない人生に…
キックボードを持ち出し町を散策してみた。

日差しが強く、少し暑いポルト。
坂が多くキックボードはたたんで肩に背負ったまま。

郵便局でスペイン滞在日記を書いた『自分へのハガキ』を投函した。
このハガキももう40枚近くになっているはずだ。
帰国後、すべてを並べてみるのが待ち遠しい。

次の訪問予定国、ブラジルに行くにはビザ(査証)が必要だ。
そのビザ用に証明写真を町の写真屋さんで撮影。
ほか、たまったフィルムを現像したりと、静かな町を歩き、ちゃくちゃくと事務処理をこなしていたその時だ。

 …ドン!

ちょっと先からなにやらにぶい音が聞こえた。
その周辺に一気に人が集まり始める。
「…なんだろう?」
そこに行ってみると、中年男性が一人、路上で倒れていた。
横にはワゴン車が停まっていた。

そう、交通事故のようだった。
道を横切ろうとした男性が走ってきたワゴン車に引かれたらしい。
一瞬の油断が引き起こす悲劇。

「アイ…、アイ…」
泣き崩れる中年の女性。
どうやら、事故にあった男性の奥さんのようだ。

「なんてことをしちまったんだ!」
ワゴン車の運転手は頭をかかえ、うろたえる…。
介護する人、奥さんをはげます人、電話で救急車を呼ぶ人、まわりでそれを見る野次馬たち…。
一つの事故に関わる色んな人間模様がそこには繰り広げられていた。

しばらくしてから救急車がつき、男性をのせ、病院へ向かった。

自分は加害者でも被害者でもない。
しかし、目の前で起こった事故を見て、なんだか、命の大切さ、運命のはかなさをものすごく考えさせられた。

いつ、どこで、どんな不幸がおとずれるか、わかったものではない。
「…いつ、何が起こってもいいように生きよう。」
そんな風に改めて思わされた出来事だった。

[ ポルトガル、ポルトにて ] 2001年 9月 5日
旅 295日目

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 センチメンタルな朝
翌日、9月6日。
「…今日は、9月6日か…。 …アメリカ留学開始からもう12年か…。」
そんなことを思いながら目覚めた。

高校生の時、右も左もわからず、とびこんだアメリカ社会。
そこで、異文化にふれ、英語を学び、多くの友達を作った。
そして今、その経験が、この世界一周の旅につながり、生かされている。

静かな町並みが、こんな旅情にひたらせるのだろうか?
妙に落ち着いた気分で一昔前の自分のルーツを思い出す朝となった。

[ ポルトガル、ポルトにて ] 2001年 9月 6日
旅 296日目

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 完璧に見える不完全
世界遺産の町、ポルトを散策。
宮殿、聖堂、広場、市庁舎、…。
町のあちこちに点在する世界遺産には『世界遺産』であることを示す標識がたっている。
それを探すのが楽しく、見つけるとうれしい。

商業組合の建物として建てられた訪れたボルサ宮。
「…………すげぇぇー。」
『アラブの間』という部屋に入るなり、度肝をぬかれた。

部屋の壁、ゆか、天井全面にイスラム建築を思わせる幾何学模様が施されているのだ。
幾重にもかさなる線、永遠に繰り返される模様。
その緻密さ、精密さのすごさといったら…。
スペインのアルハンブラ宮殿を手本にしたというが、こちらのほうが完成度が高い!
完璧だ!

「完璧ではないんですよ。」
ガイドさんが話し始めた。
「この世で完璧なのはアラーの神だけなのです。よって、この部屋も左右対称に見えますが、中心線がちょっとずれているのですよ。」
なるほど、言われないと気づかないほどだが、床が全体的に少しずれて造られている。

緻密な模様、『ほぼ』完璧な部屋の造り。
すばらしい部屋を見ることができ、ちょっとしたうんちくを知ることができ、なんだかかなり満足した。

[ ポルトガル、ポルトにて ] 2001年 9月 6日
旅 296日目

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 ワインの町、ポルト
ポルトといえば、ワインで有名らしい。
ここに来るまで知らなかった。
知らないことが多い、と改めて気づかされる旅である。

そんなポルトにはワイン工場がたくさんあり、見学することができる。
薄暗い部屋に無数にならぶ巨大なワインの樽。
そこで製造工程をガイドしてもらえる。

最後には販売目的?の試飲コーナーがあり、見学者に赤や白のワインが振舞われる。
ただで飲める、おいしいワインに大喜び。

調子にのって、何杯もワインを飲んだせいか?
赤と白をチャンコにしたせいか?
それとも、昼に食べたポルト名産のイワシがあたったのか?
夕方からゲップがとまらなくなってしまった…。

『ゲップがとまらなかった町』。
自分の体験からその町のイメージや思い出が残ってしまうことも少なくない、なんて思った。

[ ポルトガル、ポルトにて ] 2001年 9月 6日
旅 296日目

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 世界最古の大学の図書館
意外に知識がない、ポルトガルという国。
観光地や町の名前をほとんど知らない…。
最終目的地、リスボンまで、もう1つ2つ町によってみたいのだが、どこへ行けばいいのやら?

ルート的にちょうど良さそうなので、途中の『コインブラ』という町へ行くことにした。

コインブラといえば、世界最古の大学のひとつとして有名らしい。
…それも、ここに来るまで知らなかった。

その有名な大学にある、これまた有名らしい『図書館』を訪れてみた。
入場料が必要で、入場人数制限のある図書館。
(入場料500エスクード=約270円。マックのセットが700エスクード。)
それも、何かを調べるためでなく、観光として内部を見るためだけに…。
なんて傲慢な図書館なんだろう、と思った。

身長の4〜5倍もある正面の扉で待つこと数十分。
順番が来て、中へ足を踏み入れる。
「…………すげぇぇー。」
歴史を感じさせる壁全面を覆う本棚。
そこにおさめられた無数の本、本、本…。
一目でここが『知識の宝庫』であることに納得させられる。

本の隅から隅まで調べたら、歴史的発見!なんて情報がいくつか出てきそうだ。
しかし、この図書館では本に触れることも、本棚に近づくことすらできない。
歴史的に価値のあるものばかりなのだろうから、仕方がないのだが、 狭い図書館内で本の背表紙と本棚を見るだけの観光というのは、かなりもの足りない…。

「はい、退場してください。」
入場して5分ほど経過した頃、係りの人が叫んだ。
やっぱり、なんて傲慢な図書館なんだろう、と思った。

[ ポルトガル、コインブラにて ] 2001年 9月 8日
旅 298日目

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 コインブラ散策
キックボードを走らせ、コインブラを散策。

サンタ・クララ橋を渡り『ミニ・ポルトガル』へ。
ポルトガルの名所らしき建物のミニチュアがたくさんあるポルトガル版ワールドスクウェアだった。
しかし、根本的にポルトガルの知識がないので、それらを見てもよくわからない…。
あまり楽しめない…。

さらにキックボードを走らせ、『涙の館』へ。
ゴルフの打ちっぱなし場の向こうに緑に囲まれた泉があった。

「ここでイネスがのどを切られて殺されたんだよ。」
そうは言われても、全く何もピンとこない。
「…イネスって誰?」

ポルトガルのことをほとんど知らないな、と改めて気づかされる。
落ち着いた雰囲気でいい人が多いポルトガル。
好きな国なのに、自分の知識不足で楽しみきれていない旅になってしまっている。
なんだか、ちょっともったいない気分がした。


イネス・デ・カストロ(1320?〜1355) : ポルトガル国王=ペドロ1世の王妃。

ペドロ1世は貴族の娘=コンスタンサとの結婚が決まったが、彼女に付き従う女官=イネスに恋してしまう。
ペドロ1世は隠れてイネスと会う日々が続くが、やむなくコンスタンサと結婚。
二人の間にフェルナンド王子が生まれるが、コンスタンサは出産後若くして他界してしまう。
その後、ペドロ一世はイネスとの愛に生きるも、周囲からは反対の声が。
父=アルフォンソ4世の重臣が「イネスの一族がフェルナンド王子に危害を加えるかもしれない」とペドロ1世の留守中、イネスを殺害する。

アルフォンソ4世の死後、国王に即位したペドロ1世はイネスを殺害した暗殺者たちを探し出し処刑。
…そして、ペドロ1世の戴冠式にて。
新しい国王は、イネスの墓を堀り起こし、その腐敗した死体を王妃の席に座らせた。

[ ポルトガル、コインブラにて ] 2001年 9月 7日
旅 297日目

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 ちょっぴりうれしいネットカフェ
『ゲイターをさがせ』のページ、アップされてないね。」
数人の友人からメールが届いた。

旅の間に見たものや感じたことを簡単な文章で、ほぼリアルタイムに更新していたページ『ゲイターをさがせ』。
自分としても日々の感動をできるだけ早く記録しておきたいのだが、そうもいかない。
ヨーロッパでは日本語を読めても、書けるインターネットカフェが少ないのだ。

今まではそれなりに更新できていた。
それだけに、ここ数週間更新できなかったので、旅の心配をしてもらっているようだ。

………なんでもいい。
こういったちょっとしたことでもメールが来るのはうれしい。
がんばって旅を続けよう、という気にさせてくれる。

・日本語をうてるネットカフェが少ないこと。
・いろいろ些細なトラブルもあるが、旅を続けるのには問題はないこと。
読みにくいだろうが、ローマ字でメールをくれた友達に旅の報告をたっぷりさせてもらう。
メールをもらい、旅の報告ができ、いい気分でインターネットカフェを後にした。

[ ポルトガル、コインブラにて ] 2001年 9月 8日
旅 298日目

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 ヨーロッパの旅の終点
コインブラから列車で南下。
乗換えをし、約2時間半後にリスボンに到着した。
そう、ここがこの旅のヨーロッパでの最終目的地だ!

『13金事件』の後処理のため、ワルシャワで過ごした2週間。

 『リスボンまで2633km』

町中でこの標識をみた時、ヨーロッパの最終目的地は 永遠にたどりつけないくらい、はるか遠い場所に感じられた。

それから1ヵ月半かけ、ようやくここ、リスボンにたどり着いた。
「…よっしゃ!」
目的達成、旅のひとつの大きな区切りに気持ちは盛り上がった。

[ ポルトガル、リスボンにて ] 2001年 9月 9日
旅 299日目

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 気合いの入るリスボン滞在
 ・VARIG=ブラジル航空のオフィスの場所。
 ・インターネットカフェの場所。
 ・ホテル、空港への行き方。
 ・リスボンの観光名所の場所、そこへの行き方。

リスボンのインフォメーションオフィスで、必要な情報をまとめて集める。
「ちょっとあぶない町だから気をつけてね。」
インフォメーションを去る時、そういわれた。

確かにマックにストリートチルドレンっぽい子供がいた。
数週間前にあったばかりのいやぁーな思い出がよみがえる…。

「…ここは、気をひきしめねば!」
ヨーロッパの旅を無事に締めくくるため。
元気に新大陸へ向かうため、無用なトラブルは是非避けたい。

・貴重品は肌身離さず。
・あぶなそうな場所には近づかない。
・夜は明るい場所にしか行かない。
かなり気合いの入ったリスボン滞在が始まった。

[ ポルトガル、リスボンにて ] 2001年 9月 9日
旅 299日目

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 ヨーロッパを去る準備
次の日の朝、ブラジル大使館へ。

まずは、悪いニュースから。
「15000エスクード(=7500円)です。」
「…えええぇ!!」
ブラジルのビザ代の高いこと!
アジア放浪時、ビザ代は高くても数千円だった。
パキスタンのビザ代はタダだった!
だからこそ、このビザ代にはたまげずにいられなかった。

そして、良いニュース。
ビザはたった1日で発行されるとのこと。
これで次の目的地、ブラジルへ旅立つ日を自分で決めることができる。
アジア放浪時、ビザ発給待ちで数週間1つの町にすることもなく足止めされることもあった。
旅をすすめられない状況にずいぶん歯がゆい思いをしたものだった。

リスボン周辺を観光するのに必要な日程を計算して、ブラジルへ旅立つ日を9月13日と決めた。
さっそくヴァリグ=ブラジル航空のオフィスに行き、フライトをおさえた。
サンパウロに住むリサにメールでその旨を伝えた。
着々とヨーロッパを去る準備をしている。
すべきことをこなし、なんだか、いい気持ちだった。

[ ポルトガル、リスボンにて ] 2001年 9月 10日
旅 300日目

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 祝!旅、300日、経過!
2000年11月15日に旅立ったこの旅も、300日が経過した。
日々、旅の自己最長記録を更新中。
ヨーロッパ最終地で、とりあえず一人で祝福気分。

各地でいらなくなったTシャツやトレーナーやセーターを捨て、
3ヶ月に1度帽子を変え、
36カ国、137都市以上、世界遺産を58箇所、五輪開催地7箇所を訪れ、 いろいろトラブルもあったこの旅…。

その旅も、いよいよ残りあと65日!(くらい)
旅のおわりを意識することも増えてきたが、これからも旅を無事に続けていき、 なんとか夢の世界一周を達成したい!!

「ポーランドでパスポートがみつかった。」
とメールが入った!
なくなったものが見つかるって、うれしい!
旅の300日経過を祝うかのような知らせだった。

[ ポルトガル、リスボンにて ] 2001年 9月 10日
旅 300日目

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 リスボン散策
キックボードを抱え、市電にのり、リスボンを散策。
『べレンの塔』や『ジェロニモス修道院』といった世界遺産をめぐる。

ヴァスコ・ダ・ガマの棺がそこにはあった。
「歴史の教科書で読んだ世界的な有名人がほんの50cm先にいるよ!」
そう思えば思うほど、なんだか不思議な気持ちになっていった。

テージョ河畔にたつ、巨大な白い『発見のモニュメント』。
これはTVや写真でも見たことのある、自分も知っているポルトガルの観光名所。
直に見ることができて、大満足だ。

「……うぅ…。(……ゲッ)」
昼にマクドナルドで食べた『マック・リブ』が胃にもたれている。
またもやゲップのとまらない、気持ち悪い事態になってしまった…。

ホテルのテレビのない部屋に戻る。
夜になっても、ゲップはおさまらない。
夕食などとても食べる気になれなかった。
その夜はそのまま部屋から出ることもなく、何をするわけでもなく、ベッドの上で一人、もがき苦しんでいた。

アメリカで世界を震撼させる大事件が起こっていたことなど、つゆ知らずに…。

[ ポルトガル、リスボンにて ] 2001年 9月 11日
旅 301日目

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 衝撃映像
2001年、9月12日、朝、9:00(ポルトガル時間)。
昨日もがき苦しまされた『マック・リブ』は、ゆっくり一晩かけ、やっと消化されたようだった。

食欲も戻り、普通にホテルで朝食を取る。
その後、予定通り郵便局で荷物を出してから、観光へ出かけようと部屋に戻ろうとした時だ。
ホテルのテレビのある部屋に、大勢の人だかりがあるのを見つけた。

「…? なんだ?」
ちょっと気になり画面を覗き込んでみる。

「…うわ! なんだ、これ!!!」
ニューヨークのワールドトレードセンタービルから黒い煙が出ているではないか!!

最初、爆弾テロがあったのだと思った。
「(あの階を作り直すの、大変そうだなぁ…)」
まだ、事件の全貌、結果をしらない自分はのんきにそんな事を思った。

「…ボム?(爆弾?)」
近くにいるおばあさんに聞いてみた。
早口のポルトガル語でしきりに何か説明してくれたが、何を言っているのか全くわからない。

クエスチョンマークだらけの顔をしていたら、そのおばあさんは一言『日本語』でこう言った。

「カ ミ カァ〜 ゼ!」

なるほど、爆弾テロではなく、飛行機がビルに突っ込んだのか!
事件の一端をやっと知ることができた。
そして、カミカゼという日本語が、こんなポルトガルにも浸透していることにビックリした。

[ ポルトガル、リスボンにて ] 2001年 9月 12日
旅 302日目

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 何もわからない大事件の状況
飛行機がビルにつっこんだことはわかった。
…にしても、誰が、なんのために?
事故なのか?
それとも、テロなのか?
何もわからないまま、ただ、テレビから流れる信じられない映像に目を奪われていた。

やがて、飛行機がビルにつっこむ衝撃的な映像が流された。
「…『旅客機』?!」
…というのも、『カミカゼ』と聞いて、ビルにつっこんだのは、戦闘機かセスナか、 何か小型の飛行機だと勝手に思っていたからだ。

あの飛行機には何人の客がのっていたのだろう?
…生存者は?
…気になる…。

一旦テレビルームを離れ、日本に送る荷物を郵便局へ持っていった。
そのまま、今日予定していたシントラへ向かうため、駅に行き、列車に乗った。

「…あの機影は、明らかに『旅客機』だった…。」
…列車内では、いつもなら窓の外の景色を存分に楽しむ。
しかし、先ほど見た映像が頭にこびりついて離れない。

『飛行機のなんらかの故障』。
そんな原因では、飛行機が大都会のビルにあんなキレイにつっこまないだろう。
…となると、やはりハイジャックなのか?
…だとしても、ハイジャック犯だって助かる見込みはない。
じゃ、なんなんだ?

あれこれ推測してみるが、ことの真相は全くわからない。
…はがゆい。
ニューヨークで一体何が起こったのか、ものすごく知りたかった。

[ ポルトガル、リスボンにて ] 2001年 9月 12日
旅 302日目

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 少しずつわかり始めた大事件の状況<1>
列車は予定通り、50分ほどでシントラ駅に到着した。
そこから目的地=ロカ岬へ行くため、バスの時間を調べ、バスを待つ。

『テロリスト、世界の中心を攻撃』
『アメリカの心臓を攻撃』
『恐怖』
『2万人 死亡』
すぐ横のキオスクでは、大きな見出しと白い煙に覆われた摩天楼が写された新聞がズラーっと並んでいた。

「…やっぱり、テロなのか!」
見出しから少しずつわかる事件の内容。

同じバスに乗りあわせたドイツ人老夫婦の持つ英字新聞を借りて読ませてもらう。
「…まじかよ!」
新聞を読んで驚愕した。
ビルに突入した飛行機は1機だけではないらしい!
なんと、2機もワールドトレードセンタービルに突っ込んだと書かれている!
…なんてひどいテロだ!

民間航空会社のフライト番号が書かれている。
やはり普通の旅客機がハイジャックされ、ビルに突っ込んだことが見て取れた。
遠くから大陸間弾道ミサイルをうったとしても、アメリカ軍は即座に衛星でそのミサイルをみつけ、 なんらかの防御策を打つはずだ。
しかし、飛行機をミサイルにしたてたこの方法なら、そんなことを気にせず、確実にビルをねらえる…。
なんてことを考えるんだ…。

『カミカゼ』。
つまり、自爆特攻テロだということが、ここではっきりとわかった。

[ ポルトガル、リスボンにて ] 2001年 9月 12日
旅 302日目

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 少しずつわかり始めた大事件の状況<2>
続いて読んだ文章には、自分の英語力を疑うしかない内容が書かれていた。
「…その後、ビルが崩壊…?! え?」
もう、ワールドトレードセンタービルがない、ということ?
…それも2つとも、すでに崩壊してるって?

1981年8月。
9歳の自分はニューヨークでワールド・ トレードセンター・ビルに登った
…その場所が、今はもう、ない…?
…うそだろ?

飛行機がビルに突っ込むという想像もつかない事態が発生したわけだが、 ビルそのものが全部崩壊してしまうなんて、もっと想像がつかなかった。

…信じられなかった。
…とにかく、何もかも信じられなかった…。
しかし、新聞がこんな大々的に『うそ』を報道することの方が考えにくい…。
となると、ここに書かれていることは、全て本当に起こったことなのだ…。

情報を英語で得たので、自分がどこまで正しく理解しているのだろう?
世界の不幸を信じたくない気持ちと、信じがたい事実を受け入れなくてはならないという気持ち…。
…ただただ、戸惑う自分がいた。

[ ポルトガル、シントラにて ] 2001年 9月 12日
旅 302日目

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 テロと聞いて…
テロと聞いて、一つ思い出すことがあった。

先月、あやちゃんがチューリッヒに 持ってきてくれた旅の救援物資の中に日本の新聞があった。
その中の記事にアメリカ政府がある人物に懸賞金をかけた、というものがあったのだ。

その男の名は『ウサマ・ビン・ラディン』。

「…あいつの仕業なの?」
何の根拠もないが、一つの新聞記事を思い出し、そんなことをぼんやり思った。

[ ポルトガル、シントラにて ] 2001年 9月 12日
旅 302日目

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 ユーラシア大陸横断達成
バスはロカ岬へ到着した。
ここを目指したのは、ここが『ユーラシア大陸最西端の地』だからだ。

バス停から見える海。
そこは大西洋。
日本から西へ西へと10ヶ月旅を続け、とうとう大西洋に到達したのだ!

岸壁に近づくと、『ユーラシア大陸最西端』の碑がたっていた。
香港からロンドンまで旅したどこかのヒッチハイク旅番組が『ユーラシア大陸横断』と言っていた。
それが『横断達成』と言えるのなら、香港より東の上海から、ロンドンの西にあるシントラまで旅した 自分の旅も、問題なく『ユーラシア大陸横断』をしたことになるだろう。

なんとなくその『偉業』達成(?)がうれしいが、こなしてしまうと、なんだかあっけない。
別にたいしたことないようにも思えた。

観光案内所で自分の名前入りの『ユーラシア大陸最『西』端到達証明書』(右:写真) を作ってもらい、 来た道を再びバスで戻った。
「ユーラシア大陸最『東』端ってどこなんだろう?」
バスの中で、そんなことをぼんやり思った。

そして、再び、テロのことをあれこれ思い返す時間が戻ってきた…。

[ ポルトガル、ロカ岬にて ] 2001年 9月 12日
旅 302日目

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 ペナ城訪問
ロカ岬からシントラの駅までバスで戻ってきた。
まだ日は高い。
テロのことも気になるが、歩いて少し先のペナ城へ行ってみる事にした。

「今、アメリカに行く国際線は全部キャンセルみたいよ。」
途中出会った若い夫婦から、知らなかったテロ関連の情報を聞いた。

「オレ、明日ブラジルに行くんだけど…。」
「飛行機会社に確認をとった方がいいよ。予定通りに飛行機が飛ぶかどうか…。」
「…え?」
「だって、アメリカが空港を全面封鎖しているから、その影響が他の飛行機にもあるかもしれないじゃない…。」
…そんなこと、考えても見なかった。

確かにテロがアメリカ以外の国で続いて起こると考えても不自然ではない。
今、テロの状況がよくわかってないのに、飛行機に乗るなんて、懸命でないように思えた。

ペナ城

世界遺産、ペナ城にたどりついた。
おとぎ話の中の城のよう。
統一感のない色々なスタイルを外装にとりいれた、不思議な建物だった。
中に入り、素晴らしい内装を見てまわる。
…しかし、明日、自分の乗る飛行機のことが気になり、何を見たか、あまりよく覚えていない…。

[ ポルトガル、シントラにて ] 2001年 9月 12日
旅 302日目

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 一人、悩む…<1>
ペナ城から歩いて駅に戻る道中。
考え直さなくてはならない問題点がたくさん見えてきた。

明日、ブラジルに飛ばず、もう少しリスボンにとどまり、様子を見たほうがいいのか?
 今後、南米から北米と旅するつもりでいるが、そのルートは変えねばならないのか?
安全性を考えたら、今までずっと旅して来た東方向(アジア)へルートを変えた方がいいのか?
 となると、西へ西へと移動し世界一周する予定だった自分の旅は、その目標を達成できないことになる…。

そんな夢の実現より、命の方が大事だ…。
 でも、どうにか、うまいルートはないものか?

もしかしたら、旅をしている場合ですらないのかも?
 すぐにでも帰国したほうがいいのだろうか?

今、自分は何をすべきなんだろう?
 生き延びるためにどうすべきなんだろう?


[ ポルトガル、シントラにて ] 2001年 9月 12日
旅 302日目

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 一人、悩む…<2>
………とりあえず、今すべきことは明日のフライトの確認だ。

テロなどなければ、買う必要などなかったテレホンカードを買う。
そしてシントラの駅からヴァリグ=ブラジル航空のオフィスへ電話した。

「明日のサンパウロ行きの飛行機は予定通り飛びます。」
受話器の向こうからはたんたんとした答えがかえってきた。

しかし、コレは、悩む!
いっそ「1週間くらい飛行機が飛びません。」とでも言われた方が気が楽だった。
多少、旅は足止めをくらうが、『とりあえず安全』なリスボンで、ことの成り行きを見守れる。
安全を確認してからブラジルに行くほうが安心だ。
…しかし、飛行機は予定通り飛ぶ、という…。

のるべきか、とどまるべきか?
…悩む。
誰かに、最善の行動を教えてもらいたかった。
[ ポルトガル、シントラにて ] 2001年 9月 12日
旅 302日目

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 どうする、この旅?
オレは一体、どうすればいいんだろう?
とにかく情報が欲しい!

シントラから列車でリスボンに戻り、すぐインターネットカフェに行ってみた。
「第3次世界大戦の始まりだ!」
普段あまりメールをくれない友達からメールが入っていた。
社会派のヤツからこんなメールがくるってことは、それだけことが重大だ、ってことだ。

「ニューヨークだけでなく、他にもハイジャックされた飛行機がある。」
「飛行機は12機ハイジャックされ、いまだ見つかっていないのもあるらしい。」
母や友達からメールがいっぱい入っていた。

情報提供はうれしい。
メールは日本語で書かれているので、内容もわかりやすい。
しかし、伝聞系の文章で情報がどこまで正確なのか、わからなかった。

「ニュース見た? 日本に帰るべきよ!」
ブラジルのリサからもメールがはいっていた。
そう、明日、約1年ぶりに会うはずのリサから…。

『13金事件』なんかより、もっとやばい事態が目の前に転がっていた。
下手したら、まじで死んでしまうかもしれない…。
すでに、『夢だった世界一周を達成したい!』とか言ってる場合じゃないのかもしれない…。

どうしよう、この旅?
どうなる、この旅?

[ ポルトガル、リスボンにて ] 2001年 9月 12日
旅 302日目

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 決断
「店をしめますよ。」
インターネットカフェの営業時間が終わろうとしていた。
もっとじっくりネットサーフィンして、ニューヨークで起こったテロの情報を集めたかった。
今後、自分の旅をどうしたらいいのか、判断材料が欲しかった。

みんなにも自分の無事をメールしたかったが、そんな時間すらないようだ。
しかし、明日、ブラジルで会う約束をしているリサには自分がどういう行動を今後するのか、メールしておくべきだろう。

「予定通りいくよ! サンパウロの空港で会おう!」
悩みに悩んで、そうメールした。
一度決めた予定は『よっぽどのこと』がない限りやり通そうとする性格が、この決断を導いた。

あんなひどいテロは十分『よっぽどのこと』なのだが…。

[ ポルトガル、リスボンにて ] 2001年 9月 12日
旅 302日目

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 異様
2001年、9月13日、午前8:15(ポルトガル時間)
とりあえず、予定通りブラジルへ行く準備は整えたものの、 飛行機が再びハイジャックされるようなニュースがあったら、 今日のブラジル行きを延期しようと考えていた。

テレビをつけてみる。
「………。」
どのチャンネルもお子様向けのアニメばかりやっている…。
もう、普通の朝に戻った、という感じだ。
こうなったら、もう進むしかない。

予定通りバスに乗り、予定通りリスボンの空港へたどり着いた。

入り口付近には肩からマシンガンをかかえた警備兵でいっぱいだった。
いつもの空港でないことが簡単に見てとれたが、思ったほど物騒ではなくも感じられた。

パスポートと飛行機のチケットを見せ、空港内へ。
それ以外の人間は中へ入れないようだ。
見送り客などは門前払いされている。

「………。」
空港の中は人が少ないからか、なんとなく物寂しい。
空港のロビーとは思えなかった。
その代わり、どこをみても巡回している警備兵がいる。
異様な雰囲気だ…。

そんな雰囲気がちょっとだけ不安な気にさせた…。

[ ポルトガル、リスボンにて ] 2001年 9月 13日
旅 303日目

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 不吉
チェックインに時間がかかったり、いろいろ不測の事態があるだろうと、早め早めの行動をした。
おかげで、空港で時間にゆとりがあり過ぎる。

「自分の荷物は常に携帯して下さい。持ち主不明の不信な荷物はすぐ撤去します。」
普段、空港で聞かないようなアナウンスがいっぱい流れる。
少し緊張感のある空港内…。

手元には少しだけポルトガルのお金が余っていたので、売店で何かを買おうとした。
雑誌コーナーに、早くもテロのことだけをまとめた雑誌が売られていた。(右:写真)
「こんなもの、飛行場で売るな!」
「こんなものを持って、飛行機に乗るなんて縁起が悪いだろ!」
そう思った。

空港の待合室のテレビでは、旅客機がビルにつっこむあの衝撃映像を繰り返し放映してる。
…いいのか?
これからその飛行機に乗るんだぞ、ここにいる人たちは…。

なんだか不吉だ…。

時間を持て余し、散歩をしていたら、先ほどの売店まで戻ってきてしまった。
 :
 :
 :
…つい、あの雑誌を買ってしまった…。

自ら不吉なことをしている様な気がした…。

[ ポルトガル、リスボンにて ] 2001年 9月 13日
旅 303日目

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 免税
ドイツで買ったキックボード。
イタリアで買った眼鏡のレンズ。
ヨーロッパ市民でないので、ヨーロッパで買ったものの消費税は返ってくるらしい。

空港の免税ブースで書類に必要事項を書き込み、提出。
「え! こんなに?!」
23ドルも返ってきた!
せいぜい5ドルくらいしか戻ってこないだろうと思っていたから、ものすごく得した気分だった。
眼鏡のレンズがそれなりのお値段がしたからだろう。
でも、おかげでキックボードはただでもらったようなものになった。

「ラッキー!」
予定外の数十ドル手にして思いっきり喜んでる自分がいた。
これから、大きな危険に遭遇するかもしれないのに…。

[ ポルトガル、リスボンにて ] 2001年 9月 13日
旅 303日目

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 機内
リスボン空港、飛行機内、離陸直前。

フライトアテンダントが救命胴衣や酸素マスクの使い方を説明する。
緊急時の脱出方法、脱出場所などの説明をする。
普段なら気にもとめない、このお決まりの行事。
しかし、この日だけは、機内にいた誰もがその一部始終を真剣に見入っていた。

定刻より40分ほど遅れ、いよいよ離陸だ。
荷物の検査に時間がかかった、とのことだった。
爆弾や不信物をしっかりチェックしてくれたのなら、どんなに時間をかけてくれてもかまわない。

大西洋上、機内にて。
前方のスクリーンでは、ニュースが流れる。
どれもこれもあたりさわりのない、穏やかなどうでもいいニュースばかり。
さすがにテロ関連のニュースは一つも流れなかった。
空港の待合室でもこれを期待したのだが…。

とりあえず、何も問題なく飛行機はブラジルに向け、順調に飛んでいる様だった。
「…俺、本当に飛んでよかったのか?」
今さら考えても仕方のないこと、今考えてはいけないことをつい考えてしまう…。

「今どこらへんだろう?」
「本当に順調に飛んでいるんだろうか?」
なんとなくだが、時間の流れが普段より遅いような気がした。

さきほど売店で買ったあの雑誌…。
「決して読んではいけない!」
飛行機に乗る前そう誓った。
しかし、手持ち無沙汰になった自分は、思わず目を通してしまった…。

[ 大西洋上にて ] 2001年 9月 13日
旅 303日目

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ひとりごと<その1>へ
出発(日本)〜タイ

ひとりごと<その2>へ
タイ〜カンボジア

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カンボジア〜中国

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中国

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ネパール〜インド

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インド、パキスタン

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バングラデッシュ〜ミャンマー

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タイ(3)〜U.A.E.

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トルコ〜

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トルコ〜シリア

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シリア

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レバノン〜エジプト

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ギリシャ〜ボスニア

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クロアチア〜チェコ

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ポーランド

ひとりごと<その16>へ
ポーランド〜オーストリア

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オーストリア〜ドイツ

ひとりごと<その18>へ
ドイツ〜スイス

ひとりごと<その19>へ
イタリア(2)〜フランス

ひとりごと<その20>へ
スペイン

ひとりごと<その22>へ
ブラジル1

ひとりごと<その23>へ
ブラジル2

ひとりごと<その24>へ
ブラジル3

ひとりごと<その25>へ
ブラジル4

ひとりごと<その26>へ
アルゼンチン1

ひとりごと<その27>へ
アルゼンチン2

ひとりごと<その28>へ
アルゼンチン3〜アメリカ

ひとりごと<その29>へ
〜日本



 世界一周旅行、ひとりごと その21 ー目次ー  
旅の36ヶ国目へ (2003/ 9/ 30 更新) ………欧州最後の国へ(2001/ 9/ 05、ポルトガル国境)

青いタイル=アズレージョ (2003/ 9/ 30 更新) ………イメージ通りのポルトガル(2001/ 9/ 05、ポルト)

久々のTV (2003/ 9/ 30 更新) ………思い通りにチャンネルを(2001/ 9/ 05、ポルト)

後悔のない人生に… (2003/ 9/ 30 更新) ………いつ何時、なにが起こるかわからない…(2001/ 9/ 05、ポルト)

センチメンタルな朝 (2003/ 9/ 30 更新) ………自分のルーツを思い返す日…(2001/ 9/ 06、ポルト)

完璧に見える不完全 (2003/ 9/ 30 更新) ………度肝をぬかれた『アラブの間』(2001/ 9/ 06、ポルト)

ワインの町、ポルト (2003/ 9/ 30 更新) ………ワインの試飲を満喫(2001/ 9/ 06、ポルト)

世界最古の大学の図書館 (2003/ 10/ 07 更新) ………見学する図書館(2001/ 9/ 08、コインブラ)

コインブラ散策 (2003/ 10/ 07 更新) ………かなり知らないポルトガルという国(2001/ 9/ 07、コインブラ)

ちょっぴりうれしいネットカフェ (2003/ 10/ 07 更新) ………些細なメールが旅をやる気に(2001/ 9/ 08、コインブラ)

ヨーロッパの旅の終点 (2003/ 10/ 07 更新) ………旅の大きな区切り(2001/ 9/ 09、リスボン)

気合いの入るリスボン滞在 (2003/ 10/ 07 更新) ………あぶない?リスボン(2001/ 9/ 09、リスボン)

ヨーロッパを去る準備 (2003/ 10/ 07 更新) ………事務処理を着々とこなす(2001/ 9/ 10、リスボン)

祝!旅、300日、経過! (2003/ 10/ 07 更新) ………旅の自己最長記録、更新中(2001/ 9/ 10、リスボン)

リスボン散策 (2003/ 10/ 07 更新) ………世界遺産をめぐり、食あたり…(2001/ 9/ 11、リスボン)

衝撃映像(2003/ 10/ 14 更新) ………世界をふるわす大事件(2001/ 9/ 12、リスボン)

何もわからない大事件の状況(2003/ 10/ 14 更新) ………何が起こったの?(2001/ 9/ 12、リスボン)

少しずつわかり始めた大事件の状況<1>(2003/ 10/ 14 更新) ………やっぱり、テロ?(2001/ 9/ 12、シントラ)

少しずつわかり始めた大事件の状況<2>(2003/ 10/ 14 更新) ………もうビルがない?(2001/ 9/ 12、シントラ)

テロと聞いて…(2003/ 10/ 14 更新) ………あいつのしわざ?(2001/ 9/ 12、ロカ岬)

ユーラシア大陸横断達成(2003/ 10/ 14 更新) ………旅の偉業(?)達成(2001/ 9/ 12、ロカ岬)

ペナ城訪問(2003/ 10/ 14 更新) ………心ここにあらず…(2001/ 9/ 12、シントラ)

一人、悩む…<1>(2003/ 10/ 14 更新) ………旅を続行可能?(2001/ 9/ 12、シントラ)

一人、悩む…<2>(2003/ 10/ 14 更新) ………明日、飛ぶべき?やめるべき?(2001/ 9/ 12、シントラ)

どうする、この旅? (2003/ 10/ 14 更新) ………世界一周、延期? 中止?(2001/ 9/ 12、リスボン)

決断 (2003/ 10/ 21 更新) ………ブラジル行きを決意(2001/ 9/ 13、リスボン)

異様 (2003/ 10/ 21 更新) ………普段と違う空港の雰囲気(2001/ 9/ 13、リスボン)

不吉 (2003/ 10/ 21 更新) ………ニュース、雑誌があふれる空港(2001/ 9/ 13、リスボン)

免税 (2003/ 10/ 21 更新) ………些細な意外に喜ぶ(2001/ 9/ 13、リスボン)

機内 (2003/ 10/ 21 更新) ………そして、いよいよ離陸…(2001/ 9/ 13、大西洋上)

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